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靴の材料

2021.09.16

TPU素材とは?メリットデメリット、用途を詳しく解説!

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こんにちは、岡畑興産靴受託事業の伊集院です。

 

突然ですが、TPUってご存知ですか?

 

TPUというのは熱可塑性ポリウレタン樹脂(Thermoplastic Polyurethane resin)の略称のこと。

一般的にはTPUという呼称の方が有名かもしれません。

 

TPU素材は幅広い用途で活用されていますが、実は靴にもよく使われています。

 

今回はTPU素材について、特徴やメリットデメリット、使用用途など詳しくご紹介していきます!

TPU素材とは?その特徴やメリット・デメリットをチェック!

TPU素材とは、POLYURETHANE(ポリウレタン)という名前の通りの樹脂材料で、THERMO(熱)で加工したプラスチックの一種です。

 

一般的なイメージされるプラスチックよりも弾力性と柔軟性があります。

熱を加えて成型した後でも分子同士の繋がりが強くならず、再度熱を加えることで別の形状へと成型し直すことができる素材です。

 

樹脂自体の再利用もできるという点から、比較的安価なのも特徴の一つ。

 

ポリウレタンの特徴である耐衝撃性や柔軟性も持ち合わせていることから、身近なさまざまな商品に使用されています。

 

過去のコラム「樹脂加工とはどんな加工?合成樹脂の種類や活用方法もご紹介!」でもTPUの製造方法について詳しく触れていますので、ぜひ参考にしてください!

 

 

TPU素材のメリットとデメリット

TPU素材にはどんなメリット・デメリットがあるかも、見てみましょう。

 

 

メリット

・伸縮性がある

・引張、引裂、摩耗に強い

・弾性があり、衝撃吸収性がある

・水蒸気を通しやすい(水透過性がある)

 

 

デメリット

・水に弱く、加水分解しやすい

・黄変しやすい

 

これらの特徴を生かして何に使用されることが多いのか、次でお話ししていきますね!

 

 

TPU素材ってどんなものに使われてるの?

TPU素材は幅広い用途に活用されていますが、そのメリットを活かしてどのようなものに使われているのかをご紹介します。

 

まず、TPU素材が使われている最も身近な製品として、皆さんが今も手に持っているスマートフォンのケースでしょう。

一般的にスマホケースと呼ばれるものです。

 

特にポリウレタンの特性である衝撃吸収性や柔軟性は、スマートフォンを落とした時に保護をしたり、スマホケースの着脱を簡単にしたりと、素材としての相性が抜群の樹脂といえます。

 

樹脂自体が比較的安価なため、製品代金を低く抑えることも可能です。

 

同じスマートフォン関係でも、薄いフィルム状に成型することで、スマートフォンのガラスカバーのフィルムとしても使われています。

 

さらに、スマートフォンの中の電子部品や本体の一部パーツにも使用されることも。

多種多様な形状・機能を持たせることができるTPU素材は、スマートフォンひとつ取っても幅広く使われています。

 

その他には、車のシートの表皮材、スーパーマーケットのカートのキャスター部分、珍しいものでは、3Dプリンターの印刷用樹脂としても使用されています。

 

生活する上で使っているさまざまなものにTPU樹脂が使用されています。

ぜひ、この機会に組成表をチェックしてみてくださいね!

 

 

 

TPU素材の靴への用途は?

 

TPU素材は、靴ではどのような部分に使用されるのかもご紹介しましょう。

 

まず、TPU素材が一番使われているのはアウトソールと呼ばれる靴底の部分。

 

特にサッカーや野球などの競技用シューズのソールとして使用されることが多いです。

これはスライディングや地面を削るような動作が多い競技に対して、TPU素材の耐摩耗性能の高さが非常に相性が良いからです。

 

野球スパイクではソールのプレートとして使用され、そこに金属のスパイクを取り付けます。

金属スパイクの代わりに樹脂スタッドを取り付けるタイプでは、TPU素材の成型スタッドが使用されることがあります。

 

ただ、TPU素材だけでソールを作ると重くなるため、プレート部分には軽量のナイロンを使うことが多いです。

削れやすいスタッド部分のみをTPUを使うことが増えてきています。

 

軽いけれど削れやすいナイロンと、耐摩耗性が高いTPU素材の組み合わせで「軽くて、削れにくいソール」を作ることができるのです。

 

その他にも、TPU素材を1mm以下のテーブルクロスのような薄いフィルム状にしたものを、ニットや織物材料の上に熱で圧着させ、アッパーパーツに防水性・耐摩耗性をプラスすることができます。

最近ではこの手法によって、ソール以外の部位にも靴の材料として使用されることが多くなっています。

 

 

もしかしたら、靴箱にもこのTPU-FILMが貼られているスニーカーやランニングシューズが入っているかもしれませんね!

一度チェックしてみてはいかがでしょうか?

 

スニーカーの構造については「スニーカーの構造をチェック!各部の名称や役割を詳しくご紹介」でもご紹介していますので、ぜひご覧ください!

 

 

TPU素材とは幅広い用途で使われているプラスチックの樹脂材料!

TPU素材とは熱で加工したプラスチックの樹脂材料で、プラスチックよりもさらに弾力性と柔軟性があります。

熱を加えて成型した後でも分子同士の繋がりが強くならず、再度熱を加えることで別の形状へと成型し直すことができる素材です。

 

他にも、伸縮性がある、引張・引裂・摩耗に強い、衝撃吸収性がある、水蒸気を通しやすい(水透過性がある)などのメリットがあります。

 

代表的な用途はスマートフォン関連ですが、靴にも使われていることが多いです。

 

樹脂というのはTPUの他にも多々あり、多くの素材がさまざまな靴に使用されています。

 

今後も、くつナビでは色々な材料について紹介していきたいと思いますので、更新を楽しみにしていてください!

 

 

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