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2025.03.24

カルチャー

思い出を運んでくれたおじさんサッカー

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岡畑興産では、1997年から社内報「GAZETTE」を毎月発刊しております。

加えて、2018年より、社内表彰をリスタートし、「Okahata Awards」にて、その年の「Best GAZETTE」を表彰しています。

2024年度「Best GAZETTE賞 1位」をご紹介します!

思い出を運んでくれたおじさんサッカー(靴受託事業部/鈴木寿)

週末になると県内あちこちに出かけて行き、少し真面目におじさんシニアサッカーに没頭する鈴木です。

先月シニアサッカーの試合が福島県相馬市尾浜で開催されました。尾浜には松川浦という福島県唯一の潟湖があり、その美しさから日本百景にも選定されています。小島が点在する風光明媚な様子から日本三景の松島になぞらえて「小松島」とも評され、古くは万葉集にも謳われており閑静な佇まいの中で悠久の時を刻んでいる景勝地です。

私は小学校6年~中学2年の5月まで、父の仕事の関係で尾浜で青春・思春絶頂期を過ごしました。

父の仕事は警察官。当時、駐在所に隣接される宿舎で父と二人で暮らしていました。駐在所から近くの海水浴場までは徒歩30秒もかからず、寝床に入ると波打ち際に打ちつける波の音がよく聴こえてきました。

漁業がさかんな地区で、朝がとてつもなく早く毎朝市場へ行き交う軽トラのエンジン音が目覚まし時計代わりでした。

当然学校の友達の大半は漁師の子供達で、部活の練習も朝練がメインでした。当時は朝セリが終わったばかりの同級生まーちゃんの親父さんが私を迎えに来て、2人用の軽トラに3人で乗車してサッカーの朝練へ向かうのが日課でした。

市場で売れ残った大量の魚をまーちゃんの親父さんが毎日毎日せっせと運んでくる駐在所は季節ごとの旬な魚で溢れ、その魚で父が作るぶっこみ魚の味噌汁が格別だったことを今でも鮮明に覚えています。

偶然にもそんな思い出の尾浜に27年振りに訪れることができたのは、40を越えたおじさんサッカーのおかげです。

東北大震災の影響で、私が住んでいた駐在所は津波に流され跡形もありませんでしたが、街はびっくりする程の復興を遂げており、そこにサッカー場が新設されたのでした。松川浦は津波の惨劇が嘘のように美しく、 27年が経過した今も磯の香りがなつかしさの気持ちをなおいっそう私の気持ちを押し上げ、当時よりはるかに鮮烈な情景でした。

サッカー場から見える小高い山の上にある青色の屋根の平屋がまーちゃんの家だと気づいた瞬間、まーちゃんの自宅の固定番号が私の脳にひらめき、気がつくと軽トラのまーちゃんの親父さんに電話をしていました。

試合後半10分が過ぎた頃だろうか、コーナーキックを蹴るためにボールをセットしていると、どこからか 寿! ふと声をする方へ目を向けると、まーちゃんと親父さんが応援に来てくれていました。私は、万遍な笑顔で合図した瞬間に、ふと親父さんの足下に置かれた黄金色の鍋が気になりました。試合が終わった後、かれこれ2時間、27年の長い歳月を感じさせないくらいたくさん話をしました。

そして、地面に置かれた黄金色の鍋の正体はなんと大量のぶっこみ魚の味噌汁でした。親父さんが、昔から寿君が好きだからね! とチーム全員の分を作ってきてくれたのです。

なぜ俺がこの味噌汁が好きなことを知っていたのだろう。当時、尾浜地区への転校生がとても珍しく、親父さんは私が尾浜へ転校してきた初日にささやかな歓迎会を開催してくれた出来事を説明してくれました。

その時振る舞われたのがまーちゃんの親父さんのぶっこみ魚の味噌汁でした。歓迎会で同世代がやたらサテン生地の龍の刺繍がほどかされているスカジャンを着て赤色の靴下をはいていることが衝撃 で、私はぶっこみ魚の味噌汁をひたすら頬張り、親父さんはその様子を見てとても嬉しかったそうです。

そしてその後駐在所へ毎日毎日魚を届けてくれることになったそうです。まだ残暑厳しい日でしたが、昔を思い出しながら、チームの皆と汗だくになってぶっこみ魚の味噌汁を頬張りました。

一連のいきさつを親父へ報告。すると翌日の食卓には親父のぶっこみ魚の味噌汁が出てきたのでした。今回の幼少時代に過ごした尾浜の地での出来事をきっかけに自分のルーツを見つけ出す、さかのぼる旅はとても面白いかもしれないと感じました。

そうだ、親父の ルーツを探る旅でも企画してあげようか、そんな気持ちにかき立てられた尾浜での暑い日に熱い味噌汁を頬張った出来事でした。

最後に、私が中2の途中で転校した理由を知りたい方がいれば、直接私に話しかけてください。
 


鈴木さん、ありがとうございました。

ちなみに、2023年度「Best GAZETTE賞 1位」は靴受託事業部の田中さんでした。

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