OKAHATA PEOPLE
2024.10.21
リアルトーク
岡畑興産初の女性営業社員が語る、「育休復帰の先駆者」の働き方
- #入社を希望される方へ
- #藤原さんシリーズ
社長から
菅成美さんは、今思えば、岡畑興産の成長スイッチのはじめのはじめ。
初の女性営業採用ですが、当時はそもそも男性営業さえ採用しておらず、まだまだ“THE昭和の営業”が幅を効かせる時代。
そこに、初の女性営業の採用ですから、ホント気を遣いました。
これは採用側の勝手なエゴなんですが、菅さんという女性が長いキャリアを過ごせる会社にしよう、その舞台を揃えようと思ったし、菅さんを例外にしないためにも、女性営業や女性総合職をドンドン採用しよう/増やそう、と心に決めたのを思い出します。
菅さんの採用があったから、今の岡畑がある。
今の岡畑興産で、女性総合職がフツーに活躍しているのも、当時は小さかった香粧品ビジネスが花開いているのも、菅さんの入社がひとつのトリガー。
もちろん他にもたくさんの要素があるんだけど、やっぱり、人。First Who Then What、なんだなーと。
昔話は好きではないけど、今につながる昔話として。
<プロフィール>
菅 成美
岡畑興産株式会社
機能化学品事業部
入社年月日:2014年5月1日
趣味:野球観戦(巨人ファン)
特技:イラスト
目次
人見知りの営業ウーマン
藤原:初めまして、本日はよろしくお願いいたします。
菅:こちらこそ、よろしくお願いいたします。
藤原:初女性単独インタビューです。
菅:ですよね。すごく緊張してます。
藤原:え?そうなんですか?全然そういう風には見えないですけど。
菅:実は、人見知りで緊張しやすいんです。
藤原:そうなんですか?確か、営業のお仕事をされてますよね?
菅:はい、東京で5年、大阪で5年の営業歴10年なんですが、お恥ずかしいです。
藤原:いえいえ、苦手なことは誰でもありますから。でも、なぜ、そんな方が商社に?
菅:話せば長いんですけど・・・。
藤原:大丈夫です。私の記事は長いので。(笑)
菅:あははは。知ってます。(笑) 私、実は農学部出身で・・・。
藤原:え?化学ではなく?
菅:そうなんです。それも大学院まで行ったんです。
藤原:マジですか?「農作物」から「お客様」の開拓に変更したんですね。(笑)
菅:そうです、そうです。(笑)でも、大学院は途中で辞めてしまって。
藤原:どうされました?
菅:大学院に入って、半年くらい経った時に、「私の人生、このままでいいのかなー?」って、考えてしまって。
藤原:入ったばかりで?ちなみにどこの大学院ですか?
菅:神戸大学です。
藤原:そのままで良かったと思いますが・・・。(笑)
菅:そんなに農業系が好きだったわけでもないし、このまま研究ばかりの人生はどうかな?と考え始めちゃったんですよね。
藤原:それって、もう少し早く気付けてましたね。(笑)
菅:確かにそうですよね。(笑)で、半年経ったくらいから、本格的に就活をし始めたんです。
藤原:すぐに切り替えたんですか?
菅:でも、新卒の人と比べられると、どうしてもハードルが高くて・・・。
藤原:それは辛いですね。
菅:で、秋頃から新卒枠ではなく、エージェントに登録し中途採用枠で求人を出している会社を紹介頂くようにしました。
藤原:なるほど。それでどうなったのですか?
菅:年が明けて、2月頃に2社から内定を頂きました。
藤原:良かったです。ということは、1社蹴って、岡畑興産に決めたんですね。岡畑興産を選んだ理由って何かあるんですか?
大学院から、化学品専門商社へ
菅:もう1社は「合格だから、いつでもどうぞ」みたいな感じでした。
岡畑は「合格なんですが、もう一度面談してみませんか?」って言われたんです。
藤原:へー、萩田さん、何でそんなことを言われたんですか?
