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2026.10.13

TPUとPUの特徴や用途の違いは?メリット・デメリットも確認!

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こんにちは、岡畑興産のこじろうです。

 

みなさまは、TPUやPUという素材をご存じでしょうか。

 

TPUとPUは、私たちの身近な日常によく使われている素材です。

 

くつナビを運営している岡畑興産が手がける靴にもよく使われており、靴に適した多くの特徴を持っています。

 

そこで今回は、TPUとPUについて、特徴や用途、メリット・デメリットの違いを詳しくご紹介します。

 

TPUとPUの特徴や用途の違いは?

まず前提として、TPUはPU(ポリウレタン)の一分類で、その中でも熱可塑性を持つエラストマーです。

以下では、TPUと、それ以外のタイプのPUとを比較します。

 

TPUとPUの化学的な違いとしてまず挙げられるのが、架橋の有無です。

化学反応における架橋とは、ポリマー同士を連結し、物理的・化学的性質を変化させる反応のこと。

この反応により、物質は強度・形状を維持しやすくなる一方で、調整の自由度は下がります。

 

TPUは架橋構造を持たない素材です。

それに対し、PUは使用するポリオールの種類によって架橋構造を持ちます。

 

TPUとPUにはそのほかにもさまざまな違いがあるので、特徴と用途を比較していきましょう。

 

TPUの特徴と用途

TPUの正式名称は「熱可塑性(ねつかそせい)ポリウレタンエラストマー(Thermoplastic Polyurethane elastomer)」です。

熱で溶融する性質=熱可塑性(ねつかそせい)を持つため、このように呼ばれています。

 

TPUの特徴は?

TPUは温度が高くなると高分子が動き出して溶け、逆に冷却すると硬化します。

硬化した樹脂を加熱すれば、ふたたび溶かして成形し直すことが可能です。

TPUの射出成形品の場合であれば、180~230°くらいの熱でTPUを溶融させてから、製品へと成形します。

 

この性質により、TPUは加熱して成形し直すことができ、リサイクルしやすい素材です。

一度硬化すると再溶融できない熱硬化性タイプのPUとの大きな違いといえるでしょう。

 

TPUは主成分ポリオールの種類によって、主にポリエステル系・ポリエーテル系の2つに分かれます。

ポリエステル系は機械強度が高く耐熱性に優れており、鉱油や油圧油に対する耐性も強いという点が特徴です。

一方、ポリエーテル系は微生物分解への耐性が良好であり、低温柔軟性・耐加水分解性に優れている特徴を持ちます。

この区分は、後述するPUを含むポリウレタン全般に共通する分類です。

 

熱での加工のしやすさと素材のメリットを生かして多くの日常製品に使用されています。

 

TPUの用途は?

TPUは、食品関連部材、人が触れる用途、工業部品など、幅広い用途に使われています。

例を挙げてみましょう。

  • ホース
  • チューブ
  • ベルト
  • フィルムシート
  • 自動車用内装品
  • 鞄の把手
  • グリップ類
  • スマホカバー
  • EV(電気自動車)の充電ケーブル
  • 3Dプリント用のフィラメント・粉末 など

 

スマホカバーではソフトなシリコンタイプのものがありますが、最近はTPU素材のほうが多く使われています。

また、近年ではEVや3Dプリントなどといった先進技術の分野でも採用が広がっています。

 

TPUはシューズにもよく使われる素材であり、特にスポーツシューズでは主流の素材の一つとなっています。

例えば、サッカーシューズのスパイクソール、野球スパイクソール、ゴルフシューズのソールなど、硬さが必要なソールに使われることが多いです。

 

また靴のアッパーには、メッシュアッパーやニットアッパー、人工皮革などと組み合わせたTPUフィルムも使われます。

靴のアッパーに使われるフィルムは1mm以下の厚みが主流です。

 

