ランニングを日課にしたい(日課とは言っていません)岡畑興産きのしたです。
愛犬のために、ペットグッズショップを見かければ必ず立ち寄ってしまいます。
ふと手にとったボールですが、タグを見ると「EVA」の文字が。
EVAといえば靴を生業にしている岡畑興産としては、とても馴染みのある素材。
ただ、硬度の違いで靴以外の用途に使われていることもあります。
今回はEVAの中でも硬めの「硬質EVA」に関してご紹介致します。
硬質EVAってどんな素材?
まずEVAですが、過去のくつナビのコラム「EVA素材とは?その特徴や使われる製品をご紹介!」でもある通り、Ethylen-Vinyl Acetate (エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂)という樹脂の名前の頭文字を取った略称のこと。
柔軟性と弾力性を持った、用途の広い熱可塑性合成樹脂の一つです。
今回焦点を当てる硬質EVAですが、呼んで字の如く硬いEVAです。
発泡率を低くすることで密度が上がり、密度が上がることで硬度が上がります(硬くなる)。
この硬質EVAですが、硬度が上がることによって通常のEVAよりも反発性が増し、衝撃が加わった際にたわみにくくなっている(指で押しても凹みにくい)のが大きな特徴です。
EVAの「硬度」とは
使用用途別に硬度を変えられるのがEVAの良いところ。
硬い・柔らかいというのは主観的なものではありますが、硬さは数字で表すことができ、「硬度」という言葉で表します。
デュロメータという硬度計を使用するのですが、タイプAとタイプC(ASKER C)の2つの硬度計が存在します。
タイプAはゴムなどの硬度を測る際に、タイプCはスポンジやゲルなどの軟質素材に使用され、硬度を詳細に調べることが可能です。
硬度は靴で使用するEVAでも靴毎に何度と基準が決められており検品時に毎度確認します。
これらの情報を蓄積することで「硬度が何度であればどの靴に合うか」など、品質管理の面でも大いに役立っています。
硬質EVAはどんなものに使われている?
EVA全体の特徴として、ポリエチレン樹脂と比べて、弾力があって柔軟であること、低温下でも硬くなりにくいこと、発泡体のため空気を多く含んでいるので軽量といったものがあります。
そのため、バスマットやジョイントマット、包装材、下地材、断熱材・土木建築用目地、パソコンケース、玩具などに使用されることが多いです。
硬質EVAも、その素材の特徴を活かして様々な用途に使用されており、以下のような用途に使われています。
- 床、壁などの衝撃吸収材
- スポーツプロテクター
- 防具等の緩衝材
- 自動車関連素材
- 遊具の衝撃吸収材
- 体育用マット
- スポーツ競技場の壁面
上記は通常のEVA素材と同様に軽量性が必要な物ですが、衝撃を受けても簡単に凹まず、しっかり衝撃を反発してくれる「硬質EVA」が適している例ですね。
硬質EVAの特性を知って活用・購入の参考に
硬質EVAは発泡率を低くしたことで硬度をあげたEVA。
反発性やたわみにくい特徴があります。
硬度はデュロメータタイプC(ASKER C)という硬度計を使用し計測され、数値で管理することが出来ます。
素材の特徴を活かして様々な用途に使用されていますが、床・壁などの衝撃吸収材、スポーツプロテクター、防具等の緩衝材、自動車関連素材、遊具の衝撃吸収材、体育用マット、スポーツ競技場の壁面などで使用されることが多いです。
硬質EVAの特徴を知って、ぜひ製品選びにも活かしてください。
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※岡畑興産株式会社は化学品事業と靴受託事業が連携し、SDGsに貢献できる材料開発・用途開発を進めています。