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2023.12.21

ポリプロピレンの特徴とは?メリット・デメリットもご紹介!

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こんにちは、岡畑興産のかげやまです。

 

日常のいたるところで使われているプラスチック製品ですが、実はさまざまな種類のプラスチックが私の日常生活を支えています。

 

今回はポリプロピレンというプラスチックを深掘りしてご紹介いたします。

 

用途も幅広いプラスチックなので、ぜひ活用のメリット・デメリットも知って、商品開発にも役立ててみてください!

 

ポリプロピレンとは?その特徴を詳しくご紹介!

ポリプロピレン(Polypropylene/略称:PP)はプラスチックの一種で、石油由来の熱可塑性の合成樹脂です。

 

開発されたのは1950年代の初期で、1957年にイタリアのモンテカチーニ社によって商業生産が開始され、さらに改良されたことで全世界に広まりました。

 

ポリプロピレンは、炭素と水素の原子からなる重合体で、プラスチック製品の中でも優れた特性を持つことで知られています。

 

主な特徴には、プラスチックとしては最も軽量でありながら強靭で耐久性が高いこと、化学薬品に強いこと、絶縁体であることが挙げられます。

※絶縁体:電気を通さない物質、または通しにくい性質のこと

 

ポリプロピレンの種類には、ホモポリマー(モノマーが同じ単一の重合体)、ランダムコポリマー(モノマーが異なる重合体)、ブロックコポリマー(複数のポリマーが一分子中で結合している重合体)があります。

 

この種類ごとにも特徴が異なるので、ご説明しましょう。

 

ホモポリマー:変形や熱に強いが低温時の衝撃強度が低い

 

ランダムコポリマー:透明性が高く融点が低い。比較的柔らかく加工しやすい

 

ブロックコポリマー:ホモポリマーの低温時の衝撃強度が低いデメリットを解消したもの

 

ポリプロピレンはどんなものに使われている?

ポリプロピレンは射出成形、押出成形、中空成形などさまざまな成形方法が可能です。

 

射出成形: 容器やその蓋、部品など様々な形のプラスチック製品を作ることができます。

 

押出成形: 金型に流し込んだ樹脂を圧力で押し出して成型していきます、同じ形で長く成型し、カットして製品にします。 棒状の建材などを作る時に使われる成形方法です。

 

中空成形: 加熱した樹脂に空気を吹き込んで作る成形方法です。ボトルやタンクなどを作る時にこの方法が用いられます。

 

 

弊社で取り扱いのあるポリプロピレン製品にも「KaRVO™」と呼ばれるポリプロピレン製シートがあり、大変おすすめです。

軽量で反発性のあるKaRVO™は、スポーツシューズの中底で採用されています。

 

 

また、ポリプロピレンのような樹脂の加工方法についてお伝えしたブログもあるので、ぜひこちらも参考に読んでみてください!

 

樹脂加工とはどんな加工?合成樹脂の種類や活用方法もご紹介!

 

 

 

ポリプロピレンに似たポリエチレンとの違いも解説

ポリプロピレンのように生産量の多いプラスチック素材の中で、「ポリエチレン」という似た名前の素材があります。

 

このポリエチレンと、ポリプロピレンの違いについても簡単にご説明しましょう。

 

まず見た目ですが、ポリプロピレンは無色に近い透明で、ポリエチレンは半透明で白っぽいです。

 

ポリプロピレンは耐熱性や硬さがあり、加工性が高いのが特徴ですが、ポリエチレンは柔軟性に優れている点が大きな特徴。

そのため、袋や容器などに利用されることが多いです。

 

また、天候への耐久性や成形のしやすさはポリエチレンに軍杯が上がりますが、耐熱性や速乾性はポリプロピレンのほうが優れています。

 

ポリプロピレンのメリット・デメリットは?

 

ポリプロピレンのメリット・デメリットもご紹介しましょう。

ポリプロピレンのメリット

  • 軽量

プラスチックの中でも良く使われているポリエチレン(PE)の比重は0.91~0.95、化繊として衣類などに使われているナイロンは1.2、ペットボトルなどのポリエチレンテレフタラート(PET)は1.35ですが、ポリプロピレンの比重は0.90~0.91となり、とても軽い素材であることがわかります。 軽量化を目的として用いられることが多い材料です。

  • 耐熱性

融点が高く溶けづらいため、電子レンジの熱にも耐えられる程度の耐熱性を持っています。

  • 耐薬品性

薬品に反応しづらい特性があり、医薬や科学の現場で用いられることが多く、またオイルにも強いためカー用品などにも使われています。

  • 強度と加工性

力を加えても変形しづらく、また折り曲げにも強く、その上耐摩耗性も高いので機械加工に向いています。そのような理由で機械での大量生産がしやすい材料と言えます。

 

ポリプロピレンのデメリット

  • 耐候性

紫外線に弱く屋外に置いておくと変色や変形をしてしまうという弱点があり、基本的に日光の当たる場所での使用には適していません。

安定剤を添加して対策することがあります。

  • 接着性

接着性が低いため、接着剤を使って何かとくっつけたり、表面にプリント印刷するのに適していません。

 

 

ポリプロピレンの特徴・特性を知って活用・購入の参考に!

ポリプロピレンは、軽量でありながら強靭で耐久性に優れた熱可塑性プラスチックです。

リサイクルが容易であり、環境に配慮した製品作りに向いています。

 

また、多様な成形方法に適応するため、幅広い産業分野で利用されており、自動車部品、食品包装、繊維製品など様々な製品に活用されています。

 

これらの特性を理解して、適切な用途に活用する際の参考としていただければ幸いです。

 

 

また、岡畑興産では、真面目に靴を作っている会社のブログ「くつナビ」を運営しています。

靴や靴の素材、豆知識などさまざまな知識を発信していますので、こちらもぜひご参考ください!

 

※岡畑興産株式会社は、化学品事業靴受託事業が連携し、機能性素材の材料開発・用途開発を進めています。

 

 

 

この記事を書いた人

岡畑興産株式会社・靴受託事業部かげやま

シューズOEMと機能材料営業
国内ブランドへの機能材料販売を担当しています。
入社3年目まだまだ勉強中です。

くつナビ 訪問レポート“かげやまXXX行ったってよ“ シリーズ お楽しみに!

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