TPUフィルムは縫って接合する従来の縫製アッパーとは違い、熱で他材料と溶着し留める方式が多く、これを業界用語で「No-sew(縫わない)」といいます。

No-sewには、足あたりの良さや靴自体の軽量化などといったメリットがあります。

 

TPUについては過去のコラムもありますので、あわせてそちらもご覧ください。

 

PUの特徴と用途

PUとは「ポリウレタン(Polyurethane)」の略です。

天然ゴムの代替として開発された素材で、ウレタンゴムとも呼ばれるプラスチック材の一つです。

歴史的には1937年にドイツで開発され、その後アメリカのデュポン社が製品化し、日本へは1963年にアメリカとの技術提携にて入ってきました。

 

PUの特徴は?

PUには、熱可塑性樹脂(TPU)と熱硬化性樹脂の2つのタイプがあります。

熱可塑性についてはTPUの項で説明したとおりですが、熱硬化性樹脂は熱をかけていくと硬くなっていくタイプで、一度硬化すると再加熱で溶かして成形し直すことはできません。

 

PUはゴムのように柔らかく、抗張力(引張強度)や耐摩耗性、弾性や衝撃強度、耐油性に優れています。

合成ゴムに比べて耐熱性や耐水性は劣るものの、いろいろな製品に使用されています。

 

製品への成形過程においては硬度の調整が可能であり、繊維材としてはスパンデックスと呼ばれ、弾性繊維として有名です。

例えば、ストレッチ性のある衣服には、タグに「ポリウレタン」の表記があるものが多く存在します。

 

なお、TPUの項で触れた「ポリエステル系・ポリエーテル系」の区分は、TPU以外のPUにも共通する分類です。

 

PUの用途は?

PUの種類を大別すると、発泡剤を混ぜて重合された「フォーム系(発泡系)」と、ゴムベースの「非フォーム系(非発泡系)」に分かれます。

フォーム系・非フォーム系それぞれでさまざまな形状が存在し、それによって作られる製品も多岐に渡ります。

 

フォーム系はポリオールとポリイソシアネートが主成分です。

発泡剤、整泡剤、触媒、着色剤などを混合し、樹脂化させながら発泡したもので、さらに「軟質フォーム」と「硬質フォーム」に分かれます。

 

軟質フォームは軽くてクッション性や耐久性に優れ、硬質フォームは断熱性に優れるため、用途が分かれます。

例えば、軟質フォームは自動車用のクッション、硬質フォームは建築用の断熱材や防音材などに用いられます。

 

また、非フォーム系は、幅広く以下のような用途で活用されています。

  • エラストマー(ゴム弾性)
  • 塗料
  • 接着剤
  • 合成皮革
  • 水着
  • ストッキング
  • インキ
  • コーティング剤
  • 車部品(インパネ、コンソール・ボックス、バンパー、エアロパーツ、ゴム部品など)
  • テニスコート
  • ゴルフボール
  • スキー板
  • ラケット など

 

さて、シューズにおいて代表的なPU材は人工皮革です。

岡畑興産が扱う帝人コードレも、まさにPUを使っております。

 

人工皮革は、表面にPU塗装を施すことで本革に近い外観に仕上げています。

※PU塗装は本革でも使われている塗装の一つ

 

また、PUはソールにも使われ、ラバーソールのようなソリッド感のソールや発泡ソールもあります。

発泡PU製インソールはへたりにくいインソールとして認知され、人気の商品です。

 

 

TPUとPUのメリット・デメリットもチェック

メリット・デメリット

TPUとPUの気になるメリット・デメリットも見ていきましょう。

 

TPUのメリット

  • 耐摩耗性に優れている
  • 引き裂き強度/引張強度が高い
  • 硬度(硬さ)の調整ができる

※ゴムやエラストマーの硬さを示すショア硬度でいうと60A~75D(ゴムのような柔らかさから硬質プラスチック製のような硬さまで)

