こんにちは。岡畑興産のこじろうです。
さまざまな靴のメーカーで使用されている、世界的にも有名なヴィブラム(Vibram)のソール。
ソールの種類も豊富で、シチュエーション別に高機能なソールを取り揃えています。
今回は言わずと知れた大人気のブランドラバーソール、ヴィブラム(Vibram)に関して、詳しくご紹介していきます。
目次
ヴィブラム(Vibram) とは?ビブラムソールの魅力
ヴィブラム(Vibram)とは、イタリアのミラノ近郊にあるソール専門のメーカーです。
「ヴィブラムソール」として、主に登山靴、ワークブーツ、スニーカーなどさまざまな靴のソールに使用されています。
シューズのソールはブランド自身が設計・製造していることが⼀般的ですが、ヴィブラムソールはさまざまなブランドのソールとして使⽤され、⾼い機能性を誇ります。
現在ヴィブラムソールはイタリア、ブラジル、中国、チェコ共和国、アメリカで作られており、1,000社以上の靴メーカーのソールに使⽤されています。
登⼭やアウトドアの分野以外にも、セーフティーシューズなどにも使⽤され、他にもライフスタイル、アフターマーケット(靴修理用のアイテム)などがあります。
ヴィブラムが評価されている理由は大きくまとめて下記の3点です。
耐久性と優れたグリップ力
ソール専門メーカーだけあって、グリップ力や耐久性に大変優れています。
雪道に適した配合、トレッキングに優れた配合、ハイキングに優れた配合など、シーンごとにさまざまなデザインや機能を選べるのが特徴です。
創業者自身が登山家だったため、とくにグリップ力には相当なこだわりがあるのでしょう。
優れたデザイン性・豊富なバリエーション
グリップが良いだけでなく、デザイン性も損なわないような意匠設計やカラーが数多くあります。
徹底した品質管理
実際に使用する環境下で行われる、厳しいフィールドテストに合格したもののみが市場で販売されます。
くつナビ的に言うと、大量生産する余裕がなく小ロットで靴を生産したいお客様の場合、アウトソール開発への投資が難しいので、このヴィブラムソールを使うことで機能や数量の問題もクリアできて重宝しております。
くつナビ的おすすめのヴィブラムソールの種類をチェック
くつナビ的にオススメのヴィブラムソールの種類を、「タウンユース」「アウトドア」の2つの観点からご紹介します。
【タウンユース】
#9105
※画像引用:CORNO
こちらは、Vibram® Vi-Liteを使用して設計された男女兼用ウェッジソールです。
ヴィンテージソールの「Gloxina ソール」からインスパイアされた#9105は、最大の柔軟性と快適さを実現するために深く設計された溝が特徴です。
Vibram® Vi-Liteは軽さを追求した素材で、軽量でありながら耐久性に優れている発泡素材。
長時間の歩行をしても疲れにくい素材となっています。
登山と言うより、タウンユースやカジュアルシーンに最適です。
#2199
※画像引用:CORNO
最高の快適さとクッション性を提供するために研究された、#2199。
一般的なEVAより30%の軽量に成功し、特に高性能ラバーソールに合うように設計されているので、Chronoソールとの組み合わせで最高のパフォーマンスを発揮します。
素材のVibram® XS TREK EVOは、あらゆるシーンでのグリップ性と耐久性を発揮し、不安定な地形にも対応しているので、安定性と快適性を兼ね備えています。
加水分解してしまったスニーカーのソール交換をする際にもおすすめで、修理でも使えるのは良い点です。
ランニングやスポーツカジュアルシューズに最適なソールです。
#2002
※画像引用:CORNO
スニーカー向けのフラットソール、#2002。
ニューバランスなどのスニーカーのソール交換にも使用できるのが嬉しいポイント。
素材のVibram® SPは、車のタイヤ等にも使われるSBR(スチレン・ブタジエンゴム)という、ゴムの中で最も多く生産されている材料を用いているので、作業性に優れており、研磨や接着が容易なのが特徴です。
タウンユースや旅行のときに最適なソールです。
【アウトドア】
#002f
※画像引用:CORNO
タコの吸盤のような設計のソール。
ヴィブラムマルチコントロールテクノロジーによって、濡れた地面や雪の上でもグリップ力を発揮します。
氷雪面でのグリップ力を最大限引き出すために開発された素材「Vibram® ICETREK」を使用しており、冬のスポーツにも最適なソールです。
#1014
※画像引用:CORNO
こちらは、ハイレベルな登山に使うために開発されたアルピニズム用。
優れた摩耗耐性と、高いグリップ力が強みです。
安全性と、自然な歩行が出来るようデザインされたヒールの形状も特徴的です。
素材のVibram® MONTは岩や雪道でも力を発揮出来る登山用の硬質ゴムで、長時間の低温環境下でも機能を保ち、耐久性に優れています。
