こんにちは、岡畑興産のあんざいです。
早速ですが、皆さんは「ドライ素材」生地という言葉に聞き馴染みはありますでしょうか?
読んで字のごとくドライですので夏場に活躍するのは想像しやすいかもしれませんが、特徴まではなかなかご存じの方は少ないのではないでしょうか。
今回はドライ素材の特徴をわかりやすくご紹介します。
ドライ素材を使った衣服や靴は、汗ばむ季節はもちろん、スポーツや日常のさまざまなシーンでも快適に過ごせる機能性素材です。
通年を通して活躍するアイテムなので、この機会にぜひチェックしてみてください!
目次
ドライ素材とは?特徴をご紹介
ドライ素材とは、化学繊維を主成分とした機能性素材のこと。
形状としてはメッシュタイプのものがよく使われていて編み目のような細かな穴があることで、通気性が良く、網目状の隙間から体熱を逃がすことで蒸れにくくなっています。
速乾性・伸縮性・撥水性・UVカットなどの特性を備え、表面はなめらかでサラリとした触感、軽やかな着用感が特徴です。
生地自体の質感はサラサラしていて軽く、着心地の良さにも定評があります。
衣類だけでなく、通気性や速乾性が求められる靴の素材としても適しており、夏場や運動時など汗をかきやすいシーンに最適です。
ドライ素材にはポリエステルを使った物が特に多いですが、ポリプロピレンやナイロンなどが使用されることもあります。
ポリプロピレンはポリエステルよりも速乾性に優れており、ナイロンはポリエステルよりも耐久性に優れています。
ドライ素材をもっと詳しく!メリットとデメリットをご紹介
ドライ素材をさらに掘り下げるために、メリット・デメリットもご紹介します。
ドライ素材のメリット
ドライ素材のメリットは主に以下の4つです。
速乾性が高い
ドライ素材は速乾性が高く水分を吸収してくれるので、汗をかいてもすぐに乾き、サラサラした着心地が叶う点が大きなメリット。
運動でたくさん汗をかいても、蒸れにくくサラッとした着心地をキープするので不快感がありません。
また、洗濯後の乾きも早いため、天候や季節を問わず扱いやすく、室内干しが多くなる冬場にも便利です。
速乾性のあるドライ素材は、季節を問わず快適さと実用性を兼ね備えた素材といえます。
通気性が高い
通気性に優れており、空気の循環をサポートするとされています。
これにより、体温調節がしやすく、暑い環境でも快適に過ごすことができます。
型崩れしにくい
綿素材を使った生地は水に浸すと縮んでしまったり型崩れを起こすことがありますが、ポリエステルで作られたドライ生地は化学繊維なので、水で濡れても縮みにくいです。
洗濯後であっても元のドライTシャツの形状を記憶するので、型崩れしたと感じることが少ないという特徴があります。
その上、素材自体に復元力と伸縮性があるため、シワもつきにくく、きれいな見た目を保ちやすいです。
アイロンの時間を省くことができるなど、洗濯にかける手間や時間を減らせるのもドライ生地ならではの利点でしょう。
軽い着用感
天然繊維よりも軽い化学繊維を主な素材としているため、動きやすく、着心地も良いです。
これらの特徴から、スポーツやアウトドアシーン、普段使いなど、さまざまなシーンで活躍するアイテムと言えます。
ドライ素材のデメリット
ドライ素材のデメリットは主に以下の3つです。
臭いが残りやすく、洗濯の工夫が必要
ドライ素材の主な原料であるポリエステルは、速乾性のある極細の繊維で作られていることから、繊維に汚れが溜まりやすく吸着しやすいという特徴があります。
それが臭いの原因となり、綿のような天然素材と比べると臭いが残りやすいのがデメリットです。
そのため、汗を書いたらなるべく早めに洗濯したり、臭いの元を取り除けるような酵素パワーが強い洗濯洗剤を使用したり、汚れや臭いが気になる箇所だけ洗濯前に手洗いを行ったりする工夫も必要です。
また、洗濯水に溶けた汚れを吸収してしまう場合もあるので、汚れが目立つ洗濯物とドライTシャツは別洗いを行うと良いでしょう。
静電気が発生しやすい
化学繊維は帯電しやすい性質があり、天然素材と比べてどうしても静電気が起きやすいです。
特に起きやすい環境は「乾燥する冬」そして「帯電しやすい素材との重ね着」です。
逆に言えば、「夏場にTシャツ1枚で着用したい」といった場合にはそれほど気にならないでしょう。
静電気が苦手な方は、帯電しにくい綿の肌着やインナーを着用することでも解決できます。
毛玉ができやすい
衣類の毛玉は摩擦によって発生するため、摩擦が起こりやすい素材のドライTシャツは、綿のTシャツに比べて毛玉ができやすいです。
着用による摩擦はある程度は仕方がない部分ではありますが、毛玉になるのを避けるためには、「裏返して洗濯ネットに入れて洗う」「着用する間隔をあける」といった予防法が効果的です。
これらのメリット・デメリットからもわかるように、ドライ素材には以下のように対照的なポイントが多くあります。
綿のメリット:肌触りが良い、吸水性が高い、静電気が起きにくい
綿のデメリット:洗濯で縮みやすい、シワになりやすい、洗濯後に乾きにくい
ドライ素材の用途は?どんな製品に使われている?
