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2024.07.03

オレフィン系樹脂とは?特徴や種類も詳しくご紹介!

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こんにちは。岡畑興産のたなかです。

 

オレフィン系樹脂と言われて、すぐにどんなものかピンと来る方はどのくらいいるでしょうか?

普通に生活をしているとあまり聞きなじみのない名称ですよね。

 

実は、意外と皆さんの身近にある樹脂なんです!

 

今回は靴業界でも注目度の高いオレフィン系樹脂の紹介をさせて頂きます。

 

どんなものかわかりやすく説明していきますので、ぜひチェックしてみてくださいね!

 

 

オレフィン系樹脂とは?

オレフィンとはプラスチックの一種で、正式名称を「ポリオレフィン」と言います。

 

プラスチックの種類としては、“汎用プラスチック”に属し、オレフィン系樹脂というと、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)がそれに該当します。

 

汎用プラスチックとは、家庭や社会に多く存在する、一般的な熱可塑性プラスチックのことです。

 

4大汎用プラスチックと呼ばれる樹脂には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)があり、オレフィン系樹脂が2つも入っています。

 

オレフィン系樹脂は私たちの生活に欠かせない樹脂、ということを覚えて頂けたらと思います。

 

オレフィン系樹脂は、炭素(C)と水素(H)のみで構成されており、燃やすと水(H2O)と二酸化炭素(CO2)などになるので、燃やしたときに塩化水素ガスやダイオキシンをほとんど発生しません。

そのため、環境面にも優しい樹脂として、今靴業界でも少しずつ注目を浴びてきている材料です。

 

 

オレフィン系樹脂の種類は?特徴や用途もご紹介

 

オレフィン系樹脂の共通の特徴としては、耐薬品性・耐水性に優れている、比重が小さく軽量、柔軟性があることなどが挙げられます。

 

オレフィン系樹脂の種類は色々ありますが、先ほど触れた2つ(ポリエチレン・ポリプロピレン)を覚えておけば基本的にはOKでしょう。

どんなものか、特徴と共に紹介します。

 

ポリエチレン(PE)

ポリエチレンは、生産量が世界一といわれており、最大のメリットは安価であることです。

 

また、水より軽いため、製品の軽量化に役立ち、加工もしやすい特徴を持ちます。

さらに防水性・耐寒性もあり、耐薬品性も高いです。

 

一方でデメリットとしては、高温に弱いことが挙げられます。70℃以上の熱で変形してしまいます。

 

用途としてはかなり多岐にわたるのですが、身近なものでは、スーパーやコンビニのレジ袋、洗剤や化粧品の容器、食品関係の包装材、自動車部品、産業資材などに使われています。

挙げだしたらキリがないほどに使われている樹脂です。

 

 

ポリプロピレン(PP)

ポリエチレンに次ぎ、世界第2位の生産量といわれているのが、このポリプロピレンです。

こちらも安価で、汎用性が高く耐薬品性にも優れています。

 

ポリエチレンとの違いは、汎用樹脂のなかで最も耐熱性が高く、射出成型にも良く使われている樹脂であること。

 

デメリットは、耐候性に弱いので直射日光に当たっている時間が長いと劣化の恐れがあることです。

 

ポリプロピレンは加工性にも優れているため、袋や容器などに利用されることが多いです。

 

 

 

ポリプロピレンについては過去にくつナビのブログ「ポリプロピレンの特徴とは?メリット・デメリットもご紹介!」でも触れていますし、我々の販売している材料である、ダイヤテックス社の”KaRVO(カルヴォ)”もこのポリプロピレンで作られています。

 

 

 

靴業界におけるオレフィン系樹脂の未来予測

ここまで、一般的なポリオレフィン樹脂について説明してきましたが、何故くつナビが

この樹脂を取り上げるのか?について説明させて頂きます。

 

もちろん、上述のKaRVOがポリプロピレンでできていることも理由の一つではあるのですが、靴業界でも他の業界と同様に環境に配慮した商品の開発が活発になってきています。

 

このオレフィン系樹脂は、靴に欠かせない、別素材との接着の難しさが課題としてあるものの、樹脂自体は加工性に優れており、環境面での評価もすごく高いです。

 

靴は、実はかなりの種類の化学品が結集して一足の靴が構成されているため、リサイクルや生分解が簡単には実現できません。

 

例)ミッドソールが生分解樹脂だとしても、アッパーが通常の人工皮革やメッシュ、アウトソールがラバーの場合、土に還るのはミッドソールだけなので真のサステナブルとは言えない

 

そのため最近の靴では「○○%以上は再生素材や天然材料が使われています」というパターンが多いのです。

 

究極の理想は、靴を単一素材(モノマテリアル)で靴を作ること。

それを実現する可能性があるのが、このオレフィン系の樹脂なのです。

 

全てオレフィン系樹脂が使われた材料であれば、同一素材のためリサイクルが簡単にでき、さらに同一素材のため接着性もクリアできます。

 

全ての材料をオレフィン系樹脂にした機能性も高い靴の実現には、まだまだ時間がかかりますし、その材料も潤沢に揃っているとは言えません。

しかし、私たちはこのオレフィン系樹脂に可能性を感じており、オレフィン系材料の情報を欲しています。

 

もし今、これをお読みになられて頂いている方で、オレフィン系材料の売り先を探している、または保有している方がいましたら、どんなものでも構いませんので一度くつナビにお問い合わせ頂けたら大変ありがたいです。

 

私たちと一緒に、”まだ見ぬ君”へのビジネスチャンスを模索しませんか??

 

 

岡畑興産では、真面目に靴を作っている会社のブログ「くつナビ」を運営しており、靴や靴の素材、世界の市場についての豆知識など、さまざまな知識を発信しています。

ぜひ、他のブログも読んでみてくださいね!

 

※岡畑興産株式会社は、化学品事業靴受託事業が連携し、機能性素材の材料開発・用途開発を進めています。

この記事を書いた人

岡畑興産株式会社・靴受託事業部田中航樹

シューズOEMと機能材料営業
野球、ゴルフ、バイク、ランニングなどアスレチックシューズ全般を担当しています。より良いパフォーマンスのために機能性材料を提案します。

樹脂加工は知れば知るほど奥が深く、その上日進月歩で新しい技術が生まれています。そういう色々をみなさんにも共有させてもらいます。

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