こんにちは!岡畑興産の伊集院です。
海外個会社メンバーへのインタビュー第3弾!
今回は、台湾岡畑ベトナム支社のマネージャーとして活躍している松井さんにインタビューを行いました。ぜひ最後までご覧ください!
-1024x768.png)
台湾岡畑は日本向けを中心とする靴受託事業部において、“Material Excellence”を掲げ、ゴルフシューズやバイクシューズなど専門性の高い特殊靴の受託事業を展開しています。厳選した工場パートナーと連携し、高度な開発技術と厳格な品質管理により「道具としてのこだわりの靴」を実現。30年以上の経験を活かした直接営業により、日本向けを中心としつつ海外クライアントとの取引も拡大しています。
また、岡畑興産グループは、日本を拠点に韓国や台湾、アメリカなどにネットワークを展開し、化学品事業や材料販売、靴受託(OEM)事業などを手がけています。グループ各社は常に緊密な連携を取りながらビジネスを展開し、国境を越えた人財交流によって組織の活性化と事業の発展を実現しています。
[プロフィール]
名前:松井さん
入社年月日:2012年8月
現在の所属部署:台湾岡畑株式会社ベトナム支社マネージャー
目次
現在の業務について教えてください
現在は台湾岡畑ベトナム支社でマネージャー(課長)を務めており、約800人規模の工場を、ベトナム人スタッフ2人と私の3人のチームで管理しています。マネージャーとして、品質管理や開発業務、お金の管理等の雑務を総合的に担当しています。
これまでの経歴を教えてください
台湾岡畑に入社する前は、医療系の臨床検査会社で営業をしていました。その際に5年半、台湾で働く機会がありました。
その後退職し、次の仕事を探していた時に、台湾での経験を活かせる中国語を使う仕事を探していました。そこでちょうど台湾岡畑の求人を見つけ、「海外勤務」「中国語が活かせる」という点に魅力を感じて応募しました。靴業界での経験はありませんでしたが、新たなチャレンジとして台湾岡畑での業務をスタートさせました。
台湾岡畑入社後は、カンボジア(7年)→中国(1年)→日本(2年)→ベトナム(現在4年目)と、様々な国で仕事をしてきました。

現在の業務で一番難しい部分を教えてください
業務で一番頭を抱えるのは、不良問題が発生した時です。
生産中に問題が発生した場合や、日本にすでに出荷済みの製品で問題が起きてしまった時は本当に頭が痛くなります。生産前の試験でテストできる個数が限られているのは仕方がないのですが、問題が起こった後で「原因はここでした!」とクレームが来ると正直辛いです。工場側からすると「なぜ後から言うの?」となりますからね。
仕事で一番やりがいを感じる瞬間を教えてください
やりがいを感じる瞬間は、目の前にある課題を試行錯誤を重ねてクリアできた時です。
また、ありきたりな答えかもしれませんが、自分たちが関わったブランドの靴を誰かが履いているのを見た時は達成感がありますし、とても嬉しい瞬間です。
海外で働くのと、日本で働く違い
日本人には空気を読む文化があるので、見えないところで意思疎通ができたり、「みんなで協力しよう!」という雰囲気が自然にできますよね。でも海外ではそうはいきません。
海外の人たちと働く時は、言葉の選び方も日本人同士の空気感では伝わりませんし、細かいところまで説明しないと相手に言いたいことが伝わりません。私が中国で仕事を始めた当初は、コミュニケーションの部分も含めてかなり辛かったです。
海外で働く上で意識していること
「松井さんのためなら頑張ろう」と思ってもらえるような関係性を作ることを意識しています。
海外の工場の人たちからすると日本は靴の基準が厳しいというイメージ(数量少ない/品質にうるさい/単価低い)があります。日本人だからといって嫌われるわけではないですが、ポジティブな印象があるわけでもないので、雑談を多くして仲良くなる工夫をしています。会話ともいえないような小さな挨拶は現地語を話すようにもしています。そのほうが喜ばれますし、仲良くなれます。
また、中国では仕事外でのコミュニケーション文化が根強く、昔の工場の人もお酒が強い人が多いので、お酒を飲んで仲良くなることが多かったです。そして、中国にはビンロウというタバコのような植物の実をたしなむ文化があり、昔ながらの人はこのビンロウが好きな人が多いです。日本にはない文化なので、あえてビンロウを食べると中国の方に喜ばれて仲良くなれることもありました。

