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安全靴の歴史を詳しく解説!現在までの変遷とは

 

こんにちは。岡畑興産のこじろうです。

 

靴はファッションの一部やスポーツなどの道具としての役割が強いですが、もともとは「外部の環境から足を守るため」に作られたものでした。

その中でも、安全靴は特に通常の靴よりも安全性が高い作りになっています。

 

一見、私たちの生活に馴染みのない靴のように思えますが、日本の経済発展を足元で支えてくれる存在とも言える靴なのです。

 

今回は安全靴の歴史を交えながら、足を守る事に特化した靴「安全靴」の特徴や選び方などを解説していきます。

 

 

 

安全靴とは?まずは発祥の歴史から解説

安全靴とは、靴のつま先部分に鉄板などの規定された強度を持つ先芯が入った靴のこと。

重いものや固いものが、つま先に乗り上げたり落下した際に、その荷重や衝撃から着用者のつま先を守ることが安全靴の基本性能です。

 

主に、工事現場や重い荷物・重機を扱う工場など、足への危険を伴う作業場で着用されています。

鉱業、建設業、貨物取扱業、林業、水産業など幅広い業種で必要とされている靴です。

 

厳密には、JIS規格が求める基準(耐圧迫性能や耐衝撃性能、材質など)に合格したものを「安全靴」と呼びます。

 

そして、同じようにつま先を保護する先芯を装備した「プロテクティブスニーカー」と呼ばれるものもあります。

プロテクティブスニーカーは、JSAA(日本保安用品協会)が定めた安全性などの認定基準を満たした安全作業靴のことを言います。

 

2つを総称して「安全靴」と呼ばれる場合もあります。

 

 

 

安全靴の歴史をさらに詳しく!現在までの変遷とは

さて、安全靴はどのようにして始まったのでしょうか?

 

時代は戦後まで遡ります。

昭和22年頃から日本の復興を目指し、建設ラッシュ、鉄鋼業が盛んになりました。

 

必然と労働者の安全確保や作業性から、安全靴が求められるようになり、国内でも安全靴の試作が始まりました。

安全靴は戦後の日本経済発展にも貢献しているのです。

 

さらに、安全靴の現在までの変遷について詳しくお伝えしていきましょう。

 

 

草履から靴へ

安全靴の研究が始まるまでは、草履のつま先部分にかまぼこ型の補強をした、つま先保護だけの簡易的な履きもので危険な作業をしていました。

 

昭和22年(1947年)頃に、靴底に進駐軍払い下げの自動車タイヤ、甲被には同じく払い下げのズック(帆布)を使用し、つま先部分に軟鋼板の先芯を入れた靴が完成します。

まだまだ安全靴と呼べるには遠く、お粗末な靴だったようです。

 

ちょうどこの頃、ISO(国際標準化機構)の設立や、労働基準法公布、労働省発足などもあり、世界も日本も品質や労働環境への意識が高まっていきました。

 

 

牛革製安全靴の誕生

昭和26年(1951年)には、労働省安全課担当者がアメリカ視察で持ち帰った米国製の安全靴を参考に、正式に安全靴の研究が始まりました。

 

昭和32年(1957年)、現代の安全靴の基本デザインとなる、牛革アッパーの外羽根式安全靴が誕生します。

この頃はグッドイヤーウェルト製法という手縫製法で作られていました。

 

 

安全靴の多様化

昭和36年(1961年)、グッドイヤーウェルト製法よりも性能が高く、熱場での作業に適していることから直接加硫圧着式/バルカナイズ製法(加硫製法)安全靴が誕生しました。

 

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また、昭和47年(1972年)には現在の安全靴規格の元である安全靴のJIS規格(JIS T8101)が制定され、性能基準が定められ、この年に労働安全衛生法が施行。

労働者に安全靴や、作業に適切な履き物の着用が義務となりました。

 

これに合わせて安全靴の多様化が進み、昭和50年代には総ゴム製のものや静電気帯電防止用のもの、軽量でクッション性のある発砲ポリウレタンソールを用いた安全靴などが誕生しました。

 

 

現代の安全靴

安全靴とひと口に言っても、作業内容によって素材、形状、必要な性能が変わってきます。様々な業種で着用されるので安全靴の種類も増え、使用シーンによって使い分けることができるようになりました。

 

衝撃を吸収するだけでなく、耐久性や防滑性の機能も備えたものや、つま先部の防護を必要としない作業靴も誕生しています。

また、災害時の防災靴としても注目されています。

 

 

 

現在の安全靴の形状やサイズの選び方も知っておこう!

