こんにちは、岡畑興産のこじろうです。
近年、SDGsへの意識の高まりとともに、食品だけでなく、化粧品やファションでも「ヴィーガン」と表示された商品が増えてきました。
実はヴィーガンの定義はあいまいで、原材料や製造工程においてまで、本当に動物由来のものを使用していないか、消費者が確かめるのはとても大変です。
そこで、誕生したのが「ヴィーガン認証」です。
今回はヴィーガン認証の概要や種類について、詳しく解説していきます。
ヴィーガン認証とは?
ヴィーガンとは、食だけでなく、身の回りのものにおいても、できるだけ動物由来のものを避け、動物の命を尊重する生き方のことです。
できるだけ、動物性由来のものを使わないヴィーガン商品を選びたいという消費者も増えてきているのではないでしょうか。
ヴィーガン認証とは、第三者機関の基準をクリアした商品に「この商品は確かにヴィーガンである」と保証する仕組みです。
そして、認証を受けた商品に「ヴィーガン認証マーク」をラベリングすることで、消費者はそのラベルを見ればヴィーガン対応の商品だと判断することができます。
一目でヴィーガンと分かるのでとても便利ですよね!
ただ、認証機関はいくつもあり、それぞれ認証マークが異なります。
さらに、認証機関によって審査基準が異なるという点も、押さえておきたいポイントです。
次から詳しくみていきましょう。
現在のヴィーガンの認証マークの種類をご紹介
現在、国際的に評価の高いヴィーガン認証のマークをいくつかご紹介します。
ぜひ、認証基準の違いにも注目してみてください。
NPO法人ベジプロジェクトジャパン(日本)
設立:2016年
認証機関:ベジプロジェクトジャパン
認証基準:動物性不使用 動物実験禁止
The Vegan Society(イギリス)
設立:1944年
認証機関:ヴィーガン協会
認証基準:動物性不使用 動物実験禁止 動物由来GMO(遺伝子組み換え作物)不使用
V-Label (スイス)
設立:1996年
認証機関:ヨーロッパベジタリアン連合
認証基準:動物性不使用 動物実験禁止 動物由来GMO不使用
VEGECERTO(カナダ)
設立:不明
認証機関:VEGECERTO/トロントベジタリアン協会
認証基準:動物性不使用
Bioagricert(イタリア)
設立:1984年
認証機関:イタリア農林政治省
認証基準:動物性不使用
Vegan Korea(韓国)
設立:不明
認証機関:韓国ビーガン院
認証基準:動物性不使用 動物実験禁止 コンタミ防止(動物性由来の不純物混入を防ぐこと)
いかがでしょう?
動物性不使用までは同じですが、動物実験禁止からは機関によって、基準が異なることが分かります。
ヴィーガン商品に自分がどこまで求めるか、それによって購入する際に基準となる認証マークも変わるので、審査基準もチェックしておきたいですね。
ファッションに関するヴィーガン認証の基準とは?
主に、ヴィーガンファッションの素材にはプラントベース(植物由来)の天然繊維か人工繊維が使われています。
例えば、オーガニックコットン、ヘンプ繊維(麻)、レーヨン、ヴィーガンレザー(フェイクレザー)、リサイクルポリエステル/ナイロン、フラックスリネン、海藻繊維、ソイシルクなど。
他にもきのこやパイナップルなどの繊維からできた新しいヴィーガン材料も次々と誕生しています。
これらヴィーガン材料を把握できていれば良いですが、たくさんあって覚えるのも大変ですよね。
そんな時に、ヴィーガン認証マークが役立ちます。
ヴィーガンファッションの素材に関する代表的な2つの認証機関と、それぞれの特徴をご紹介します。
PeTA(the People For the ethical treatment of animals)(アメリカ)
世界最大の国際動物愛護団体「PeTA」が行っている認証です。
動物由来の素材を一切使わず、ヴィーガン素材のみで作られている製品にのみ認証が与えられます。
申請者は、PETAにチェックリストを提出し、PeTAが内容を確認、監査は行われません。
認証取得後の更新は不要です。
The Vegan Society (イギリス)
ヴィーガン認証マークでも紹介しました。
こちらは、PETAよりも基準も審査も厳しくなります。
開発や製造過程においても動物由来の素材とその派生素材を使用しないことを基準としており、監査があります。
毎年、認証更新が必要です。
ヴィーガンシューズもご紹介
ヴィーガンファッションの中でも、特にシューズは高い人気を集め、多くのブランドがヴィーガンシューズを世に送り出しています。
ヴィーガンシューズの特徴として、ヴィーガンレザーと呼ばれる「人工皮革」と「合成皮革」、「天然由来のヴィーガン材料」であることが挙げられます。
この他にも、リサイクルポリエステルなどの再生原料を用いた材料や、リンゴやパイナップルなど植物性素材の材料もヴィーガンシューズで使われています。
また、リサイクル可能なアウトソールやインソール、洗濯機で繰り返し洗って使えるシューズ、リサイクルされた環境に優しいパッケージなど、サステナブルなポイントも増えてきています。
上でご紹介したPeTAの、動物由来の素材は一切使用していないという「PeTA認証」を取得しているブランドも多いです。
普段、デザインや機能性で靴を選んでいる方も、一度素材まで意識したヴィーガンシューズを選んでみてはいかがでしょうか。
ヴィーガン認証は消費者が安心してヴィーガン商品を選べる仕組み
ヴィーガン認証とは、認証機関が商品を審査することで、商品が「確かに動物性由来のものを使わないヴィーガンである」と保証する仕組みのことです。
認証を受けた商品には、ヴィーガン認証マークがラベリングされます。
よって、消費者が一目でヴィーガン商品であると判断することができます。
ただし、ヴィーガンの認証機関はいくつもあり、認証基準が異なります。動物性不使用に加え、動物実験禁止を基準としない機関もあります。
ファッションに関するヴィーガン認証基準は主に2つ「PeTA」と「The Vegan Society」でThe Vegan Societyの方がより取得のハードルが高い認証です。
ヴィーガンシューズも人気が高まっており、ヴィーガンレザーのほか、再生原料や植物性素材を使った材料の種類も増えてきています。
今後、ますますヴィーガン材料の誕生が期待されるでしょう。
日本ではヴィーガン認証マークを目にする機会はまだ少ないと思いますが、徐々に広がりを見せているようです。
ヴィーガンの文字を見つけたら、認証マークがあるかもチェックしてみてくださいね。
お買い物の際の参考になれば嬉しいです。
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