毎度の登場の岡畑興産の伊集院です。
近年人気の高いダイヤル式は、フィッティングに大きくかかわるアッパー部の締め具です。
紐式に慣れている方は「ダイヤル式シューズって実際どうなんだろう」と、悩まれている方も多いと思います。
今回はダイヤル式シューズについて、その特徴やメリット・デメリット、紐式シューズとの比較点などをお話ししていきます!
※2026年9月時点の情報です

目次
近年注目されているダイヤル式シューズとは?
最近、靴のアッパーにダイヤルがついている靴を見かけることが多くなったと思いませんか?
一般的な靴は靴紐と呼ばれる紐でフィッティングの調整を行いますが、ダイヤル式は紐を結ぶ手間がなく、ダイヤルを回すだけでフィッティング調整ができる優れものです。
靴紐の代わりに専用のワイヤーもしくは細いレースを専用のガイドに通し、爪先側から足首へ向かってクロスさせていきダイヤルにつなぎます。
そのダイヤルを回すことで締めたり緩めたりできる構造です。
ダイヤル式のメーカーは何社かありますが、その中でも最大手であるBOA社が有名です。
その他にはA-top、TGFなどいくつかのメーカーさんの製品を見かけます。
どのメーカーの製品も、ワイヤーをダイヤルで巻き取って締めるという仕組みは共通しています。
一度使うと、この便利さは病みつきです!
靴紐は結ぶ手間がありますが、ダイヤル操作のみでフィッティング調整ができることは、やはり画期的な靴の進化の一つと感じます。
靴が足にフィットすることの重要性については以下のコラムも参考にしてみてくださいね。
そして、ダイヤル式は今もなお進化を続けています。
BOA社は2025年、1足のブーツに2つのダイヤルを搭載した「Dual Dial BOA Fit System(デュアルダイヤル)」をアルペンスキーブーツ向けに発表しました。
足首まわり(カフ)と足の甲側(シェル)をそれぞれ独立したダイヤルで締められるため、部位ごとにきめ細かくフィット感を調整できるのが特徴です。
2025/2026年の冬シーズン向けには、アトミックやK2、ノルディカなど複数のスキーブランドがこのシステムを採用したモデルを展開しています。
現時点ではスキーブーツが中心の技術ですが、今後ほかの靴にも広がっていくのか、注目していきたいですね。
ダイヤル式シューズを使うシチュエーションとは?
ダイヤル式は、今では機能性や利便性が理解され、幅広い分野の靴に採用されています。
例えばゴルフシューズ、登山靴、スノーボードブーツ、バイクシューズ、フィッシングシューズ、サイクリングシューズ、ランニングシューズなど。
ほかにもワークシューズ、メディカル分野での足のサポーターにも使われており、信頼できる靴のギアといえるでしょう。
中でもゴルフシューズは、ダイヤル式の脱着の簡単さや、1度締めたら紐靴のように解けることはない安定感で、主要なゴルフシューズブランドで採用されています。
そして、多くのゴルフブランドで採用されているのはアメリカのBOA社のフットシステムです。
ダイヤル式クロージングシステムの最大手BOA社は、2001年にゲイリー・ハンマースラグ氏がスノーボードブーツをよりフィットさせる技術開発のためにスタートしたことが始まりです。
ゴルフシューズへの採用はフットジョイとBOA社が手を組んだのが始まりで、現在ではゴルフシューズの多くがダイヤル式を採用しているほど広がっています。
また、近年採用が広がっているのがワークシューズの分野です。
物流・製造・建設などの現場では、長時間の歩行や立ち仕事、段差の多い足場での作業など、足元にかかる負担は想像以上に大きくなります。
こうした現場で「足に正しくフィットする安全靴」へのニーズが高まり、国内でもアシックス、ミズノ、ニューバランス、ミドリ安全といったブランドが、BOAを搭載した安全靴やプロテクティブスニーカーを展開しています。
2026年6月には、ミドリ安全からBOAを採用したJIS規格の静電安全靴も発売されました。
手袋をしたままでも締め直せる点も、作業現場で評価されている理由でしょう。
ダイヤル式シューズと紐式のメリット・デメリットを比較

ダイヤル式シューズの利便性はわかりましたが、紐式シューズももちろん魅力はあります。
どちらを選べば良いか悩む方に向けて、それぞれのメリット・デメリットもご紹介していきましょう。
ダイヤル式シューズのメリット
ダイヤル式シューズには以下のようなメリットがあります。
- 一度締めた状態であれば、靴紐のように解けることはない
- 着脱が簡単である
- かがみ込んで紐を結ぶ動作がいらず、腰や膝に不安がある方でも扱いやすい
- 手にグローブなどしていても、締めたり脱いだりの着脱がしやすい
