こんにちは、岡畑興産のこじろうです。
「新しい靴」を買うときに、みなさんは何を重視しますか?
デザイン、値段、履き心地、ブランド……等々、人によってさまざまだと思います。
その中でほとんどの人が重視するであろう靴の値段。
同じようなデザインの靴でも安い靴・高い靴がありますよね。
「違いは?」「特徴は?」「どちらを買う方が結局お得なのか?」など、迷う方も多いのではないでしょうか?
今回はその靴の値段の違いについて、革靴にスポットを当てながらご紹介していきます!
安い靴と高い靴の違いは?
まずは、多くの方が気になる安い靴と高い靴の違いについてです。
特に素材の質や、製作時間・製法といった技術面で違いが出るため、詳しくご紹介します。
素材の質
実はデザインの差によって、そこまで価格の違いはありません。
最も価格の違いに影響するのが、素材の質です。
素材の質は靴の見た目はもちろん、靴の寿命まで関係してきます。
価格が高い靴は上質な1枚革を惜しみなくアッパーに使用していたり、革の選び方や使用方法に特別なこだわりを持っている場合が多く、本革1つとってもブランドごとのオリジナリティを出しています。
製作技術
価格の違いが出る2つ目のポイントは、靴を作るためにどれだけ時間と手間をかけているかという点です。
有名ブランドで長年培ってきた靴作りの技術は、腕利きの職人たちによって継承されています。
その職人たちが1足1足、時間と手間をかけて作った靴は言わずもがな価格の高い靴になるでしょう。
特に製法によって価格の違いが顕著にでてきます。
靴の製法はアッパーとソールを合わせる方法で「縫い付ける」か「貼り合わせる」によって違います。
革靴における製法は基本的に下記の3つに区分されます。
セメント製法
「貼り合わせる」製法。
アッパーとソールそれぞれに接着剤を塗り圧着機で貼り合わせます。
マッケイ製法
「縫い付ける」製法。
アッパーとソールを1度で縫い付ける。
グッドイヤー・ウェルト製法
「縫い付ける」製法。
アッパーとソールを2度に分けて縫い付ける。
代表的な製法を述べましたが、製作の手間を考えると明らかな差が見てとれると思います。
貼り合わせる製法のセメント製法は安い靴に多く、2度に分けて縫い付けるグッドイヤー・ウェルト製法は高い靴に多く見られます。
このように素材や製法の違いなどの技術面によって、安い靴と高い靴の差が生まれています。
安い靴、高い靴どちらを選ぶか迷ったときは
安い靴と高い靴の違いがわかったところで、どちらを選ぶか迷うという方は下の表をご参考ください。
ソール交換 | 寿命目安 | 雨への耐性 | 履きはじめ | 足馴染み | 価格帯 | |
セメント製法 | できない | 1~2年 | あり | 柔らかい | あまり馴染まない | 安価 |
マッケイ製法 | 1~2回 | 2~6年 | なし | 柔らかい | あまり馴染まない | 比較的安価 |
グッドイヤーウェルト製法 | 3~6回 | 3~10年 | あり | 固い | 履くにつれて馴染む | 高価 |
それぞれの製法にはメリット・デメリットがあります。
ご自身が重視したいポイントやこだわり、使用頻度に合わせて選ぶことが重要です。
自分の足に馴染ませたい、革の変化も楽しみたいという方はグッドイヤー・ウェルト製法が施されている靴を。
安すぎず高すぎない、少しでも長く1つの靴を履きたいという方はマッケイ製法が施されている靴を。
雨や雪への耐性があり、さまざまな靴を試したいという方はセメント製法の靴を選んでみてはいかがでしょうか?
安い靴を選ぶときのチェックポイントは?
高い靴となると10万〜20万超えは当たり前な一方で、安い靴ではピンからキリまであります。
安い靴を選ぶときに確認して欲しいポイントは、主に以下の3つです。
・サイズが合っているか
・多様なシーンで使えるか
・長く使えそうな素材か
革靴に限らず大事なのはサイズが合っているかです。
ご自身のサイズに合わないサイズを選んでしまうと靴擦れ、痛みが生じてしまいます。
また、選ぶデザインが個性的だと、合わせる服装が限られますよね。
服装だけでなく、履いていけるシーンが限られてしまう場合もあるので、想定できる活用シーンもよく確認する必要があります。
素材も要チェックポイントです。
合成皮革の靴は安価ですが、コーティングが剥がれてしまうと修理ができません。
買い替えのサイクルが短くなるため、長い目で見ると高く付いてしまうこともあります。
比較的安価な本革もありますので、少しでも長く履きたいという場合は本革の革靴の中から選ぶことをおすすめします。
安い靴・高い靴の違いを知って、選ぶときの参考に!
安い靴と高い靴の違いとして、素材の質や、製作時間・製法といった技術面が挙げられます。
上質な素材であったり、時間と手間を要する技術で製造された靴は、価格が高くなる傾向にあります。
革の変化も楽しみたいという方はグッドイヤー・ウェルト製法、高すぎず長く1つの靴を履きたいという方はマッケイ製法、耐水性の高さを重視する方はセメント製法の靴を選んでみてはいかがでしょうか。
新しい靴を買う時は自分の中でのこだわりを明確にすることが大切です。
そのこだわりに合わせて価格、製法で選んでみましょう!
岡畑興産では、真面目に靴を作っている会社のブログ「くつナビ」を運営しています。
靴や靴の素材、豆知識などさまざまな知識を発信していますので、こちらもぜひご参考ください!