こんにちは、岡畑興産靴受託事業の伊集院です。
皆さんはポリウレタンラバーと言われたらどんなものを想像しますか?
ウレタンとラバーという全く違うものが合わさった名前なので、ゴムのような弾性があるウレタンなのかなという予想はつきそうです。
ただ、どのような物に使われているか、実際に靴に使われるかなどはイメージがつきにくいですよね。
そこで今回は、ポリウレタンラバーについてご紹介したいと思います。
ポリウレタンラバーってどんなもの?
ポリウレタンラバーと言われても、あまりイメージが付きにくいかと思いますので、まずはポリウレタンラバーがどのような物なのかについて説明したいと思います。
ポリウレタンラバーは「RPU」と略されていることも多いですが、ポリウレタン樹脂の中の1つでゴム弾性(エラストマー)をもったポリウレタンのことを指します。
ポリウレタンとは全く違う材料ということではなく、あくまでポリウレタンの一種というイメージです。
ゴム弾性があることで衝撃吸収性や反発性が通常のポリウレタンよりも上昇するとともに、耐摩耗性、摩擦特性、耐薬品性、耐候性なども、汎用ゴムに比べて高くなっています。
このように、一見すれば汎用ゴムやポリウレタンに比べて良い性能を発揮しそうなポリウレタンラバーですが、実際にはどのような場面で使用されているのでしょうか。
次で詳しくご紹介したいと思います!
色々な場面で使われるポリウレタンラバー。その用途は?
ウレタンの特徴を持ちながら、ゴム弾性(エラストマー)の特徴も併せ持ったポリウレタンラバーですが、皆さんが普段から利用している製品にも幅広く使われています。
例えば、成型性の良さと耐久性から、キャスターのローラー部分やベルトパーツ、サイドパネルの様な自動車パーツ関連や、腕時計のリストバンド、グリップ部分などで使用されていることが多いです。
スポーツの分野では、実はあの硬いゴルフボールの中にも使用される場合があります。
また、このように一般的な製品に幅広く使用されているポリウレタンラバーですが、くつナビでもご紹介している通り、もちろん靴でも使用されています。
靴でも使用されるポリウレタンラバー
ポリウレタンが使用される靴のパーツとして、最初に思いつくのは「ソール」のイメージが強いと思います。
ただ、このポリウレタンラバーの場合は、ソールではなくアッパーの素材として使用される機会が多々あります。
「アッパーにポリウレタンラバーを生地のように使うのか」と思ってしまう人もいるかもしれませんが、実はメッシュなどの生地に直接貼り合わせ、成型して使用します。
メッシュと貼り合わせて成型して使用するメリットとしては、ある程度までの生地の伸びを担保しつつ、必要以上には伸びないというゴムの特性と、ポリウレタンの耐摩耗性能を活かせるという点があります。
そのため、バトミントンやバレーボールなどのハードな室内競技用の靴でよく使用されます。
また、熱成型で生地に直接接着成型できるため、ミシンで縫ったり人の手で貼り合わせたりといった作業が必要なくなり、靴を作るうえでの多くの手間を省くことが可能です。
通常の生地で耐摩耗性を持たせようとすると、どうしても生地を厚いものを使用したり、重い素材を選ぶ必要が出てきますが、ポリウレタンラバーの場合は薄い生地を選んで成型することで、より軽くて丈夫なアッパーにすることができるという利点もあります。
靴のアッパーとしても、このポリウレタンラバーは非常に優秀な素材と言えます。
ポリウレタンラバーの靴をぜひ探してみてください!
ポリウレタンラバーは、ポリウレタン樹脂の中の1種です。
靴の分野においてもポリウレタンラバーはカテゴリによっては非常に馴染みのある素材だったりします。
聞き馴染みのないポリウレタンラバーという材料について、少しでも理解が深まっていただければ幸いです。
もしかしたら皆さんの手元の靴にも使われていたりするかもしれませんので、一度皆さんの靴のアッパーもチェックして探してもらえたらと思います。
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