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靴の材料

2021.02.04

靴の品質確認のため 材料試験のいろいろ

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お客様が求める製品の品質を担保しつつ、決められた納期で納品するために、品質管理は靴製品の開発・生産受託業務において、とても重要です。

 

今回は品質管理の中の、材料、生地の品質検査についてご紹介します。

色落ちや色移り試験

靴のアッパーやインソール、ライニング(インナー)などに、さまざまな生地を使っていますが、私たちは、その生地を靴に使用して問題ないか、見極める仕事も行っています。

品質は、お客様の会社自身がもつ規格やJIS規格を基に、工場や検査機関で色々な性能テストを行い、評価をしています

靴生産で代表的な試験をご紹介します。

1.染色堅ろう度試験

染料などで染色された生地の「色の変わりにくさ」、「色落ちのしにくさ」を調べる試験です。

染色された製品が、使用中や保管中に受ける様々な状況を想定して行う試験で、たくさんの方法があります。

 

靴を「履く」と言っても、様々なシチュエーションが考えられますよね。

晴れの日もあれば、雨の日に履く事もあるし、汗で蒸れることもある。

こういったシチュエーションで、靴へどんな影響があるのかを、主に次のような試験で判断しています。

 

・耐光試験・・・日光あるいは蛍光灯によって色が変わるかどうか?

・汗試験・・・汗で濡れた状態で長時間着用した場合に、生地の変退色や他の衣料への汚染があるか?

・汗耐光試験・・・汗をかいた状態で日光に当たった場合、汗と日光の複合作用による変退色があるか?

・水試験・・・長時間、湿潤した状態で放置した時に生じる生地の変退色や汚染があるか?

・摩擦試験・・・着用中の摩擦により、他の衣料品などに色が移る(汚染する)かどうか?

・色泣き試験・・・異色濃淡の組み合わせのプリントや染め生地で、濃い染色部分から淡色部分へ汚染があるか?

 

これらの試験判定は9段階のグレードで示されます。お客様の規格や評価基準を満たしているかをチェックします。

満たしていない場合はお客様へ材料変更の相談をさせていただき、またギリギリ合格や、心配が残る場合は、念のため、色落ち注意のタグやリーフレット(私たちはデメリットタグと言っています)などによって、消費者へ着用上の注意を促すようにします。

 

消費者は、デメリットタグの内容を読んで、雨の日に履いたら色が落ちやすいから履くのをやめようとか、白い靴下は止めておこうなどを判断し、デメリットの回避ができます。

伸びや破れやすさの試験

2.物理試験

生地に外から物理的な力を加え、「生地の耐久性に問題がないか」を調べるとても重要な試験です。

特にスポーツシューズは、歩く以外にも、走る、蹴る、ジャンプなど靴への負担が大きいため、より強い耐久性が求められます。

 

・引っ張り強度試験・・・着用中に引っ張られても簡単に破れないか?

・引き裂き強度試験・・・着用中に引き裂くような力が加わっても、簡単に破れないか?

・破裂強度試験・・・着用中にかかる力で簡単に破れないか?

 

これらの判定も数値で示され、評価基準の数値を満たしているかチェックします。

 

判定で基準を満たさなかった場合は、材料替えや補強の追加などで、基準をクリアできるよう、お客様や工場と相談しながら改善案を見つけていきます。

 

材料破裂試験機 ↓

まとめ

私たちは、ブランドホルダーであるお客様の希望デザインを正確に製品化するだけでなく、お店で靴をお買い上げされた消費者が、快適に安全に私たちが関わった靴を楽しんでいただけるように、品質保証を含め、開発段階から日々努力を続けています。

 

試験ができる代表的な機関

一般財団法人カケンテストセンター  https://www.kaken.or.jp/

一般財団法人ボーケン品質評価機構  https://www.boken.or.jp/

 

 

書いた人:  我が社のアウトドア部部長で お客様に寄り添う最強の営業サポートS

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