海外で働く日本人だからこそできること
日本人メンバーだからこそできることは必ずあると思っています。
岡畑興産の日本人メンバーに恥はかかせられませんし、私は立場上、お客様側の意見も工場側の意見も理解できます。なので、日本人として、台湾岡畑駐在社員として、工場にいない人の目の代わりになることをいつも念頭に置いて業務をしています。
靴を開発したい日本のお客様の言い分と、生産する工場の言い分が合わないこともあります。例えば、日本側のお客様としては「この技術は他の工場ではできたから今回もこれでやってほしい」という要望があっても、工場側的には「うちの工場ではできません!」ということも起こりえます。
双方の意見が理解できるので、どこで落としどころを見つけるか?を考える必要があります。たとえ工場側に「No」を突きつけられても、1回ではへこたれません。工場側へ何か要望を伝える時も「できる/できない」という質問の仕方をするのではなく、「○○をこう変えたら?」「○○ならできる?」といった質問の仕方をして、いつも可能性を潰さないように慎重にコミュニケーションをとっています。
-1024x768.png)
また、今まで経験してきたことを活かして、日本人の言っていることが相手に伝わるように、具体的に説明することを心がけています。どちらかのサイドに寄ってもダメですし、良い塩梅で決着をつける必要があります。そういう意味で私たちが存在する意味があると思いますし、お互いの意見を聞いてすぐに「NO」というのではなく、「じゃあこうしませんか?」というポイントを見つけたり、相手から「これだったらできます」を引き出せる会話をすることを大事にしています。
ただ、やはり日本サイドのメンバーとチームで働いているということもあり、一人じゃない安心感はかなりあります。
一日のスケジュールを教えてください
8:00 自宅出発
9:00 提携工場に到着して午前業務開始(工事渋滞や大雨の冠水で1時間遅れることも)
9:30 量産中は現場確認や検品業務。量産の無いときは開発状況確認やメール処理
12:00 工場昼休み。食事は工場の食堂ランチ(メニューは中華寄り)
13:00 午後業務開始。午前業務の他に、日本からの依頼確認や、工場の開発チームとの打ち合わせや、工場長との雑談なども
16:30 工場夕方休み。事務所でスタッフと確認事項などをすり合わせ
17:00 検品業務が有れば残業対応(最大で20:00)、無ければ残務処理
18:00 工場出発
19:00 帰宅(大通りに点在する工場の帰宅バイクラッシュに巻き込まれて遅れることも)

今後の目標について
台湾岡畑の社員として、靴づくりの「生産」「品質管理」「開発」工程は一通り見てきましたが、今後新たに挑戦したいこととしては、理想は工場ともっと良い関係を構築して、工場を1つのパッケージとして岡畑興産側に売り出せたらよいなと思います。また、今後の目標としては、自分がいなくなっても大丈夫なレベルまで環境を作り上げていくことです。
辞めたいと思うこともありますが、辞めるなら「もっと頑張りたかった」「もっと改善できたはず」と後悔する部分もあり、大変なことは沢山ありますが、まだまだ頑張りたいと思っています。もちろん、「自分じゃない人の方が向いてるんじゃないか?」と思うこともあります。しかし、ありがたいことに日本側のメンバーとお互い支えあって仕事ができているので、これからも頑張っていきたいです。
最後に
ベトナムで活躍する松井さんのインタビュー、いかがでしたか?
岡畑興産本社で働いているメンバーは、松井さんと会う機会も少なく面識のない社員も多いですが、今回改めてインタビューを行い、「すごい人が働いているんだな」と実感しました。松井さんの人柄や芯の強さ、努力が岡畑興産の靴受託事業部を支えていると言っても過言ではありません。
また、日本国内の社員からは「松井さんにはかなり頼りにさせてもらっていて、松井さんがダメだと言っているならダメなんだろうと思う」や「松井さんがいなくなると困る」との声もあり、社内での信頼も非常に厚い人財です。工場側からの文句を沢山受けているはずなのに、それを岡畑興産のメンバーにはすべて見せないというのも、松井さんのかっこいいところです。
これからも岡畑興産グループは、国籍や所属グループを超えた関わりや支え合いを大切に、成長していきます。
最後までご覧いただきありがとうございました!
岡畑興産では、真面目に靴を作っている会社のブログ「くつナビ」を運営しており、靴や靴の素材、世界の市場についての豆知識など、さまざまな知識を発信しています。
海外個会社メンバーへのインタビュー第2弾はこちらからご覧ください。


