こんにちは、岡畑興産靴受託事業の伊集院です。
日本に住んでいると、和紙はとても身近に感じることができる素材だと思います。
今でも障子や襖などのインテリアや扇子や書道紙など、日常で使われる物にも和紙を使用したものがたくさんあります。
実は、近年では宇宙服にも使用されるのをご存じでしょうか?
今回は、和紙について、主な用途や意外な活用例までご紹介していきます!
目次
和紙ってどんなもの?特徴や魅力から確認!
そもそも和紙というのはどのような物なのか、改めてご紹介したいと思います。
和紙は、多年生植物の繊維を水の中で分散させて漉くことで均一なシートにしたものです。
樹ではなく長繊維の食物繊維を素材として使用することで、繊維同士が強く結びつくので、非常に頑丈で、寿命が長い紙になります。
和紙の歴史は古く、4~5世紀に日本に伝わってきたといわれています。
通常の紙は経年で劣化していきますが、年数が経った和紙は水分がなくなって締まっていき、よりパリッと丈夫になるため、日本では古くから障子に使われていました。
さらに、吸水性や通気性も非常に優れており、1300年以上前の和紙製の書物や製品が今にも残っているほど、日本の気候に順応ししている素材でもあります。
和紙と西洋紙の違いって?
和紙と西洋紙の大きな違いは原材料です。
和紙が多年生植物の食物繊維を手で漉くことで紙を作るのに対して、西洋紙は木材のパルプを使って作ります。
木材パルプは材木の内側を使うため、1本から作れる紙の量が多くなり、大量生産に向くと言われています。
皆さんが使用しているノートやコピー紙などパルプ紙と言われているものは西洋紙です。
ただ、西洋紙の現在のパルプ材は繊維の長さが短く、繊維同士の結びつきも弱いため、和紙と比べて破れやすく長期保存には向かないという特性があります。
和紙の用途は?和紙はどんなものに使われるの?
強度や保存性の高さ、さらに吸水性まで併せ持つ和紙ですが、現代でもさまざまな物に使用されています。
光を通しながら空間を仕切れるという特性から、日本建築物では障子や襖などの建具としても必須の素材ですし、火に強いという特性から明かりを灯すような伝統的な提灯や、高級料亭では紙鍋などの調理器具でも使用されています。
身近なものでは、マスキングテープも和紙が使われていますよ。
また、日本の伝統的な傘は表面に油を塗って防水性を高めた和紙を使用しており、表面への加工をすることで紙繊維の和紙でも雨具として使うことができます。
その表面への加工のしやすさや風合いの良さ、長期保存のしやすさから、伝統的な日本画や版画、書道などの日本芸術の作品でも使用されています。
このように、和紙は日常生活にも深く浸透し、幅広いシーンで使われています。
和紙の意外な活用例もご紹介!実は靴にも使われている
日用製品などでも和紙が使われていると紹介しましたが、実は冒頭でも触れた宇宙服や、洋服・マフラー・靴にも使われています。
和紙の寿命はなんと1000年以上ともいわれており、耐久性が非常に高いことから宇宙船内被服にも選ばれました。
詳しく伝えると宇宙で使われたのは服ではなく、和紙繊維のスニーカーソックスなのですが、洗濯のできない宇宙船内で長期着用に不可欠な抗菌 ・消臭性に優れていることも、選ばれた理由の一つです。
日常のものでは、服やマフラーの素材の一部に使われていたり、最近ではウェディングドレスにも活用されている和紙ですが、靴の素材としても注目されています。
「過酷な環境下で使用される靴に和紙なんて紙を使っても大丈夫なのか」と思われた方もいるかもしれませんが、海外ブランドでは実際に和紙を使用した製品が発売されています。
もちろん、和紙そのままですと靴に使用する上での強度が足りないので、和紙とポリエステル糸を組み合わせて和紙糸として成型し、その糸を使ってテキスタイルやニットなどを作成します。
この和紙布は和紙の機能性を持っているため、吸水性や、風合い、柔軟性を活かして、アッパーの素材として使用されることが多いです。
岡畑興産が取り扱っているITOITEXの和紙糸も、まさにこのような機能を持った高機能な素材として知られています。
和紙糸を使った和紙布は、靴の中に使用すれば足の汗を吸ってドライな環境を作ったり、靴の中の熱を放出しやすいという機能があり、消臭効果も期待できるため靴の中の匂いも取り除いてくれるという嬉しい効果が期待できます。
和紙布を使用したシューズ(足袋型ゴルフシューズ)を岡畑興産で開発したブログもあるので、ぜひ読んでみてくださいね!
ヒコみづの&岡畑興産(くつナビ)SMILE SHOT PROJECT vol.2
ヒコみづの&岡畑興産(くつナビ)SMILE SHOT PROJECT vol. 4 / 最終プレゼン前半
和紙の特徴や用途を知って、活用・購入の参考に!
多年生植物の繊維を漉いて作られている和紙は、繊維同士の結びつきが強く長期保存に向いています。
年数が経った和紙は水分がなくなって締まり、パリッとなる特徴があり、日本では古くから障子に使われていました。
優れた吸水性や通気性は日本の気候に順応ししている素材でもあり、古い書物や製品が今も変わらず残っているものが多くあります。
建築用品、書物、傘など以外にも最近では下着、靴下などの服飾品でも使われているのは抗菌性・消臭性に優れているためでしょう。
そのような理由から宇宙服にも採用されるなど、今とても注目度が高い素材です。
いかがでしたでしょうか? 和紙の靴下履いてみたくなったのではないでしょうか?
また、岡畑興産では、真面目に靴を作っている会社のブログ「くつナビ」を運営しています。
靴や靴の素材、豆知識などさまざまな知識を発信していますので、こちらもぜひご参考ください!
※岡畑興産株式会社は、化学品事業と靴受託事業が連携し、機能性素材の材料開発・用途開発を進めています。