萩田:10年も前のその当時、化学品専門商社の営業職って、いわゆる“The 昭和おじさん”がメインだったんですよ。(笑)「女性を採用する」というのは、私にとっては、覚悟が必要でしたし、お互い1ミリの溝も無いように、わかり合ってから進めたかったというのが、本音かもしれないです。
藤原:優しいですねー。
菅:そうなんです、なんか、そういうところっていいなーって思って、就職エージェントさんの勧めもあって、岡畑に決めました。
藤原:作戦じゃないですよね?(笑)
萩田:全然違いますよ。(笑)
こちらも採用には手探りな状況で、ノウハウさえなかったですし。しかも、初の女性総合職採用だったので、慎重というか、丁寧に丁寧に説明して、なんとか採用させたいという“岡畑の必死の思い”と、菅さんには“安心して入社してもらいたい”という一心でしたよ。
菅:そうだったんですか?!(笑)知らなかった。確かに、3度目にお会いして、話をしていくうちに私の不安な部分を親切に説明してくれたりして、すごく納得して、安心したのは覚えています。
藤原:萩田さんの必死が実ったんですね。
菅:もう一つ言えるなら、東京で働けるというのも私にとっては嬉しかったですね。一度は東京に住んでみたかったので。(笑)そういう中で、住環境サポートはすごく大きかったです。
岡畑初、女性営業の苦悩
藤原:なるほど。最初は東京配属ですものね?
菅:はい。大都会東京です。(笑)
藤原:どうでしたか?大都会東京での営業ライフ。農学部卒の化学品の営業は?
菅:とにかく難しかったというのが本音ですね。
藤原:農学部から化学の商社という意味ですか?
菅:ま、それもありますけど、やっぱり、先ほどもお話しした通り、超人見知りなんですよ、営業なのに。お客様に怒られるより、沈黙される方が怖いんです。例えば、お客様が研究職の人だったりすると、先方は営業の私から話してくれるでしょ的な雰囲気あるじゃないですか?
藤原:あー、ありますね。普通は、アイスブレイクじゃないですけど、営業サイドからボールを投げますね。(笑)
菅:私はそのボールが投げれないんですよ。
藤原:野球が好きって聞いてますが。(笑)
菅:野球は観るだけなので。(笑)初めの数年は、その耐えられない沈黙プレッシャーには、ほんと悩まされました。
藤原:打ち合わせでお伺いしても、挨拶もそこそこにすぐに本題みたいな?
菅:あー、そうですそうです。ほんと、そんな感じです。「こんにちは。で、例の件ですが。。。」みたいな?(笑)
藤原:淡白すぎますね。(笑)
菅:あははは、ほんとそうですよね。でも、振り返ってみると、入社した当初は、仕事の流れや化学の専門的なことを日々、上司やお客さまから教えていただくみたいな感じでした。
藤原:あははは。全方向わからず、ただがむしゃらにですね。(笑)
で、いつ頃から「大変」から「楽しく」なってきましたか?
菅:仕事が楽しいと感じてきたのは、3年目くらいからですかね。大手家庭用品メーカーさんの担当を任された頃からです。
藤原:へー任されたんですか?すごいですね!それは嬉しく楽しく仕事出来たのでは?
菅:そうですね。例えば、超有名商品の原料に関わって、買い物してる時に、「あー、これ私が担当してる商品だー!」と嬉しく思ったり、(笑)
香粧品業界だと、担当のお客様が同年代の女性の方が多かったりするので、緊張も少なくなってきて、楽しくなることはありました。
藤原:営業っぽくなってきて、いい感じじゃないですか?
“THE営業”を諦める
菅:いやいや、人見知りは今もやっぱりだめです。ほんと、私は営業に向いていないんです。
藤原:そうなんですか?向いていなかったら、10年もこの仕事をしていないと思いますが。
菅:はじめの数年は、営業っぽくしようと努力してたんです。周りが“THE営業”の先輩方が沢山っていうか、全員だったので。
藤原:あははは。あの昭和の人たちですね。
菅:初対面から打ち解けて盛り上がる萩田さんとか。
萩田:そんなことないよ!僕だって緊張はするよ。
菅:絶対しない!(笑)
全員:あははは。
藤原:今でも人見知りということは、「人見知り営業の解決秘策」みたいなものがあるんですか?
菅:そんなのあるわけないじゃないですかー。(笑)でも、あえていうなら、「考え方」を変えましたね。
藤原:考え方?
菅:ある程度キャリアを積んでいくと、緊張することは少しづつ無くなってはきますけど、いわゆる“THE営業”スタイルを磨いて、克服するのは違うかなって、思いました。
藤原:どこを磨いていったのですか?
菅:大切なのは、お客さまに貢献さえ出来ていれば、“THE営業”というスタイルじゃなくてもいいじゃないって、考えを割り切ったんです。その割り切りが出来てから、私なりの“営業スタイル”が生まれたのかもしれないです。
藤原:例えば、どういう?
