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岡畑の熱い人々

OKAHATA PEOPLE

2025.03.06

社長の○○

書くとは、考えを練り上げる技術、=コツコツ書くコツ

  • #入社を希望される方へ
  • #社長が書いた

2025年2月27日、岡畑社長による「しごとをあそぶ」講演原稿の一部。
 

参考書の山(好きだからこんだけ読める)

量で勝負する僕のスタイルでもありますが、読書量=引き出しの数が多い方が、に書けるのは、間違いない。

「書けないうちは、思考ではない」:“書く”とは思考・アイデアを練り上げる技術である:“人を動かすために書く”を書きます。

管理職とかプロマネとか関係なく、ひとりで仕事が完結する人が存在いない以上、みんな、言葉で人を動かしている

残念な情報をひとつ。皆さん忙しいので、難しいことはスルーし、それぞれ都合よく解釈して勝手に仕事を進めていく、“雑な伝言ゲーム”というのが、仕事の本質いや現実。メッセージは正しく伝わらない、という大前提。(全員がそんなヒドくないかもでも、長〜い伝言ゲームの途中に数人こういう人いたらアウト)

メッセージ、伝え方に工夫をしなければ、自分の意図は、伝わりません。そもそも練りに練られたシャープなメッセージでさえ、途中で歪む恐れがあると言うのに、思考にさえなっていない、自分の思い付き、クソ初稿(Shitty First Draft)、をそのまま、投げつけますか?(その上、伝わってないと相手のせいにしますか?)

ーーー

クソ初稿とTシャツの話:

当日着ていたTシャツ:All first drafts of everything are garbage.→The first draft of anything is shit. – Ernest Hemingway

“Shitty First Draft”という考え方(「Bird by Bird」/Anne Lamott):
日本訳すると、“クソ初稿”。プロ文筆家でさえ、いや、プロ文筆家は皆、「初稿なんてクソだ」と言い切っている。素人の我々が、うまく書けないのは、当たり前。クソ初稿で(がっかり)手を止めず、とにかく書いていいんです!

今日の講義タイトルのv1、クソ初稿は、「日々打席、日々練習、岡畑先生のわんぱく・スパルタ講義」笑。このクソ初稿のおかげで、皆さんと議論(と日本酒)が進み、「魚、釣れてます?:仕事というゲームを日々楽しむ方法(仮)」等々大量の仮タイトルを経由し、「しごとをあそぶ」というv20にたどり着いた。

“クソ”伝言ゲームへの、各社各様の工夫の話:

有名どころで言えば、Amazonは、パワポ(の雑な箇条書き)じゃなくて、6ページの文章(誤魔化し聞かないロジックを聞かせろ)だし。ホワイトボード使ったり、書くことで課題解決に繋げたり↓

A) 例1:Nvidiaの場合:Jensen Huangはホワイトボード中毒
Jensen Huang(CEO of Nvidia)は、コミュニケーションのためにホワイトボードに書くのが大好きで、世界中どこで打ち合わせしても、ホワイトボードが用意されていて(事務局泣かせ・笑)、お気に入りの台湾製マジックペンが常にポケットに。

ホワイトボードを使えば、「薄っぺらい考えや穴だらけの仮定に基づく論理は一発でばれてしまう」とは「最近エヌビディアの流儀」から。

Nvidiaでは、ゼロから理解/アイデアをホワイトボードに書き始めることで、その理解/アイデアが本当にシャープで、伝わるレベルに達しているか、思考のストレステストをしているのだと思います。

言葉だけで終え皆が自分勝手な解釈で進んでしまう(伝言ゲーム)リスクを減らし、同じ言葉=同じ結論を書き見て合意、そこにペグを打ち込んでおく。

同じボード上で共通理解されたら消し去り、次もゼロから書き始める、ってのも、潔い。(こうやって、アイデアが、強固に、練り上がっていく)

B)例2:キャノン電子の場合:自発を促すレポートの効用 
(引用:「左遷社長の逆襲」/酒巻久)

