こんにちは。岡畑興産のこじろうです。
最近ランニングシューズ業界で加熱している厚底、薄底議論。
どちらにもメリットデメリットがあり、優劣をつけることはできません。
今回は、それぞれの特性を知って、走り方やスタイルに合った靴を選ぶ助けとなるように詳しくご紹介します。
ランニングシューズの厚底・薄底、メリット・デメリットを比較!
ランニングシューズを選ぶ際に、厚底か薄底かさまざまな意見があるので、どちらが良いのか迷ってしまいますよね。
まずはそれぞれの特徴とメリット・デメリットをご紹介しますので、比較してみましょう。
厚底シューズの特徴とメリット・デメリット
2017年に、NIKEが5年ほどの歳月を費やし開発したと言われる「カーボンプレート入り」の厚底シューズを発売してから、今日の箱根駅伝や東京オリンピックではほぼ全員NIKEじゃん!と思えるほど履かれている厚底シューズ。
短距離用スパイクと同じ理屈で設計され、厚底のソール部分とカーボンプレートの反発力を推進力に変えることで、長い距離をより速く走れるような構造になっています。
それまでのランニングシューズ業界ではソールは薄くてナンボ!の世界。
どのブランドもいかにソールを薄くするかを考え、トップモデルは薄底以外あり得ない、という考えが主流だったんです。
最近では、一昔前の水泳界で起こったレーザーレーサーと同じように、皆がNIKEの厚底を履いて好記録を出し続けるので、世界陸連が靴底の厚さに規定を設ける事態にまで発展しました。
ただし、後に詳しく説明しますが、上級ランナーは走り方のコツを得ているので比較的メリットを活かしやすい一方で、初心者ランナーには走りづらく感じる場合も多いです。
代表的な厚底シューズには以下のものがあります。
*ナイキ:エアズーム テンポ ネクスト%
*アシックス:GLIDERIDE
*HOKA ONE ONE:メンズ ボンダイ
*ニューバランス:FuelCell PRISM M
厚底シューズのメリット
・クッション性があるため、衝撃から足を守れる
・カーボンプレートの力で飛び跳ねるような感覚で走れる
・速度がアップし、安定する
シューズ全体が船底のようになっているため、履くだけで自然と前傾姿勢になり、身体を斜め上に推進させる力を得ることができて、スピードアップにつながります。
良いことづくめのようですが、走り方やその人のレベルによってはデメリットもあります。
厚底シューズのデメリット
・厚底用の走り方の習得が求められる
・筋力が足りないと足を痛める
・横ブレしやすく、捻挫をしてしまう場合もある
底が厚い分、着地が不安定になり、ソールが地面に着いてから自分の足が感覚を掴むまでに時間差ができるため、走り方にコツがいります。
コツを得るまでは怪我もしやすいため、厚底シューズを使いこなすためのトレーニングも必要でしょう。
薄底シューズの特徴とメリット・デメリット
マラソン上級者は厚底、初心者は薄底と思われたかもしれませんが、上級者にももちろん薄底派はたくさんいます。
練習メニューによって、厚い物と薄い物を使い分けたりする方もいるようです。
着地するたびに衝撃を感じながら走るため、必要な筋肉を正しく鍛えられますし、足が地面を捉えるという感覚が味わえるため、調子が良い悪いなどを自身で判断しやすくなります。
代表的な薄底シューズには以下のものがあります。
*ミズノ:WAVE DUEL NEO2
*ニューバランス:HANZO
薄底シューズのメリット
・軽量
・自然と足が鍛えられる
・着地感覚が直接足に伝わる、ブレが少ない
地に着く感覚を得やすく、安定感があるため怪我もしにくいです。
筋肉が少ない方にも鍛えられるメリットがあるので、ダイエット目的の方にも良いでしょう。
薄底シューズのデメリット
・衝撃吸収が少なく、足首、膝、腰などに負担が掛かる
足腰に負担を掛けながら長距離を走る場合には注意が必要ですね。
シューズは厚底か薄底か、選ぶ基準をチェック!
実際にランニングシューズを選ぶときにはどんなことに注意すれば良いか、簡単にご紹介します。
ランニングシューズの底はどう選ぶ?
バリバリのアスリートや上級ランナーの方は走り方を調整できたり、十分な筋力があるので、厚底のデメリットを気にすることなく、メリットを最大限に引き出すことができます。
しかし、初心者や一般ランナーの方がいきなり厚底シューズを使うと、思いもよらない怪我につながることがあるため注意が必要です。
初心者の多くはかかとから着地するヒールストライク着地という走法なのに対し、厚底はつま先から着地するフォアフット着地の習得が求められることが大きな理由です。
初心者ランナーが厚底を選ぶ場合は、ヒールカウンターがしっかりしている、安定性の高いものを選ぶのがおすすめです。
また、長い距離を走る場合は厚底シューズ、短距離やスピードを競う場合では薄底シューズと使い分けるのも良いでしょう。
長い距離・長い時間の走行から足や腰を守るためには、衝撃吸収するクッション性の高いEVAの厚いミッドソールの靴がおすすめ。
EVAは軽量なので厚くてもそれほど重くはならず疲れづらいという点もあります。
ソールが舟形になっている超厚底のシューズは、前への推進力があって、慣れないと怪我をする可能性もあるので注意です。
短距離を走る場合は、より瞬発力が必要なため、反発力を高めるカーボンプレートを中底に入れたシューズも有効。
ただ、クッション性や耐久性が低いので、その点では注意が必要です。
岡畑興産では、カーボンプレート同等の推進力をアシストできるポリプロピレン製の中底材KaRVO(ダイヤテックス社)を取り扱っています。
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ランニングシューズの底以外の選び方もチェック
ランニングシューズは軽い方が良く、汗をかくので通気性が良いことも重要です。
アッパー素材はメッシュ材が軽くて通気性が良く、最もランニングシューズに適した素材と言えます。
TPUのフィルムをメッシュと融着させたNO SEWタイプのアッパー材も、デザインによって通気を良くすることができ、軽量性も備えているので、最近では多くのランニングシューズに使われています。
人工皮革や天然皮革はメッシュやTPUフィルムと比較して重く、あまりランニングシューズには向いていない素材と言えるでしょう。
ランニングシューズは厚底か薄底か、筋力やスタイルに合わせて
厚底は、衝撃から足を守れる・速度がアップするなどのメリットがあり、長距離の場合や上級ランナーの方には向いていますが、コツを得るまでは怪我もしやすいためトレーニングも必要です。
一方で薄底は、軽量・足が鍛えられる・着地感覚を得やすく安定しやすいメリットがありますが、長距離の場合は足腰に負担がかかる場合も。
自分の筋力やランニングスタイルに合わせて、選ぶのが良さそうですね。
いつまで続くかわからないこの厚底・薄底議論は今のところ厚底優勢ですが、新しいテクノロジーの開発や、ランニング理論の進化によって変わることがあるかもしれません。
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