ダイヤル式シューズのデメリット
ダイヤル式シューズには以下のようなデメリットがあります。
- 紐のように、部分ごとに締め具合を変えることができない
- 靴のデザイン上、ダイヤルが主張して外観のシンプルさがない
- ダイヤル部分が壊れると、直すのに手間がかかる
- ダイヤルユニットの分だけ製造コストがかさみ、紐式より販売価格が上がりやすい
ダイヤル式は壊れても部品を取り替えることはできますが、メーカーや保証の有無によっては費用や手間がかかります。
また、紐よりもコストが高いことが大きなデメリットになるでしょう。
ちなみに、BOA社では、BOAフィットシステムのダイヤルとレースは搭載される製品の製品寿命の期間において保証するという「BOA Lifetime Guarantee(生涯保証)」を提供しています。
万が一、ダイヤルやレースが破損した場合でも、交換に必要な修理キットを無償で受け取れるサービスで、BOAのウェブサイトから申し込みできます。
紐式シューズのメリット
紐式シューズには以下のようなメリットがあります。
- 締め具合を部分ごとに変えられ、アッパーを足の形に沿わせやすい
- 自分の好みで紐を交換できる
- 紐の交換が簡単である
- ダイヤル式と比較して低コストである
紐式シューズのデメリット
紐式シューズには以下のようなデメリットがあります。
- 履くたびに紐を結び直す必要がある
- 使う内に紐がすり切れたり伸びたりする
- 歩いたり走ったりするうちに紐が緩み解けることがある
- 紐の長さが適切でないと結んだ後の紐が長くて邪魔になったり、転ぶ原因になったりする
紐が切れたり劣化したりしても、新しい紐に自分で簡単に交換できて、おしゃれの一つとして色や形状の違う紐に変えて楽しめるのが良い点でしょう。
一方、結ぶ手間や激しく動くことで紐が解ける場合がある、転倒の原因になることもあるなどのデメリットがあるので、スポーツや用途によって選ぶのも良いかもしれませんね。
ダイヤル式シューズか靴紐式シューズ、どちらを選ぶ?
靴全体で考えると、靴紐式シューズの数が圧倒的に多いのが現状です。
しかし、ダイヤル式は近年品質も向上し、ギアと呼ばれるシューズに採用が広がっております。
ギア系シューズは機能性は当然のこと、強度や耐久性など要求が高いのが特徴です。
ギア系シューズに採用されることが多いダイヤル式は、強度や耐久性に対する評価が高いということにもなるでしょう。
靴を作りたいなら、ぜひ岡畑興産で靴OEMを!
私たちも、靴作りからダイヤル式が進化していることを肌で感じており、靴の歴史の中でもダイヤル式ができたことは、素晴らしいことだと感じています。
ダイヤル式のような特殊な機構を靴に組み込むには、ダイヤルの取り付け位置やアッパーの縫製など細かな技術的知見が求められます。
ダイヤルやレース、ガイドには、それぞれ用途に合わせた構造や強度が設定されており、そのノウハウを踏まえて設計してこそ、機能を十分に引き出せる靴に仕上がります。
こうした知見を持つメーカーと組むことが、完成度の高い靴づくりにつながります。
靴のOEMを行っている岡畑興産でも、多くのダイヤル式シューズを世に送り出しています。
岡畑興産は1992年頃から靴のOEMに携わり、30年を超える歴史の中で、材料販売を含め30以上のブランドとお取引してきました。
化学品事業と靴受託事業が連携しているため、素材面からのご提案もあわせて行えるのが大きな強みです。
今回のダイヤル式シューズをはじめ、こだわりの靴づくりをお考えの企業様は、ぜひお気軽に岡畑興産にご相談・お問い合わせください!
ダイヤル式シューズはメリットがたくさん!ぜひ取り入れてみて
ダイヤル式は紐を結ぶ手間がなく、ダイヤルを回すだけで締めたり緩めたりできる便利なシューズです。
近年では、ゴルフシューズ、登山靴、スノーボードブーツ、バイクシューズ、フィッシングシューズ、サイクリングシューズ、ランニングシューズ、ワークシューズ、メディカル分野での足のサポーターなど、幅広い分野の靴で採用されています。
ダイヤル部分が壊れた際に費用や手間がかかる、紐式より高価などのデメリットはありますが、着脱が簡単・一度締めれば解けない・紐を結ぶためにかがみ込む必要がない・手袋をしていても容易に締められるなど、メリットはたくさんあります!
ダイヤル式シューズをぜひ取り入れて、さまざまなシーンで活用してみてください。
岡畑興産では靴のOEMを行っており、特に素材についての知識が豊富です!
ぜひ、靴を作りたい方はご相談ください。
また、靴や靴の素材、世界の市場についての豆知識など、さまざまな知識を発信する「くつナビ」でも、ほかのブログも読んでみてくださいね。