問題解決力と、仕事の回すスキルを得るために書く会社のお話。

当時の酒巻さんは社長就任以来、課長以上には、毎週レポート(その時の課題と対策)を課し、社長自ら、赤ペン(仕事の進め方+文章力)を入れ続けた。

幹部曰く、「たんに文章力だけでなく、問題の所在を自ら探し求め、対策を立て、実行し、効果を見極める、という基本的な仕事サイクルの回し方を一からみっちり教え込まれた」

課題に向き合い明確な対策を打ち出しているマネージャーにはアドバイスがしやすくグングン伸びる。向き合ってない人に対しても、課題探し対策探しの指導を早めにできるので、問題が大きくなってから顕在化する「今まで何してたの」問題を減らすことができる。ズレ補正のケイデンスが上がっていく、レポート制度と理解してます。

社長は、優れたレポートを回覧。リーダー間での切磋琢磨を促し、社員からも、上司の言動が年々洗礼されていったとコメントあり。

〜弊社も週報で回している会社ですが、(社員には幸か不幸か笑)、僕は筆まで入れておりません〜

ちなみに、酒巻さんはキャノン電子の元社長で、キャノン電子の宇宙ビジネスを立ち上げた人。キャノン電子出資先の、スペースワンは、和歌山の串本で自前のロケット射場を持ち、カイロスという名のロケット打ち上げに挑戦されています。

余談(202412:岡畑典裕の家族日記笑):
カイロス2号機🚀の発射を観てきました。残念ながら、高度110kmまで到達、3分後に、ロケットは自律破壊されましたが、成功への大きな一歩!ちなみに、SpaceXでも、“失敗”と呼ばず、RUD(Rapid Unscheduled Disassembly: 予定外の急速分解)と呼び、成功へのフィードバックのひとつとポジティブ扱い。(あくまで未知で超ハイリスクな宇宙ビジネスだから言えること。原料納期遅れを、Rapid Unscheduled Misdelivery とか言ったらあかんやつ)

 
C)例3:弊社は書くことに決めました↓

ONL30Abbey Kajibashi Roadと書く文化について:(書きまくる)社長では、
・「社長のあたまの中は、常に丸裸にしておこう」
・「自分の話を文章化したら、大したことなかったという経験(ガーン)」
・「言いっ放さないこと(=書くこと)の効能:自己チューな初期設定と独りよがりなロジックが削ぎ落とされ、相手にわかる文章/思考になるまで、ひたすら書く。(わかってもらえた時に、チームは静かに動き出す。これ実感)」と抽象論を書きましたが、今回は具体の話。

“コツコツ書くコツ”を(ある方との長文メールやり取りに加筆したもの、Sさんありがとうございました)。

“コツコツ書くコツ”

[前口上]
僕は、取り組みの大小限らず、実行に移す前に、必ず文章に落とし込みます。“Shitty First Draft”=クソ初稿を恐れずに、書く。思考でさえない“思いつき”レベルで、人を動かすほど、リーダーとして愚かなことはないし(自戒を込めて)、やるなら、練りに練ったアイデアで、勝ちに行きたい(みんなでデカい岩を動かしたい)。

それでも、僕がやることは“突飛”にみえるようで、思いつきと思われがち(涙)。

脱線:
それって結構、褒め言葉。“突飛に見えて、実はイケてる”=「バカなる」が最強なので。「バカなる」=バカなxなるほど、別名「コンセンサスと異なる、正しい手」(Contrarian and Right)、これ書くとさらに長くなりそうなので、またの機会に。

では、コツコツ書くコツ。

A) 反響は、全く気にしません(強がり気味)

みなさん忙しいので、お返事なんてくる方が奇跡、と考えておいた方が正解(かつ、気が楽)。反響は気にしない分、誰かひとりにグサッと刺さる内容・文章を書き残せたかを気にします。反響はどうしようもないけど、文章を書くことだけは、自分でやり切れる仕事なので。

“岡畑さんあんなこと書いてたな”と、
Ⅰ)いつか思い出してもらえる位の爪痕が残ったか、
Ⅱ)読み直してくれた時にブッ刺さる内容か、が勝負。

反響/コメントがなくても、良いメッセージを続けて、続けて、続けていれば、ジワジワ響きます。(1年後とかに〜行動と成果の距離は果てしなく遠い〜)

