こんばんは!岡畑興産の伊集院です!
入社当時、ビジネス用語の理解が追い付かず、頭を悩ませたのは私だけではないはず…! と思います。
ないはずだと思いたいです。
ちなみに、私の最近覚えた会社用語は「全員野球で」です!
ですが、本日の記事では受発注業務の王道専門用語!「MOQ・SPQ・SNP」についてご紹介します!
どれも受発注の際にとても重要なタームですが、改めて使い方や読み取り方をおさらいしましょう。
目次
MOQ・SPQ・SNPとは?受発注用語の基礎知識から確認
ではさっそく、「MOQ・SPQ・SNP」についてそれぞれ解説していきましょう。
MOQとは
MOQ(エムオーキュー)とは、「Minimum Order Quantity」の略で、商品を注文する際に最低限必要な数量のことです。
少量の生産や物流となると1個に掛かる費用が大きくなってしまい、適正な利益を出すことができないため、サプライヤーやメーカーは一定の数量以上の注文を要求して、無駄のない生産や配送を行いたいのです。
例えば、1回に100個以上の注文が必要な場合は、MOQは100個ということになります。
MOQを設定するメリット
MOQを設定するメリットとしては、生産者の利益の確保、原材料のロスを減らすということがまず挙げられます。
MOQを設定していないと少量の発注が来た場合、人件費や輸送費が高くかかっているにも関わらず、利益は少ないため赤字ということになります。
そのような儲けが出にくい取引を減らすためにMOQを設定することで、人件費や輸送費を考慮しても赤字にならず利益が出る取引を確保することができ、コストを抑えられるのです。
また、MOQ以下で発注される特殊な場合、単価交渉がしやすくなる点もメリットです。
運送費の負担を発注側にしてもらう、単価を上げて受注を取るなどもしやすくなります。
そのほか在庫状況も把握しやすく、在庫の確保や製造計画を立てやすいところも良い点でしょう。
SPQとは
SPQ(エスピーキュー)とは、「Standard Package Quantity」の略で、商品の発注単位のこと。
SPQが100個の場合は、100個/200個/300個など 100の倍数で発注してくださいということです。
MOQは生産者の利益の確保、原材料のロスを減らすために設けられていますが、SPQは梱包・出荷の効率を上げるために設けられています。
SNPとは
SNP(エスエヌピー)とは、「Standard Number of Package」の略で、出荷や配送に使われるパッケージに含まれる商品の数量のこと。
例えば、10個の商品を一つの出荷パッケージ/カートンに詰める場合、SNPは10個となります。
SNPに加えてカートンの大きさを運送車両やコンテナ、自社倉庫のスペースなど条件と合わせることで物流の効率化とコストを抑えることができる大事な要素です。
このことから、SNPの設定をすることで最適な製品の保管をしつつ物流の効率化が図れるため、MOQ、SPQと合わせて重要な発注単位となります。
MOQの読み方。SPQやSNPが併記されている場合は?
MOQが実務の中ではどのように使われているのか、SPQ・SNPと組み合わせることでどんな意味になるのか、読み方を説明しましょう。
例1) MOQ 1000個 / SPQ 500個 / SNP 50個
最低注文は1000個から、500個単位で個数を増やせて、50個入りカートンで納品されると読み取ることができます。
この条件だと、例え1200個を発注したくても、1000個か1500個かどちらかを選択しなくてはならないということです。
多めに発注して在庫するか、不足分は次の発注に回すのか判断が必要になります。
例2) MOQ 1500個 / SPQ 1000個 / SNP 100個
最低注文は1500個から、1000個単位で個数を増やせて、100個入りカートンで納品。
この条件で1500個よりも多く発注したい場合には、2500個、3500個と大きく数が増えることになります。
在庫管理、倉庫管理以外に販売予測を上手にしないと大量の在庫が余ることに…
MOQの注意点は?発注側・受注側に分けて確認
MOQの意味や設定されるメリットなどをお伝えしましたが、次からはMOQの注意点を発注側・受注側に分けて確認していきます!
