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2021.12.01

ベトナムの靴サプライチェーン立て直しレポ

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【Okahata News Letter18号(2021年11月)抜粋記事】

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ONL18号「混沌のベトナム 中国、007」

ベトナムの靴サプライチェーン立て直しレポ

ベトナムは、世界の靴生産のメッカであり、弊社靴受託のホームグラウンド。そのベトナム、ホーチミン市が今回の震源地。

 

7月中旬、首相のロックダウン指示により、不要不急の外出禁止、公共交通機関の停止、飲食店の営業停止が始まりました。
通勤も生産も許されているはいるものの、工場の操業停止につながっていくロックダウンの始まり。

 

靴工場は典型的な労働集約産業、大規模工場となると3~5万人ものエ員が就労しています。
感染が出た地域からの従業員の出勤は禁止されますので、人流を止めるのがベストと判断し、従業員を工場敷地内でテントに宿泊させ、労働力の確保を図りました。

“ 動くな、ここにいなさい、そして稼働を続けましょう“式で始まった、ロックダウンの中の生産ですが・・・

 

 

想像してみてください、何万人もテントに詰め込み、通勤させずに操業を続けるのには、無理があります。
従業員の衛生上にもよくないですし、密の中で感染リスクも高まります。結局、この対応は長くは続かず、すべての靴工場が休業に追い込まれ、従業員のすべてが自宅待機もしくは地元に戻っていくこととなりました。

 

 

弊社パートナー靴工場はハイフォン(ベトナムの北東)に位置しており、南のホーチミンから遠く離れているので操業停止は免れましたが、影響ゼロというわけにはいきません。

一部原材料はホーチミンのメーカーから調達しており、特にソール成型品などは入荷されず、製品を作りたくても作れない。
従業員も確保し、生産準備万端。なのに、作るための材料が届かない、という状況が続きました。

 

ホーチミン市のロックダウンが、 1500kmも離れたハイフォン生産を止め、ペトナム全土の靴生産をストップさせたのです

 

 

ホーチミンのロックダウンはかれこれ約4カ月も続き、ようやく10月下旬に解除。11月上旬時点では、自宅待機、実家に戻っていた従業員が100%工場に戻っておらず、稼働率は60%程度の状況。

 

すでに別の就職口を見つけた人、戻りたくてもワクチン接種証明がなく工場に入れない者、まだ人混みは怖いと思っている人など、事情はさまざまで、従業員の帰還率=工場稼働率、となっています。

 

 

ハイフォンの受託工場は、みかけの稼働は100%ながら、原材料の調達遅れで80%稼働率にとどまっています。

アッパー縫製はフル稼働するも、ソールが届かず、縫製アッバー半製品が製品倉庫まで埋め尽くすような状況。

 

人はいるけど、材料がない。。。救いは、需要が旺盛であること。欧米の経済活動再開の動きを受けて、大手ブランドからの発注は殺到中。

靴工場としては、トップギアで生産再開をさせたいのですが、全ての需要を満たせない、歯痒い状況です。大手ブランドも、ベトナム現況を受け、‘‘調達できないものは出来ない‘‘、と調達製品の選択を行い、生産計画の見直しに着手しました。

 

需要があるのに、間引かなければいけないというブランドと減産を強いられる工場。

 

 

そんな苦境の中でも、ロジスティックの強みを活かせば、やれることはまだまだある!と現地駐在員、海外個会社が逞しく業務奮闘中です。

 

 

取材協力: 矢島洋介(ベトナム)、Joanna Lei(台湾)、三反園悠太(日本)

 

取材・文/ 岡畑興産株式会社 フットウェア事業統括 米本 弘

 

世界の荒波には慣れています。

最適目的地へのパイロット役を心掛けています。

 

 

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