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岡畑の熱い人々

OKAHATA PEOPLE

2025.10.21

社長の○○

“没入”と没入の向かう場所

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【Okahata News Letter42号(2025年11月)抜粋記事】

ONLは弊社のお役立ちニュースレター。社長責任編集で、毎月ポジティミズムをお届け中!

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没入

没入できるって、すごいこと。

例えば①:この弊社の土木、交通インフラ取り組み俯瞰イラスト↑。ゼロからのスタートでしたが、この2年間の没入で、それなりの知見と勘所を掴めた気がします。

例えば②:この原稿やONL編集。脱線迷走/無駄な調査読書を繰り返し、あっという間に幾つもの週末が潰れていく(笑)、幸せなTHE“没入”仕事。

没入とは、「よっしゃ」とさえ思わずに、何時間でも深く掘っていけること。好きとか得意なことだと、没入しやすいけれど、トリガー次第で、いろんなことに没入できるようになるとさらに強い。

知的好奇心は、没入のサブセット:知的好奇心の幅=没入の幅。未知であろうが面白いと思えたら、没入可能!「得意と仕事を近づけると強いぞ」という話でもある。

せっかくの没入を、成果に繋げるのが経営。さかながいない場所で没入しても釣れないし、ONL41的に言えば、さかながいても、競合(=もっと没入できる人)が隣にいたら、やっぱ釣れない。

安宅和人さんの名著「イシュー本」の、脱“犬の道”にも近い。掘る穴釣る池(没入先)はちゃんと選べ。ちなみに、安宅さん新刊『「風の谷」という希望一残すに値する未来を作る』は没入度も本の厚さもかなりヤバい。“目次と巻末資料、出典参考文献、索引”だけで、知的好奇心のトリガーを引きまくるハイテンションな良著です。

没入が、さかながいて競合がいない場所に向かえば、釣果=成果はおのずとついてくる。

没入の競争戦略:強い没入を向かわせる場所

没入の競争戦略を考えるため、旦ズームアウト。よっこらバルコニーに登ってひと休み、俯瞰目線・外的視点で自分たちの取り組みをぼーっと眺めてみると、新しい気づきは多いものです。近くにある成果の上がりそうなビジネスチャンス(low-hanging fruits)を平気でスルーしながら、その隣で、現場が頑張っているからという内的視点で、“レッドオーシャンに丸腰、インパール作戦”な取り組みが繰り広けられていたりしませんか?

弊社の競争戦略的に筋の良さそうな没入先、といえば、化学品事業のインド展開。来年はOkahata India設立と、HPCI India 2026にブース出展

韓国x中国X日本でのニッチ香粧品原料ノウハウか~ら~の~、30年来のパートナーBlack Roseがいるインド市場への“没入”。刈り取りは随分と先になるでしょうが、没入するに値する、楽しみな展開→今頃、坂出川野がインド没入出張中。

没入→俯諏ヘ

岡畑興産の仕事:道のりは長く、関係者は多い故、ポシャるリスクもね~。

俯職しても(見たいものしか見ない僕らが)、見逃すのは、
①自分の立ち位置と競争優位性
お客さまのお困り度、競合に対しての自分たちの立ち位置と競争優位性。これを見誤ると、知らず知らずのうちに「インパール作戦」状態。現場が没入していればいるほど、見落としがちだからこそ、リーダーも一緒に俯職して“言いにくいを言うべき”案件。俯轍視点で見れば、ただの凡ミス ーマンガーに怒られるやつです。

②受注までの道のりの長さと、関わる人たちの気持ちの揺らぎ
化学品はそもそも事前検証プロセスが長い。靴の新素材開発も数年越し。実際、採用実績なきスゴイ原料を売る仕事を進めていると、アーリーアダプターなひとりの勇敢なお客さまが、よっしゃオモロいと弊社提案を信じ、リスクを背負って、社外社内のたくさんの関係企業と部門の説得に奔走し、稟議を通すーここまでで1年。その後、サプライチェーン全体の確認や調整を経て、実発注までさらに1年。そんな仕事です。

道のりが長いということは、途中、誰かがNOと言い出すリスクも高い。だからこそ、堂々とリスクを探し対応すべき(なのに皆やらないよね)。担当のお客さまはノリノリでも、部門長が変化を嫌う方だったら?その先の大手企業さまがNOと言ったら?とにかく、直接会って聞きに行こう。熱量やズレ補正で超えていけるのか、そもそも無理筋なのか。マイナス情報ほど、早く知りた一い!