弊社的な言い回しだと、
→「悠々にして急げ」
→「的を狙わず、的を射る」
→「山奥の良品店」

B)書きはじめ:ペルソナを決め、軽い気持ちで書き始める。
特定の誰かを確実に刺すために、書き始めています。“クソ初稿”なーんて、気にせず、とにかく書く。質より量。叩き台の叩き台の叩き台を書く、位の軽い気持ちで、とにかく書きまくる。

C)書いては、何度も書き直すPart1(自分探し)。
毎日コツコツちょっとずつ。乗ってる日にはガーっと吐き出すように書きまくる(拡散フェーズ)。で、何度も何度も、書き直す。

初めの数バージョンは、自分目線が強くて、翌日に読むと驚くほどつまらない。こうやって、Shitty First Draft=“クソ初稿”の説得力が腹に落ちるわけで、よっぽどの才能がない限り、自分の書く初稿、が面白いはずがないので、自分に辛く当たることはなく、ノリノリで書きまくってる自分を褒めましょう。

→「褒めたら→できる」

見直し、書き直しまくりの作業は、翌日、気分の良い時間帯に(いちばん脳みそが働く時間=自分のつまらなさに寛容になれる時間に)。

“書いては、翌日書き直す”作業を繰り返すと、自分目線が削ぎ落ち、相手に伝わるシャープな文章が残り、結果的に、“自分の言いたかったこと”がやっと浮き上がってきます。「なるほど、僕はこれが言いたかったんだ!」という瞬間が来るまで、“書いては書き直す”作業が続きます。

→「書けないうちは思考ではない」
→「v20まで練り上げずに、良いものができるはずがない」

(書きまくる副次的効果は、自分のスタイルが確立できること。ゴルフでも何でも、練習しまくらないと、自分の得意不得意は見えてこないですもんね。量をこなした人だけに、“スタイル”を語る権利がある!)

D)(やっと)見つけた“言いたいこと”に合わせて、躊躇なく文章リストラ。
初期のなんとなく組んだ構成(起承転結のようなもの)を捨て、やっと見つけた“書きたいこと”に合わせて、“クソ初稿”的構成にしがみつく理由はゼロなので、躊躇なくリセット。僕の場合は、ペルソナさえも変わり、コツコツ練り上げてきた文章を全て捨てることも多いのですが、そこまでの道のりも、伝わる文章を書くためのプロセスだと、割り切ってます。

E)書いては、何度も書き直すpart2 (最終形に向けて)
書いては書き直すpart1を拡散とするなら、part2は収束。作業は同じでも、目的は真逆です。

書く技術が問われるフェーズ。「三行で撃つ」/近藤康太郎、をぜひ。

僕が気にしているのは、とにかく前半は面白く。フック、読み手の摩擦係数を下げてあげること。

“言いたいこと”“初めのフック”が決まった瞬間、この文章はなんとかなるな、と一安心。ゴールは存在する、と思える瞬間。逆を言えば、ここまでは、ゴールさえ見えていないキツい作業。だから、“答えがないものを、アウトプットにする”、ちゃんと書くという作業は難しいのだと思います。(だから、みんな途中で諦めちゃう)

ここまでの“書いて、何度も書き直すpart1、part2”を諦めずにこなせれば、質(中身のある文章)は保証されたもの。ゴール目掛けて、再び書いて書いて書き直しまくってください

一番大事なメッセージ:

書くとは、“答えがないものを、アウトプットにする”こと。これって、仕事と一緒ですよね。経営者である僕は、どんな迷宮からも脱出できる/どんな無理難題でも答えを捻り出せる、僕にはそのスキルとプロセスがある、と自分に言い聞かせるために、書いています。折れないためのプロセスであり、その答えを出すための技術。それが、僕にとっての、書くこと。

以上、えらそうに書いてしまいましたが、みんな泣きながら/苦労しながら、文章を書いているので、悩まず書きまくるしかないです。やっぱ、「量をこなした奴だけが、質を語れる」はずなので、とにかく量をこなす毎日です。

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