  • 幅広い使用温度で弾性がある
  • 衝撃強度がある
  • 低温屈曲に強い
  • 耐油性、耐薬品性、耐オゾン性等が良好である
  • ポリエーテル系は耐加水分解性が優れている
  • 耐菌性が良好(ポリエーテル系)である
  • 加熱すれば何度でも再成形できるためリサイクルしやすい

 

TPUのデメリット

  • 紫外線を多く浴びることで黄変していく
    ※透明、白色などの製品では変色が目立ちやすい
  • 加水分解を起こす熱耐性があまり強くない(100℃程度で軟化し始める)

 

加水分解については、ポリエステル系TPUは保管や使用の状況により加水分解の進行程度が変わります。

 

一方、ポリエーテル系TPUは加水分解の耐性が強く、ポリエステル系より長く製品が持ちます。

また、100℃程度は素材の実使用時に軟化し始める目安の温度です。

※前述の180〜230℃は成形加工時に完全に溶融させる温度であり、意味合いが異なる数値です

 

PUのメリット

  • 柔軟性、高い弾性を持つ
  • 防振効果、消音効果を発揮する
  • 優れた耐磨耗性がある
  • 衝撃強度が強く、保護カバーなどにも使われる
  • 抗張力が強く、引き裂き強さがある
  • 優れた耐油性を発揮する
  • 耐薬品性に優れる
  • 低温特性に優れた機能を発揮する
  • 硬度の種類が豊富

 

PUのデメリット

  • 耐熱性が低く、高温多湿の環境下では劣化が早まる
  • 水分による加水分解が起こる
  • 空気中の酸素やオゾン、窒素酸化物、紫外線、熱、微生物などの影響で徐々に分解する

 

加水分解については、ポリエステル系は水に弱く加水分解を起こしやすい一方、ポリエーテル系は水に耐性が強く加水分解が促進しにくいものがあります。

 

 

靴OEMは素材に特化した岡畑興産へご相談ください

ここまでご紹介したように、TPUとPUは同じポリウレタンの仲間でも、熱に対する性質や加水分解のしやすさなどに違いがあります。

 

靴でも、スパイクソールには耐摩耗性に優れたTPU、人工皮革やインソールにはPUというように、パーツごとに求められる性質に合わせて使い分けられています。

 

さらに同じTPUやPUでも、ポリエステル系かポリエーテル系か、硬度をどう設定するかによって、靴の耐久性や履き心地は変わってきます。

岡畑興産は、化学品事業と靴受託事業が連携し、機能性素材の材料開発・用途開発を進めながら靴のOEMを手がけています。

 

さまざまな材料メーカーとのパートナーシップを生かし、TPUやPUを含めた素材選びの段階からご相談いただけます。

靴のOEMは1992年頃から手がけており、スポーツシューズから紳士靴まで幅広いカテゴリーに対応してきました。

 

日本、中国、台湾、ベトナム、カンボジアに生産拠点を持ち、各工場に専任スタッフを配置して管理しておりますので、品質面もご安心いただけます。

 

ソールやインソールなど、パーツ単位でのOEMにも対応していますので、素材や仕様について、お気軽にお問い合わせください!

 

 

TPUとPUの違いを確認して活用の参考に!

TPUとPUには、架橋構造の有無という化学的な違いのほかにも、多くの違いがあります。

 

例えば、TPUは熱可塑性を持つため、熱を加えると溶け、冷却すると硬化し、この過程を繰り返すことができます。

 

一方、TPU以外のPUには、熱をかけると硬化し、再び溶かして成形し直すことができない熱硬化性のタイプもあります。

 

TPUとPUは、それぞれの特徴を生かした形で、生活の中でいろいろな製品として使われています。

どちらの素材も、靴によく使われる素材であり、私たち岡畑興産にとっても身近な素材です。

 

岡畑興産では靴のOEMを行っており、特に素材についての知識が豊富です!

ぜひ、靴を作りたい方はご相談ください。

 

また、靴や靴の素材、世界の市場についての豆知識など、さまざまな知識を発信する「くつナビ」でも、ほかのブログも読んでみてくださいね。

 

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