こんにちは、岡畑興産のすねやです。
ベトナムは、製造業、観光業の成長、輸出の増加など、アジアで最も急速に成長している国の1つとされています。
そんなベトナムは、私たち岡畑興産にとって靴作りのパートナーとも言える存在です。
今注目を集めているベトナムが今後も経済成長を続けていくためには、持続可能なエネルギー社会に向けた開発や整備が必要不可欠です。
そこで今回は、ベトナムの再生可能エネルギー市場について着目します。
ベトナムの再生可能エネルギー市場の現状や今後の動向、さらにエネルギー開発の投資に関する情報についてもお伝えしていきます。
目次
ベトナムの再生可能エネルギー市場の現状・動向は?
ベトナムでは経済成長に伴い、電力需要が急速に増加しています。
主な要因は、生産業の成長、都市化や人口増加による電力消費増などです。
今はまだ、電力不足が発生するなど供給の不安定さがありますが、この需要増に追いつくため、新たな発電プロジェクトが続々と立ち上がっています。
まずは、ベトナムの電力源を見ていきましょう。
現在の主な電力源の内訳は水力35%、石炭39%、石油ガス火力13%、再エネ13%となっており、最も多い電力源は
次に多い電力源である水力発電は、ベトナムには多くの川やダムがあることが理由として挙げられます。
そのほかに石油ガス火力発電があり、さらに環境負荷の小さい天然ガスの火力発電、風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーもあります。
再生可能エネルギーの供給割合はまだ低いですが、石炭火力発電の環境への影響、エネルギー浪費などの課題点を解決するべく、ベトナムでは再生可能エネルギーの普及を急速に進めており、エネルギー効率の向上にも取り組んでいるようです。
再生可能エネルギーの種類ごとの現状は次のとおりです。
太陽光発電
ベトナムの太陽光発電市場は、2010年代中頃から急速に成長しました。
ベトナムは年間を通して豊富な日照時間を持つため、太陽光発電に適しており、発電所は中部や南部地域に集中しています。
ベトナム政府も太陽光発電促進のための対策を実施しており、普及は今後も続くといわれています。
風力発電
太陽光発電と比較すると規模は小さいですが、ベトナムの風力発電も成長が著しいです。
発電所は主に北部や中部の沿岸地域に建設されています。
ベトナム政府は風力発電の開発を奨励しており、将来的に風力発電の容量は増加すると期待されています。
バイオマス発電
バイオマスエネルギーは農業廃棄物や生ごみなどを利用していますが、まだ発展途上の段階です。
ベトナムの再生可能エネルギー投資に注目!
ベトナムの再生可能エネルギー投資は非常に注目されており、国内外の企業、投資家からの投資が増加しています。
その理由には、ベトナム政府がさまざまな政策やインセンティブを提供していることが挙げられます。
例えば、太陽光発電の固定価格買取制度(FIT)や税金の優遇措置などです。
固定価格買取制度(FIT)は2018年に買取の価格を引き上げたため、2020年までの間に再生可能エネルギーのプロジェクト数が急増しました。
現在はFIT制度が終了したため、普及を促す直接電力買い取り契約(DPPA)・入札制度等に移行するよう進められています。
そのため、多くの国際的なエネルギー企業や投資家がベトナムに進出しており、外国からの技術、資本の導入が再生可能エネルギーの発展に貢献しています。
再生可能エネルギーの投資家が支払う法人税に対し、10%または20%の優遇税率が一定期間適用されること、環境への配慮と持続可能な社会への関心が高まっていることも、投資を後押ししています。
日本企業の参入も増えていて、株式取得による投資や、技術・設備提供のほか、実際にベトナムに電力設備を建設し、営業を開始した再生可能エネルギー会社もあります。
ベトナムの再生可能エネルギー市場の今後の見通し・課題も確認
今後もベトナムの再生可能エネルギー市場の成長は続くと言われています。
特に、太陽光発電と風力発電は、適した場所が多いため導入が盛んに行われています。
バイオマス発電も、ベトナムの農村地域での利用が増えています。農業廃棄物や家畜ふん尿をエネルギー源として活用する取り組みが進展しています。
ベトナム政府は、ご紹介したように再生可能エネルギーへの投資を奨励し、政策的な支援を提供しています。
これにより、市場はますます拡大していくでしょう。
また、ベトナムは気候変動への取り組みとして、温室効果ガス排出を削減するための国際的な環境目標に参加し、再生可能エネルギーの利用拡大が求められています。
主な取り組みとしては、『2050年までのカーボンニュートラル宣言』、『第8次ベトナム国家電力開発マスタープラン(PDP8)』があります。
2050年までのカーボンニュートラル宣言は、2050年までに温室効果ガスの排出ゼロを実現するというものです。
第8次ベトナム国家電力開発マスタープラン(PDP8)とは、ベトナムの電力供給の長期戦略を定めた計画。
2030年時点での総発電容量の目標を1億5,049万kwに掲げ、今後の開発を進めていく方針です。
この計画では、再生可能エネルギーの導入と供給容量を大幅に増加し、火力発電からのエネルギー転換が計画されています。
ただし、課題もあります。
発電所から消費地域への送電網の不足や地域格差、膨大な開発資金の調達、技術・スキル不足などです。
ベトナムはこれらの課題を克服しつつ、再生可能エネルギーへの移行を進め、持続可能なエネルギー社会に向けて取り組んでいます。
そのため、国際協力や技術協力などの支援も重要になっていくことでしょう。
今注目のベトナムの再生可能エネルギー市場について知ろう
ベトナムは、既存の火力発電から、環境への負荷が小さい再生可エネルギーへの転換に積極的に取り組んでいます。
特に、豊富な日照時間や沿岸地域の地形などを活かした、太陽光発電、風力発電の普及が進んでいます。
ベトナムの再生可能エネルギー市場は、国内外の投資家、企業からも注目され、投資や技術などの開発支援が盛んです。
その背景には、ベトナム政府による固定価格買取制度(FIT)での発展、税金の優遇措置など、さまざまな政策やインセンティブの提供があります。
また、気候変動への取り組みとして、『2050年までのカーボンニュートラル宣言』『第8次ベトナム国家電力開発マスタープラン(PDP8)』など国際的な環境目標にも参加。
再生可能エネルギー市場の拡大に積極的です。
電力網の地域格差や資金調達、技術不足などの課題もまだまだありますが、再生可能エネルギーの開発、シェアはますます増加していくと言えるでしょう。
再生可能エネルギーの発展が持続可能なエネルギー社会を支える重要な要素となるため、今後もベトナムの再生可能エネルギー市場に大注目です。
岡畑興産では、真面目に靴を作っている会社のブログ「くつナビ」を運営しており、靴や靴の素材、世界の市場についての豆知識など、さまざまな知識を発信しています。
ぜひ、他のブログも読んでみてくださいね!
※岡畑興産株式会社は、化学品事業と靴受託事業が連携し、機能性素材の材料開発・用途開発を進めています。