こんにちは、岡畑興産のそめやです。
先日の箱根駅伝はご覧になりましたでしょうか?
今大会は、第100回目と記念すべき回です。
見ていた方はご存じだと思いますが、今年は「1位青山学院大/2位駒沢大/3位城西大/4位東洋大/5位國學院大」の結果でした。
参加された選手は熱き想いと日々の鍛錬を重ねて、死力の限りを尽くしたことでしょう!
私はテレビの前で熱き想いでコタツに入りながらみかんを食べて観ていた1人です(脳内では走っていました)。
走る競技の選手たちにとって一番重要な役割を果たすのがシューズです。
今回は、駅伝シューズについてお話ししたいと思います。
駅伝を走るシューズの規定や今どきの駅伝ラン向けのおすすめシューズについて解説しますので、ぜひ参考にしてください!
駅伝のシューズ規定とは?
皆さん、「WA(ワールドアスレティックス)」という組織をご存じでしょうか?
和名は「世界陸連」といいます。
2019年11月に国際陸上競技連盟(International Association of Athletics Federations)から組織名「WA」に変更されました。
実は、この「WA」が公式陸上競技における色々な規定(規則)を定めており、駅伝のシューズについても規定があります。
駅伝のシューズの規定は、道路競技 (競走、競歩)が対象になり、靴底の最大の厚さ(購入時から装着されているオリジナルのインナーソールを含む)は40mmまでです。
ここからわかる通り、走る際に大きく影響するのは「クッション性」です。
シューズのクッション材は厚いほどクッション性が上がる傾向になるため、シューズによっては選手の能力以上の結果につながる可能性があり、規定が設けられています。
駅伝シューズの規定のチェック方法
シューズのくつ底の厚さは、ノギスなどの器具を使い、インソールを入れた靴の状態で地面からインソールまでの厚みを測ります。
この際、測る位置は「かかと」からです。
駅伝に出る前に事前に履くシューズを自分で確認する必要がありますが、不安な場合はあらかじめ「WA」に承認されたシューズを選ぶことをおすすめします。
WA承認シューズリストは、 より確認できます。
ホームページに載っている承認されたシューズは、2020年1月のルール改正以降に発売された「新製品」のみです。
それ以前に発売されたシューズの場合は、自前で測定確認が必要です。
ただし、承認されたシューズでもインソールなどでカスタマイズしてしまうと、計測が必要になりますのでご注意を。
競技用靴全般の規定もチェック
駅伝含め、他の競技の規定もまとめましたので、参考にしてください。
【2024年10月31日まで】
・フィールド種目(三段跳除く):20mm
・三段跳 :25mm
・800m未満のトラック種目(ハードル含む):20mm
・800m以上のトラック種目 (障害物競走を含む):25mm
・クロスカントリー :25mmスパイクシューズまたは40㎜ノン・スパイクシューズ
・ロード種目(競走、競歩)※駅伝はここに含む:40mm
・TR57 の種目(マウンテン・トレイル)規定なし
【2024年11月1日以降】
・トラック種目、ハードル種目、障害物競走:20mm
・フィールド種目 :20mm
・ロード種目(競走、競歩)※駅伝はここに含む:40mm
・クロスカントリー :20㎜スパイクシューズまたは40㎜ノン・スパイクシューズ
・TR57 の種目(マウンテン・トレイル)規定なし
駅伝のシューズ規定に適合するおすすめのシューズは?
昨年(2023年) の駅伝にて、よく履かれたシューズをご紹介いたします。
ナイキ エア ズーム アルファフライ ネクスト%2(ナイキ)
画像引用:NIKE NEWS
ミッドソールに“ズームX”という高反発素材と推進力を生むカーボンプレートを内蔵するのが特徴となっています。
アディゼロ タクミ セン9(アディダス)
画像引用:アディダス公式通販
5本指形状のグスファイバーを内蔵し、カーボンプレートのような推進力を備えながら、より繊細な接地感覚と高い屈曲性を併せ持っています。
メタスピード スカイ プラス(アシックス)
画像引用:amazon
少ない歩数でゴールすることを追求し、同社が持つ軽量ミッドソール素材で最も反発性のある“エフエフ ブラスト ターボ”を前作から4%増量。
さらにカーボンプレートをフラットな形状にしてミッドソール上部に配置することで、接地時にミッドソール全体を圧縮し、より大きなエネルギーリターンを得られる構造になっています。
ウエーブデュエルNEO2 エリート(ミズノ)
画像引用:ミズノ公式オンライン
ソールの厚さは25ミリメートルと比較的薄めですが、独自の高反発素材ミズノエナジーを使用することで、高いクッション性と反発性を備えています。
また、接地感覚にも優れており、樹脂を波型に形成した“ウエーブプレート”内蔵で推進力
も高いです。
フューエルセル スーパーコンプ エリート V3(ニューバランス)
画像引用:amazon
独自の高反発素材フューエルセルを使い、40mmの規定ギリギリまでミッドソールを厚くしています。
ミッドソール内部のカーボンプレートは丘のように湾曲しており、接地時に自然と沈んでより大きなエネルギーリターンをもたらす構造です。
ファストアール ニトロ エリート(プーマ)
画像引用:amazon
ミッドソールに短距離スパイク向けの特殊な高反発素材を配合。
低めに配置したカーボンプレートが特徴です。
ご紹介したように、ナイキのシューズが最も駅伝の選手に履かれているシューズです。
厚底ラン用シューズを最初に作ったのがナイキですので、この分野では他社より信頼を勝ち取っているといえます。
しかしながら各社で規定の厚み内でクッション材の性能アップを図っており、今後は人気も分散化されるのではないでしょうか。
駅伝以外のランニングシューズについても、「ランニングシューズは厚底?薄底?メリット・デメリットや選び方を解説」でご紹介していますので、ぜひご覧いただけると幸いです。
規定や競技に適したシューズで好記録!駅伝にもぜひご注目を
さて、先日観た箱根駅伝が私の中でまだ熱いうちに、このブログを書いています。
シューズにかかわる仕事をしているものにとって、これほどシューズがギアとして役に立つ(立ちすぎている)のかと、改めて感心しています。
駅伝に限らず、シューズはギアとして重要です。
しかし、優秀すぎて外部的ドーピングとして規制(規定)が入ったといえます。
スポーツでは同じ条件で己の力を発揮して競う事が大事です。
そのための規定は、必要でしょう。
ただ、規定内でも各社独自の研究の元、たくさんの製品が出ています。
これから出る商品は規定内でさらに高性能なシューズが出ることと予想されます。
まずは「WA」のホームページで承認シューズの確認をし、ぜひ店頭にてフィッティングしてください。
シューズですので、性能も大事ですが、足に合うことも大事です!
自分にとって最もパフォーマンスを生む、あなたの足にフィットする1足を見つけて、RUN!!
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