“気持ち・インセンティブマップ”:エモーションとインテリジェンス

・決めるのも人、止めるのも人:
行動心理学的には、人間は「決める」より、「止める」方が得意だったりする。

「誰得?」と問うマップ:
道のり長く、関わる会社も多いとなると、ポシャリスクも高め。心配症なワタクシは、心配しても仕方ないので、決定に関わる人の気持ちゃインセンティブを書き出します。

俯職して、組織図や名前を眺めながら、「このビジネスは誰得?」と問いながら、[得、得なし、ニュートラル、知らない]を書き添えていくだけで、“気持ち・インセンティブマップ”完成(大袈裟(笑)、実はただのメモ)。

担当のお客さまのことは分かっていて、上司の方、所属組織の意向、その先の関わる会社さまの考え等々、意外に[知らない]が多い。近くに[知らない]が多いと、“失敗しそうな場所”行きの悪い予感。今すぐ会いに行きましょう。。。

・エモーション+インテリジェンス=エモーショナル・インテリジェンス:
プレゼンをビシッと決めるのがインテリジェンスだとすれば、決める人たちのエモーションも押さえるのが、エモーショナル・インテリジェンス。相手が欲しいスペックを考えるのがインテリジェンスだとすれば、相手が何に喜び/得を感じるか、気持ちサイドの損得勘定を考えるのが、エモーショナル・インテリジェンス。

インテリジェンス(例:正論で正面突破)だけでも、エモーション(例:とにかく気に入られる)だけでもダメ。合理と気持ち、インテリジェンスとエモーションの両方を拾わないと、道のり長い原料販売は成り立たない。

大事なのは“気持ち”と“仕事”、両面での損得勘定。仕事は当然として、“気持ち”再度の損得勘定=“よっしゃ岡畑興産のために一肌脱ぐか”と思っていただけるか」(ONL41号)

皆、気持ちサイドの損得勘定は後回しにしがちですが、決める人/止める人の(気持ちの)所在くらいは、先に知っておいた方がいいと思うんだよなぁ。先に気持ちマップ(メモ笑)を書いた方がいい。

・次の次の次を読む:
俯瞰→マップ上でポシャりそうな(後戻りできない)所を見つけ→先に手を打つ
次の次の次を読む、なんて難しそうでいて、気持ちマップを書くだけで出来ること。

気持ち・インセンティブマップが書けないうちは、思考ではない。ビジネスにはなり得ない。

(このマップの元ネタは、大昔受けた日本IBM新人研修。Thank you, IBM Japan)

シン・岡畑興産は、キレッキレの歯車になりたい:没入俯職を爆速で回す、エモーショナル・インテリジェンス

坂出曰く、化学品事業約50名のうち、4割は2021年以降の入社。全社的にもきっと同じ(雑)。昔の岡畑興産を知らない=現状維持バイアスに引きずられない、頼もしいシン・岡畑興産のシン・“没入びと”たち。

カッコつけて俯轍しちゃうと、日本が不得意とする「自らの手で、ゲームのルールを作り上ける」ことを、日本経済の隅っこで続けてきた小さな自負もある。さらに俯瞰すれば、僕は、お客さまを中心としたサプライチェーンの中で、キレッキレの歯車になりたい。「この歯車いれると、周辺の動きが良くなって、機会全体の調子がめちゃよくなるんですよ~」と言われたい。

歯車?そう、歯車。お客さまのイノベーションになくてはならない、とびっきりのキレッキレの歯車、戦略的歯車(笑)を目指します。

キレッキレの歯車として、今日も明日も没入と俯諏を行ったり来たり。組織一体、爆速で視点を切り替え、凡ミスを潰し、エモーショナル・インテリジェンスを発揮して、今日もあの人に会いに行く。没入→俯職→没入、その往復を繰り返す訳であります。

参考/没入した書籍たち
『失敗の本質一日本軍の組織論的研究』
著:戸部良_・寺本義也・鎌田伸一・杉之尾孝生・村井友秀・野中郁次郎
初版:ダイヤモンド社(1984)/文庫版(中公文庫新装版):中央公論新社(2024)

『CURIOUSー子どもは40000回質問する』
著:イアン・レズリー/訳:須川綾子
単行本:光文社(2016)/文庫版:光文社(2022)

『RANGE〈レンジ〉知識の「幅」が最強の武器になる』
著デイビソド・エプスタイン/訳:東方雅美/解説:中室牧子 日経BP(2020)

『「風の谷」という希望一残すに値する未来をつくる』
著:安宅和人 英治出版(2025)

『スケーリング・ピープル人に寄り添い、チームを強くするマネジメント戦略』
著:クレア・ヒューズ・ジョンソン/訳:二木夢子 日経BP(2025)

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