毎度の登場の岡畑興産の伊集院です。
近年人気の高いダイヤル式は、フィッティングに大きくかかわるアッパー部の締め具です。
紐式に慣れている方は「ダイヤル式シューズって実際どうなんだろう」と、悩まれている方も多いと思います。
今回は近年人気の高いダイヤル式シューズについて、その特徴やメリット・デメリット、紐式シューズとの比較点などをお話していきます!
近年注目されているダイヤル式シューズとは?
最近、靴のアッパーにダイヤルがついている靴を見かけることが多くなったと思いませんか?
一般的な靴は靴紐と呼ばれる紐でフィッティングの調整を行いますが、ダイヤル式は紐を結ぶ手間がなく、ダイヤルを回すだけでフィッティング調整ができる優れものです。
靴紐の代わりに専用のワイヤーもしくは細いレースを専用のガイドに通し、爪先側から足首へ向かってクロスさせていきダイヤルに繋げます。
そのダイヤルを回すことで、締めたり緩めたりできる構造です。
ダイヤル式のメーカーは何社かありますが、その中でも最大手であるBOA社が有名です。
その他にはA-top、TGFなどいくつかのメーカーさんの製品を見かけます。
メーカーは違えど基本構造は同じといって良いでしょう。
一度使うと、この便利さは病みつきです!
靴紐は結ぶ手間がありますが、ダイヤル操作のみでフィッティング調整ができることは、やはり画期的な靴の進化の1つと感じます。
ダイヤル式シューズを使うシチュエーションとは
ダイヤル式は、今では機能性や利便性が理解され、幅広い分野の靴に採用されています。
ゴルフシューズ、登山靴、スノーボードブーツ、バイクシューズ、フィッシングシューズ、サイクリングシューズ、ランニングシューズ、ワークシューズ、メディカル分野での足のサポーターにも使われており、信頼された靴のギアと言えるでしょう。
中でもゴルフシューズにおいては、ダイヤル式の脱着の簡単さ、1度締めたら紐靴のように解けることはない安定感で、主要なゴルフシューズブランドで採用されるなどユーザーにも定着しています。
多くのゴルフブランドではアメリカのBOA社のフットシステムが採用されています。
ダイヤル式クロージングシステムの最大手BOA社は、2001年にゲイリー・ハンマースラグ氏がスノーボードブーツをよりフィットさせる技術開発のためにスタートしたことが始まりです。
ゴルフシューズではフットジョイとBOA社が手を組み、ゴルフシューズに採用したのが始まりで、現在に至ってはGOLFシューズの多くがダイヤル式を採用しているほど広がっています。
ダイヤル式シューズと紐式のメリット・デメリットを比較
ダイヤル式シューズの利便性はわかりましたが、紐式シューズももちろん魅力はあります。
どちらを選べば良いか悩む方に向けて、それぞれのメリット・デメリットもご紹介していきましょう。
紐式シューズのメリット
*アッパーで足全体を包み込むことができる
*自分の好みで紐を交換できる
*紐の交換が簡単
*ダイヤル式と比較して低コスト
紐式シューズのデメリット
*紐を結ぶ手間がかかる
*紐が劣化する
*紐が緩み解けることがある
*紐の長さが適切でないと、結んだあとの紐が長くて邪魔になったり、転ぶ原因になる
紐が切れたり劣化しても、新しい紐に自分で簡単に交換することができて、おしゃれの1つとして色や形状の違う紐に変えて楽しむことができるのが良い点でしょう。
一方、結ぶ手間や激しく動くことで紐が解ける場合がある、転倒の原因になることもあるなどのデメリットがあるので、スポーツや用途によって選ぶのも良いかもしれませんね。
ダイヤル式シューズのメリット
*着脱が簡単
*一度締めた状態であれば、靴紐のように解けることはない
*身体が硬い人でも容易に締めることが可能
*手にグローブなどしていても、締めたり脱いだりの着脱が可能
ダイヤル式シューズのデメリット
*足首に近いところが締まりやすく、爪先側が締まりにくいことがある
*アッパー全体で足を包み込みづらい
*靴のデザイン上、ダイヤルが主張して外観のシンプルさがない
*ダイヤル部分が壊れると直すのが大変
*紐式に比べてかなりコストが高い(結果として靴の価格が高くなる)
ダイヤル式は壊れても取り替えることはできますが、費用や手間がかかります。
また、紐よりもコストが高いことが大きなデメリットになるでしょう。
メモ
BOA社では、BOAフィットシステムのダイヤルとレースは搭載される製品の製品寿命の期間において保証するという「BOA保証制度」を提供しています。
万が一、ダイヤルやレースが破損した場合、交換に必要な修理キットを無償で提供するサービスで、BOAのウェブサイトから申し込みができます。
ダイヤル式シューズか靴紐式シューズかどちらを選ぶ?
靴という全体で考えると、靴紐式シューズの数が圧倒的に多いのが現状です。
しかし、ダイヤル式は近年品質も向上し、ギアと呼ばれるシューズに採用が広がっております。
ギア系シューズは機能性は当然のこと、強度や耐久性など要求が高いです。
そのギア系シューズに採用されることが多いダイヤル式は、評価が高いということにもなるでしょう。
岡畑興産靴受諾事業でも多くのダイヤル式シューズを世に送り出しています。
靴開発の中でダイヤル式メーカーさんから、ダイヤル式の取り付け位置や縫製など細かにアドバイスを頂きます。
リールやレース、ガイド、ダイヤル、それぞれ用途に合わせた構造や強度が設定されており、裏打ちされたノウハウがそこにあります。
靴作りからダイヤル式が進化していることを肌で感じており、靴の歴史の中でもダイヤル式ができたことは、素晴らしいことだと感じています。
ダイヤル式の靴を履いたことがないというあなたも、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか?
ダイヤル式シューズはメリットがたくさん!ぜひ取り入れてみて
ダイヤル式は紐を結ぶ手間がなく、ダイヤルを回すだけで締めたり緩めたりフィッティング調整が可能な、便利なシューズです。
近年では、ゴルフシューズ、登山靴、スノーボードブーツ、バイクシューズ、フィッシングシューズ、サイクリングシューズ、ランニングシューズ、ワークシューズ、メディカル分野での足のサポーターなど、幅広い分野の靴で採用されています。
ダイヤル部分が壊れた際に費用や手間がかかる、紐式より高価などのデメリットはありますが、着脱が簡単・一度締めれば解けない・身体が硬くても手袋をしていても容易に締めることができるなど、メリットはたくさんあります!
ダイヤル式シューズをぜひ取り入れて、さまざまなシーンに活躍させていただきたいです。
靴や靴の素材、豆知識などさまざまな知識を発信する「くつナビ」を運営しています。
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※画像提供: (株)カーメイト