お問い合わせ

岡畑の熱い人々

OKAHATA PEOPLE

2024.12.16

カルチャー

二つのメッセージ

  • #入社を希望される方へ
  • #社内

岡畑興産では、1997年から社内報「GAZETTE」を毎月発刊しております。
今回はGAZETTE2024年12月号から、「編集後記:二つのメッセージ」を抜粋してご紹介します。

二つのメッセージ(kiki)

2024年も終わろうとしています。毎年、毎年、平和を祈りつつ過ごすクリスマス シーズンですが、その思いは叶うことなく、今年も政争、戦争、自然災害に明け暮れた年でした。

12月10日、ノーベル平和賞の授賞式がノルウェーの首都オスロで行われ、日本被団協の田中熙巳さんは自らの被爆体験を交え「核兵器の保有と使用を前提とする核抑止論ではなく、核兵器は一発たりとも持ってはいけないというのが原爆被害者の心からの願いであります。想像してみてください。直ちに発射できる核弾頭が4000発もあるということを。広島や長崎で起こったことの数百倍、数千倍の被害が直ちに現出することがあるということ。みなさんがいつ被害者になってもおかしくない、あるいは、加害者になるかもしれない状況がございます。ですから、核兵器をなくしていくためにどうしたらいいか、世界中のみなさんで共に話し合い、求めていただきたいと思うのであります」と世界に向かってメッセージを発しました。時にはつまりながらもゆっくりとつむぐその言葉は、どんな雄弁な政治家のそれよりも胸に響きました。

今年もう一つ印象に残ったスピーチがあります。それは5月24日、米ハーヴァード大学の卒業式で首席卒業生シュルティ・クマールさんが行った“The Power of Not Knowing”です。

クマールさんは、ネブラスカ大平原のトウモロコシ畑でインドからの移民の娘として生まれ育ち、一族で初の大学生となりました。両親に大学の入学願書の書き方を尋ねた時にかえって来た言葉が“I don’t know.”だったそうです。科学史(History of Science)という学問の存在も知らなかった少女は大学で多くを学び科学史で主席卒業生となりました。

クマールさんは“I don’t know.”は決して恥ずべきことではなく、共感、謙虚さ、学ぶ意欲の空間を生み出すもの。uncertainty(不確実性)はuncomfortable(不快)ではあるけれど、その中に飛び込み、耳を傾け、学ぶことが大切であると話します。また、日本の大学では絶対にあり得ないと思いますが、スピーチの中でパレスチナ支持のデモを続けていた学生13人が卒業できなかったことに触れ、キャンパスでの表現の自由や市民的不服従を認めない大学当局の不寛容に私は深く失望している―Harvard, do you hear us? と声をあげ、大きな拍手に包まれました。

多くの学生が卒業式をボイコットし退出する中、クマールさんはEmily Dickinsonの“Not knowing when the Dawn will come, I open every door”という言葉でスピーチを締め括りました。

May Peace, Joy, Hope and Happiness be yours during the Holiday Season and throughout the New Year.

CONTACT

ご相談・お問い合わせはこちらから

ご相談・お問い合わせ