 

用途によって選ぶ安全靴も変わってきます。

まずは、作業内容に応じた仕様で選ぶことが大前提です。

 

ここでは、安全靴の形状の種類やサイズ選びのポイントをご紹介します。

 

 

形状の種類

形状ごとの特徴や適している用途をお伝えしますので、是非参考にしてくださいね。

 

 

短靴

ローカットスニーカーに近い形状で、着脱しやすい。

以下のハイカットタイプに比べ、軽量で一般的な作業全般に適している。

 

中編上靴

足首を覆うハイカットタイプ。

足首から溶接火花や砂・切子が入りにくいというメリットがあり、とくに溶接現場や金属加工現場で使用されている。

 

長編上靴

脛まで保護できるブーツタイプで、靴紐やマジックテープの付きが一般的。

ズボンの裾を靴の中に入れて作業することで、ズボンの引っ掛かりや、汚れや砂が入ることを防ぐことができる。

 

建築・土木作業や高所での作業に向いている。

 

半長靴

紐やマジックテープなしで脛部分まで保護できる。

ゴム長靴のように着脱しやすい。

蒸気や高温からの保護、帯電防止などの機能があり活躍は多岐に渡る。

 

プロテクティブスニーカー(プロスニーカー)

一般的なスニーカーのように軽く、デザイン性が高いことが特徴。

甲被には人工皮革やナイロン製のメッシュ素材が用いられ、主に軽作業に適している。

 

 

 

サイズの選び方

足に合わない安全靴を選んでしまうと、疲労感が増えたり、安全性や作業性も損なわれてしまいます。

安全靴の機能を適切に活かすためにも、できるだけ試着し、足に合った安全靴を選ぶようにしましょう。

 

サイズ表記は「27.0cm(EEE)」のように、長足(つま先から踵までの長さ)と足囲(親指と小指の付け根の一番出ているところをぐるりと一周測った長さ)で表示されます。

 

靴擦れなどの原因になるので、長足だけでなく足囲のフィット感も確認しましょう。

 

 

試着時のチェックポイント

  • 立った状態で、足全体がフィットする
  • 靴紐を締めない状態で、かかとに人差し指が軽く入る程度の余裕がある
  • 靴紐を締めた状態で、先芯の端が親指手前のくびれのあたりにくる
  • 足と靴それぞれの幅が最大となる部分にずれがない
  • 歩行時に足の甲、踏みつけ部、かかと側の履き口が強く圧迫されない

 

 

 

安全靴の歴史は戦後から!現在の多様化にも注目を

安全靴の基本性能は、重い物が落下したり、乗り上げた時にその衝撃から着用者のつま先を守ること。

つま先部分に鉄板などの強度のある先芯が入っています。

 

安全靴の歴史は戦後まで遡り、鉄鋼業が盛んになるとともに、日本で安全靴の開発が始まりました。

 

今では様々な業種で安全靴の着用が義務付けられ、仕様や形状も多様化し、種類も豊富になっています。

 

安全靴の性能を十分に活かすためにも、選び方は重要です。

サイズ以外にも作業にあった靴を選びましょう。

 

作業者の安全を守るために、安全靴はなくてはならないものです。

様々な安全靴メーカーで、より良い商品のために開発が続いています。

 

 

 

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※岡畑興産株式会社は、化学品事業靴受託事業が連携し、SDGsに貢献できる材料開発・用途開発を進めています。

 

 

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