こんにちは。岡畑興産のかげやまです。
釣りでは、狙った獲物に合わせて様々なフィールドがあります。
川、海、テトラポットの上、船の上など、本当に多種多様。
釣り人はフィールドに合わせて竿や服装を選んでいます。
狙う獲物によって釣り竿を変えるのはイメージできますが、ウエアや靴はどうでしょう?
実は釣りをする上で、靴は身を守るための重要なアイテム!
釣り用シューズに求められているのはやはり滑りにくさなのですが、滑る要因によって適した靴が変わります。
今回はさまざまなシーンや場所で滑らない「釣り靴」について。
安全な靴の選び方やおすすめをご紹介していきます。
滑らない釣り靴を選ぶには種類を知ることから!
釣り用の靴(フィッシングシューズ)は、デザインで見ると大きく分けてシューズタイプとブーツタイプがあります。
これにお尻までカバーするヒップウエイダーブーツ、サンダルタイプ、ウォーターシューズも合わせるとたくさんの種類があり、さらにソールの種類との組み合わせによって何パターンにもなります。
デザインとソールの種類によっても滑りにくさや機能性、向いているシーンが異なるため、ご紹介していきましょう。
デザインの種類
釣靴のデザインは、シューズタイプとブーツタイプに大別されます。
それぞれの特徴をご紹介します。
シューズタイプ
スニーカーのようなデザインで、釣りでも釣り以外でもフットワークが軽く、動きやすいのが特徴です。
アッパーは軽量のナイロンメッシュや、防水機能がある材料や構造であることが多く、さまざまなポイントへ動くタイプの釣りに向いています。
ブーツタイプ
水に濡れる前提での釣りに向いています。
長靴のようにアッパーがゴム製のもの、水が抜ける構造や材料を使用したものがあります。
長さもすねまで、膝まで、腿までと、用途や場所によって種類が分かれています。
ただ、ゴム製のものなどは水を通さない分通気性が悪いため、蒸れやすいというデメリットも。
移動には別の靴を履いて、釣り場でブーツに履き替える人も多いようです。
ソールの種類
釣り靴はソールの種類とスパイクの有無で分けることができます。
ソールはラジアルソールとフェルトソールの2種類があり、それぞれスパイクの有無を合わせて4パターンになります。
ラジアルソール
ラジアルとはゴムソールのことで、靴としては一般的な素材です。
ゴムソールの特徴はその弾力性で、岩場など凹凸のある場所に適しています。
岩場にゴムがしっかりと食いつき、滑りにくさを発揮します。
磯釣りなどに向いているといえるでしょう。
しかしゴムソールは高い弾力性を持ちますが、表面がツルツルとしていて、水と相性が悪く滑りやすいです。
雨の日に駅やコンビニで滑りそうになるのは、このゴムソールに対して水分が悪さをするせいです。
そこでスパイクの出番です。
ゴムソールにスパイクを取り付けた「ラジアルスパイクシューズ」は、ゴムソールと地面の間に空間を作り、水場でのゴム特有の滑りにくさを軽減させます。
さらに、スパイクは凹凸をよりガッチリとホールドするのに役に立ちます。
フェルトソール
フェルトソールは釣りをする方には馴染みのあるソールかと思いますが、釣り用に特化されており、実は一般的なシューズのソールとしてはほとんど使用されていません。
フェルトは羊毛などの動物繊維を固めてシート状にしたもので、不織布と同様に織らない布です。
繊維の方向がランダムで、特徴的なグリップ力を発揮します。
そのフェルトソールにスパイクを打ち込んだのが「フェルトスパイクシューズ」です。
濡れた岩場や、鮎釣り、渓流、波止など、さまざまなシーンで利用可能で、現在もっともポピュラーなシューズといえます。
ただ、ラジアルスパイクと同様にスパイクが付いているので、船釣りなどでは船の床を傷つける恐れがあり、乗船時の船長によっては敬遠されます。
また、フェルトは水を吸収しやすい素材なため、魚の餌を踏んづけてしまったりすると繊維に絡まり、放っておくと異臭を放ってしまいます。
フェルトは摩擦に弱いため、定期的なフェルトソールの張替えも必要となります。
滑らない釣り靴を選ぶには?ポイントを詳しくご紹介
より滑らず履きやすい釣り靴を選ぶために、使う季節やシーンごとの選び方のポイントをお伝えしていきます。
季節に合わせた選び方
夏には通気性、透水性の良い素材を使った靴が適しています。
厚手のしっかりした素材の靴では蒸れてしまい、快適なフィッシングが楽しめないでしょう。
滑らない目的で選ぶなら、ソールに防滑ゴムを搭載したサンダルタイプもおすすめです。
靴が脱げて転倒したり、水に流されたりしないようにストラップがあるものを選ぶと良いでしょう。
冬の釣りには滑りにくいことに加え、防寒性が必須。
氷上の釣りにはライニングにボアを用いた、スパイクが付いた防寒ブーツで足からの冷えを防ぎましょう。
さらに履き口や足首を紐やベルトで締められるタイプだと、より寒さや雪を防ぎます。
また、水で濡れると体温が下がるので防水機能もあった方が良いですね。
シーン/釣り場に合わせた選び方
釣り靴は、川沿いの苔が付着した石場、船の甲板、テトラポットの上など釣り場に合わせた用途別の靴選びが必要になります。
足場の良い堤防やボートの上での釣りではラジアルソール(ゴム底)の靴を選びましょう。
他のソールと比較して軽量で動きやすいのが特徴です。
テトラや岩場は特に滑りやすく、命の危険と隣り合わせなため、滑りづらいスパイクシューズを選ぶのもポイントです。
鮎釣りなど、苔の生えている場所には、フェルトスパイクシューズで対策をすることが必要でしょう。
おすすめの滑らない釣り靴もチェック!
近年の釣り靴では、マジックテープで調節が可能なサンダルやジッパー式のブーツなど、着脱しやすいものが人気のようです。
そして、高機能素材を扱う私たちがぜひおすすめしたいのが…近年じわじわと人気になっている、日進ゴムが開発した「ハイパーVソール」を搭載したフィッシングシューズです!
10年の開発期間を経て、ハイパーVソールは通常ラバーの2.5倍のグリップ性能を実現しています。
通常の路面はもちろん、油や水、石鹸水の飛散した状況でも滑りにくく、驚異のグリップ力を発揮します。
最近この機能素材をシューズに使用したものが増えてきており、フィッシングシューズにも使用されるようになりました。
※出展元:日進ゴム(株)公式サイト
滑らない釣り靴で安全・快適に釣りを楽しもう
釣り靴は、大きく分けてシューズタイプとブーツタイプがあり、ソールの種類と合わせて、特徴を知っておくことが大事です。
ソールにはスパイクを取り付けたものを選ぶと、滑りにくく安心でしょう。
夏にはソールに防滑ゴムを搭載したサンダルタイプ、冬にはライニングにボアを用いたスパイクが付いた防寒ブーツなど、季節によっても使い分ける方が多いです。
足場の良い堤防やボートの上ではラジアルソールを、滑りやすいテトラや岩場はスパイクシューズを、苔の生えている場所にはフェルトスパイクシューズがおすすめです。
また、 通常ラバーの2.5倍のグリップ性能を実現した、日進ゴム開発の「ハイパーVソール」を用いているフィッシングシューズもぜひ検討してみてくださいね!
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※岡畑興産株式会社は、化学品事業と靴受託事業が連携し、機能性素材の材料開発・用途開発を進めています。