ドライ素材は様々な用途で活用されています。主な用途を以下にご紹介します。
スポーツ・アウトドア
汗を素早く吸収・放出する速乾性や通気性の良さからスポーツウェア、ランニングシャツ、サイクリングウェア、登山用衣類などの他、ジム・ヨガなどのトレーニングウェアにも最適です。
インナーウェア(肌着)
こちらも吸汗速乾機能や通気性の良さから一日中快適さを維持できる為、日常着用するインナーウェアとしても多用されています。
ビジネスウェア
吸汗速乾のワイシャツやポロシャツなど夏のクールビズ向け商品で多く採用されています。
カジュアルウェア
Tシャツ、ポロシャツ、パンツなど普段着にも取り入れられ、汗ばむ季節の快適性向上に貢献しています。
パジャマ・寝具
吸汗速乾機能により、睡眠時の汗による不快感を軽減し、快適な睡眠時間をサポートしてくれるため、パジャマや寝具などにも使用されています。
ドライ素材のお手入れ方法は?
素材は、化学繊維が多く使われているので比較的お手入れが簡単ですが、長持ちさせるためには注意点もあります。
基本のお手入れ方法と注意点
まずは基本として、以下の点に気を付けましょう。
洗濯表示を確認
必ずタグの洗濯表示を確認してください。中にはネット使用や弱洗い指定のものもあります。
洗濯機ではネットを使用
洗濯ネットに入れることで、生地の傷みや毛羽立ちを防げます。
また、同時にファスナーや面ファスナー(マジックテープ)も閉じてから洗濯することをおすすめします。
中性洗剤を使用
漂白剤入りや柔軟剤は避けたほうがよい場合があります(吸水性・通気性が低下する可能性があるため)。
水温は30℃以下の常温で
高温洗濯は繊維を傷めたり、縮みや型崩れを起こすことがあります。
すすぎはしっかりと
洗剤が残ると、吸汗性や肌への刺激の原因になることがあります。
柔軟剤の使いすぎには注意
ドライ素材の吸汗性が低下する場合があります。使う場合は控えめに。
漂白剤NG(特に塩素系)
色落ちや生地劣化の原因になります。
においが気になる時はつけ置きや専用洗剤の使用が有効
酸素系漂白剤(衣類用)でのつけ置きや、機能性衣類専用の洗剤を使うと効果的です。
乾燥方法も確認!
乾燥させる際には、以下の3つのポイントに気を付けましょう。
① 陰干しをする
直射日光は生地の劣化、色あせの原因になります。風通しの良い場所で干すのが適しています。
② 形を整えて干す
シワや型崩れを防ぐために、肩幅に合ったハンガーで干すと良いです。
③ 乾燥機を避けて低温で
高温乾燥は機能性を損なう可能性があるため、可能なら自然乾燥がおすすめです。
また、乾燥後のアイロンは基本不要です。
ドライ素材はシワになりにくいですが、もし気になる場合は、アイロンは低温+あて布が必須であることを覚えておきましょう。
ドライ素材はさまざまな季節・シーンで大活躍!
ドライ素材は化学繊維を主成分とした機能性素材であり、速乾性・伸縮性・撥水性・UVカットなどの特性を備え、サラリとした触感、軽やかな着用感が特徴です。
ご紹介したとおり、ドライ素材は速乾性と通気性が高く、型崩れしにくいなどメリットがたくさんあります。
デメリットも簡単な対策で対応できるので、ぜひ活用してみていただきたい素材です。
これからますます暑くなる日々には欠かせないものになるかと思います。
今回のブログを参考に、皆さんもぜひドライ素材の服を手に取ってみてくださいね!
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