#298
※画像引用:CORNO
横に流れる刻みラインが屈曲性を向上させ、突起部分はグリップ力を良くするデザインになっている#298。
素材のVibram® MEGAGRIPは、山での滑りやすい道や雨の日の街中での使用を想定して開発された配合になっているので、滑りやすい路面でも高いグリップ力を発揮し、安心して歩くことができます。
#1208
※画像引用:CORNO
ヴィブラムソールの中でも定番の「Carrarmato」デザインの#1208。
Carrarmatoとはヴィブラムソールのデザインの名前で「戦車の足元」を意味し、タンクソールのことです。
警察や軍隊での使用に最適化されている設計で、優れた耐久性と耐滑性が特徴です。
素材はVibram® TRONTを使用し、一般的に登山用によく使われるVibram® Montにくらべて少し柔軟性があるのが特徴です。
#026
※画像引用:CORNO
カップタイプのソールにArctic Gripのパーツをちりばめたウィンターソールの#026。
素材に使われているVibram®Arctic Gripは金属を含まず、全素材にゴムを使用しながら、凍結路面に対応した新技術です。
氷雪面でのグリップ力を最大限引き出すために開発された素材「Vibram® ICETREK」を使用していますので、寒冷地への旅行や冬のハイキングにも最適なソールとなっています。
ヴィブラムソールが使われている代表的な靴を紹介!
ヴィブラムソールはさまざまな靴で使用されていますが、代表的な靴もご紹介します。
Danner 【MOUNTAIN LIGHT】
※画像引用:DANNER MOUNTAIN LIGHT
ダナーはアメリカではヴィブラムソールを初めて採用したメーカーです。
その中でもマウンテンライトは永遠の定番モデルで、ゴアテックスを採用し、悪天候下でも快適な履き心地を提供します。
重厚なワークブーツスタイルは、アウトドアからタウンユースまで幅広く活躍してくれる一足です。
New Balance【MS1300】
※画像引用:ニューバランス | MS1300GG:シューズ
M1300のハイブリッド版として最近発売されたMS1300をご紹介します。
このアウトソールにはM1300と同様にヴィブラム(Vibram)社製のラバーソールが、グリップ性能を高めるために使用されています。
また、クッション材に衝撃吸収性や反発弾性に優れた素材「アブゾーブ(ABZORB)」を搭載した新プラットフォーム「エンキャップリビール(ENCAP REVEAL)」を採用。
クッション材が外側から見えるようなデザインにアップデートしています。
THE NORTH FACE 【CRESTON MID FUTURE】
※画像引用:クレストン ミッド フューチャーライト(メンズ)(NF52020)
アウトドアブランドのTHE NORTH FACEから、ヴィブラムラバーアウトソールが使われているトレッキングシューズを紹介します。
ミクロ単位のポリウレタン繊維を吹き重ねたナノフィルム状の防水透湿素材「FUTURELIGHT(THE NORTH FACE独自研究開発素材)」を採用した、3シーズンのトレッキングに適した軽量防水トレッキングシューズ。
ミッドフットにつま先からかかとまでをカバーするラスティングボード(シャンクプレート)を入れることで、ボトムユニットの剛性を強化。
凹凸の多い路面でもフラットな着地ができ、重い荷物を背負っていても安定した歩行をサポートします。
日本人に合わせたオリジナルのラストを採用し、快適さを高めているのも嬉しいポイントです。
ヴィブラム(Vibram)の種類は豊富!用途に合わせて使い分けて
イタリアのミラノ近郊にあるソール専門のメーカー「ヴィブラム(Vibram)」。
「ヴィブラムソール」と呼ばれ、登山靴やワークブーツを中心に、タウンユースのスニーカーまで、バリエーション豊かに使用されています。
タウンユースでも、長時間の歩行をしても疲れにくい素材や不安定な地形に対応する素材など、耐久性に優れたものが多いのが特徴です。
氷雪面高いグリップ力を保つウィンタースポーツ用や、ハイレベルな登山に使うために開発されたアルピニズム用、さらには警察や軍隊での使用に最適化されているソールまで、幅広くあります。
今回ご紹介したもの以外でも、バイク用やスポーツ用など、様々な種類のソールや靴がありますよ。
ぜひお店でヴィブラムソールが使われている靴を見つけたら、触ったり履いてみたりして体感してみてください!!
岡畑興産では、真面目に靴を作っている会社のブログ「くつナビ」を運営しています。
靴や靴の素材、豆知識などさまざまな知識を発信していますので、こちらもぜひご参考ください!
※岡畑興産株式会社は、化学品事業と靴受託事業が連携し、機能性素材の材料開発・用途開発を進めています。