MOQの注意点【発注側】
まずは、発注側の注意点からご紹介していきます。
発注者側で気をつけたいのは下記の2点です。
過剰・過不足発注をしない
まず、MOQに関しては、サプライヤーやメーカーが最低限要求する注文数量を確認しましょう。
ここで注意してほしいのは自社の需要に合わせて適切な数量を購入するかどうかを検討することです。
MOQの設定が高めなところから購入してしまうと在庫が余ってしまったり、保管コストがかかる可能性があります。
販売時期を逃してしまうと、キャッシュフローにも影響が出かねません。
また、MOQが低いからといっても油断は禁物です。
一度購入したけど在庫が足りなくなったから追加購入しようとした際に、発注タイミングが悪く前回の倍の納期がかかってしまったり、追加で輸送費が発生したりしてしまうほか、希望するタイミングで全数揃わない、想定以上の材料費用になってしまった……なんてことも。
商品を発注する際には、納期や生産状況を考慮しつつ必要数量の見極めが大変重要になります。
MOQ以外の条件も確認
見積書には、商品の価格や数量だけでなく、MOQの情報だけでなくSPQやSNPの条件についても記載されていることがあります。
これらの情報は、購入者や販売者にとって重要な要素ですので、しっかりと確認する必要があります。
うっかり見落としてしまうと希望する数量で発注ができなかったり、納品されたものの保管する場所がなかったりということに、つながりかねません。
発注する際はMOQ以外の条件も要確認です!
MOQの注意点【受注側】
MOQを設定する上で受注側が気をつけたいポイントは以下の2点です。
MOQの適切な設定
自社にとって高すぎず低すぎない適切なMOQを設定しておかないと、後々トラブルの元となります。
高すぎる設定の場合は購入者側に対して商品の大量購入を強制してしまうことになります。ニーズもずれてしまい受注数が減るだけでなく取引企業が減ってしまう可能性もあるでしょう。
さまざまな商品を扱う企業では、商品ごとの需要をしっかり判断することが求められます。
一方、低すぎるMOQを設定してしまうと少量の注文が多くなります。
その度に人件費や運送費が余計にかかってしまうため、利益の確保が難しくなる恐れがあります。
十分な利益の確保をするためにも、適切なMOQの設定は重要です。
柔軟な対応が必要
MOQを設定したものの、顧客の需要や市場の動向は流動的です。
前回は特に問題のなかったMOQの設定でも、顧客からすると厳しい条件になっているということも考えられます。
販売の機会を逃さないためにも、時には柔軟な対応が必要です。
例えば、定期的なMOQの見直しをする、長期的な取引を続けてもらうために割引価格を設定するといった対応が求められるでしょう。
自社のニーズや要件に合わせて、定期的にサプライヤーやメーカーとコミュニケーションを取り、条件の調整や変更の可能性について話し合うことが大変重要です。
MOQとは発注可能な最低数量!SPQやSNPも理解しておこう
おさらいをすると、MOQはMinimum Order Quantityの略で、商品を注文する際に最低限必要な数量。
SPQはStandard Package Quantityの略で、発注単位のこと。
SNPはShipping Package Quantityの略で、出荷や配送に使われるパッケージに含まれる商品の数量のことを指します。
取引の際には、見積書の段階でMOQの数は需要や販売戦略に合っているか、SPQやSNPはなぜその数値なのか、設定数を崩して端数発注や、バラ梱包をしてもらうのは可能かなど、じっくり検討することが重要です。
すんなりと納得のいくお取引になる場合もあれば、お互いが納得いく条件をまとめるまでに時間がかかる場合もあるでしょう。
ビジネスは双方にメリットがあってなんぼ!しっかりとしたすり合わせが大切です!
これらの要素を適切に評価して、自社の需要や販売戦略に合致する取引条件を確立することで、効果的な製品調達と販売活動を行うことができます。
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