• TOP
  • 靴の材料
  • リサイクルレザーとは?メリット・デメリットもご紹介

靴の材料

2023.01.20

リサイクルレザーとは?メリット・デメリットもご紹介

facebook

twitter

line

こんにちは、岡畑興産のこじろうです。

 

まず、リサイクルレザーと聞くと、皆さんどのような物をイメージされるでしょうか?

 

なかには人工皮革と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、全くの別物で、正真正銘の天然皮革を使って作られるものです。

 

今回はまだまだ世間に認知されているとは言いがたい、このリサイクルレザーとは?という疑問について説明していきます。

 

リサイクルレザーのメリット・デメリットや、どんな商品があるのかも合わせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね!

リサイクルレザーとは?

リサイクルレザーとは、文字通り革をリサイクルしたものです。

 

皮革製品を生産する際に発生する破片やくず、余った革を集めて粉砕し、再加工した物をシート状にして再生レザーとして商品に生まれ変わらせ、今まで廃棄されてきた端材をアップサイクルする環境に配慮されたレザーです。

 

昨今のサステナブル意識の高まりから、その存在まで危ぶまれている天然皮革。

 

実際に、皮革は牛などの肉を加工する時に出る皮を原材料とする副産物なので「動物由来の天然モノでサステナブルなもの」と思われるかもしれませんが、”皮”を”革”にする段階でかなりの有害物質を使用しているのが現状です。

 

実は、リサイクルレザーは70年も前のヨーロッパでは既に確立されていた製法でした。

 

元々は靴の内部の見えない部分に使われることが多かったのですが、近年のコーティング技術や塗料、フィルムの品質向上のおかげで表材としても使えるように。

 

近年その方法が再注目され、合成皮革とは違う天然皮革ならではの風合いも出せる製品ということで、世界中で広まっている材料です。

 

 

 

 

 

リサイクルレザーのメリット・デメリットは?

まずメリットとして言えるのは、廃材などを利用した再生品のため、環境配慮に貢献出来るということではないでしょうか。

 

加工の際に天然ゴムや樹脂を使うため、天然皮革ならではの自然な風合いも感じられるのも魅力です。

 

さらに、価格面も本革と比較して安価のため、手軽に環境配慮に貢献出来る素材と言えます。

 

最近では、ハイブランドのSaint LaurentやGucciでもこのリサイクルレザーを使用した

製品が販売されているなど、存在感が高まってきています。

 

一方デメリットは、天然皮革のように使う程になじんでいき、味わいが出ることがない点が挙げられます。

 

また、天然皮革を粉砕した物と天然ゴムや樹脂を混ぜたものなので、切り込みなどが入ると引き裂きに弱いという点もあり、取り扱いには注意が必要です。

 

靴で言えば、釣り込み工程などでの破れなどが起きやすい可能性があります。

 

 

 

実際にリサイクルレザーが使われている製品をご紹介!

リサイクルレザーはどのように活用されているのか、実際の製品もいくつか参考にご紹介します。

 

 

ORIHICA「スマートアクティブシューズ Uチップ」

 

AOKIが展開するファッションブランド「ORIHICA」から、靴の革の裁断工程で発生する端切れを再利用して作ったリサイクルレザーシューズ「スマートアクティブシューズ Uチップ」が発売されています。

 

原料のロスを軽減した、環境に配慮したアイテムとなっており、端切れから生成した革のシートは柔らかく、履きジワも入りにくいそうです。

 

加えて、撥水加工やインナーソールのクッション性を持たせるなど、機能性も重視されています。

 

 

 

The Suit Company「ACTIVE/リサイクルレザー コートスニーカー」

青山商事が展開するThe Suit Companyの”COMMUTECH ACTIVE(コミュテックアクティブ)ブランドからは、製造時に出る廃棄予定の残革で作られたリサイクルレザーを使用したスニーカーが発売されています。

 

表面にコーティング加工を施すことによって、革本来の風合いにもこだわっているそう。

 

 

 

オニツカタイガー「MEXICO66」

 

オニツカタイガーからは、定番モデルの「MEXICO 66」を、リサイクルレザーを使用し、エコフレンドリーなデザインにしたシューズが販売されています。

レザータンナーやシューズ工場で出るレザーの廃材などを再構築し、ヌバック調に仕上げており、通常のレザーのようなソフトな履き心地と上質さを備えている一足です。

 

 

 

 

リサイクルレザーの特性を理解したうえで検討を

環境に配慮もしたいけど、天然皮革の風合いも捨てがたい、という時におすすめなリサイクルレザー。

 

しっかりと特性を理解したうえで適切な材料を選ぶようにしましょう。

 

使い方によっては、天然皮革では表現できないビビッドカラーの染色もできますし、コスト的なメリットもありますので、とてもユニークな製品ができ上がることでしょう。

 

まだまだ日本ではリサイクル製品としての地位が確立できていない印象ですが、今後はあらゆるブランドからリサイクルレザーの製品が発売されていくと思うので、今のうちからチェックしておきましょう!

 

もちろん、リサイクルレザーの靴もおすすめです。

 

 

 

岡畑興産では、真面目に靴を作っている会社のブログ「くつナビ」を運営しています。

靴や靴の素材、豆知識などさまざまな知識を発信していますので、こちらもぜひご参考くださいね。

 

※岡畑興産株式会社は、化学品事業靴受託事業が連携し、機能性素材の材料開発・用途開発を進めています。

 

 

facebook

twitter

line