勝負するポイントをズラす
菅:そうですね、例えば、営業というものを「信頼や信用を勝ち取る」ことだとすると、お話しで距離を縮められなくても、「菅は納期を絶対守る人」とか「必ず答えを探して約束を守る」みたいなところで、信頼を勝ち取ることが出来るっていう“営業スタイル”に変えたんです。
藤原:なるほど。先輩方と同じ土俵で勝負しなくても、「菅さん=約束を守る」みたいなところで勝負して、信頼を勝ち取っていったわけですね。
菅:割り切りっていうと、誤解されるかもしれないですけど、私の中では考え方を変えただけなんです。そうすると、仕事も精神的にもすごく楽になっていきました。
藤原:そこまで行くのにどれくらいかかりました?
菅:東京を離れる時くらいだと思いますから、5,6年ですかね。
藤原:せっかく慣れてきた時に、大阪への辞令ですか?
萩田:・・・・。(笑)
辞表を出してでも、譲れないこと
藤原:ん、どうしました?
菅:いや、ずっと付き合っていた人と結婚することになって、その人が関西勤務だったんです。
藤原:あー。
菅:遠距離恋愛はいいけど、遠距離新婚夫婦は流石に。。。で、当時、直属の上司だった萩田さんに「大阪に異動させてもらえないなら、会社辞めます!」って言ったんです。
藤原:えーーーーーっ!入りたいとか、辞めるとか、忙しい人ですね。(笑)
菅:ほんとですね。(笑)
藤原:どうされたんですか?萩田さん。
萩田:すぐに異動させました。
藤原:あははは。(笑)天塩にかけた、初の営業ウーマンが辞めるとなれば、萩田さんもダメージ大きいですよね。
萩田:大き過ぎますよ。(笑)こりゃ、なんとかしないとって。
藤原:もし、もう少し東京でって、言われてたら、本当に辞めてました?
菅:もちろんです。
萩田:辞表がポケットに入ってそうでしたよ。
藤原:あははは。で、今、大阪ではどんなお仕事を?
母だからこそ。営業+ブログ店長+イラストレーター
菅:香粧品と機能材の営業です。
萩田:あと、イラストも描いてもらったり、ブログの管理とかもしてもらってます。確か、どこ展が始まった頃から社員プロフィールのイラストを描いてくれてるよね?
菅:そうですね。昔、イラストレーターになりたかったんです。
藤原:あー、どこ展や岡畑興産ブログに出てくる社員さんの似顔絵ですよね?
菅:そうです、それです。ツミキでも賞をもらいました。
藤原:似顔絵が上手かったで賞?(笑)
社長:「ゆめしごと」という賞(ツミキ)ですね。イラストレーター志望だった菅さんが、営業コンテンツ用の社員似顔絵を描いてくれています。本業ではないけど、小さい頃の夢を仕事にした、「ゆめしごと」賞。
藤原:そこも賞ですか?休んでフランス行っても、山を早く走っても賞をもらえる会社。いい会社ですね。(笑)
今度、阪神が優勝したら、私のイラストを是非お願いします。
菅:優勝したらですね?巨人が優勝しますけど。(笑)
取材時:2024年9月18日 (※はい、巨人が優勝しました。。。。。泣)
萩田:あと、育休後から、ブログ店長もやってくれてるんです。
藤原:ブログ店長?
菅:簡単に言えば、社員が書いているブログの相談事にのったり、スケジュールを含めて取りまとめみたいなことをしてます。
社長:ブログ店長になってから、社員のブログ記事アップのペースが確実に上がったよね。
菅:上司の山田さんに協力してもらいながら、納期管理はしっかりやってます。例えば、原稿担当者の社内スケジューラーに直接、私が納期を書き込んで「見える化」して、追い込んでいます。(笑)
藤原:原稿スケジュールのプレッシャー・・・わかります。(笑)
菅:それでも出てこない人や書けない記事は、私が引き取って、書いてしまう時もありますね。
社長:納期を守る、守らせる。流石ですね、超納得。
育休後、人生の大切なことに気付く
藤原:育休取られたんですね。
菅:息子が1歳になるまでの1年間です。
藤原:育休明けの子育てと仕事の両立はどうでしたか?
菅:まず、育休明けに感じたのは、今までは誰かのために仕事しているという感覚がなかったんですが、それが子どものために仕事を頑張ろうって、強く思うようになりました。
藤原:子どもファースト?
菅:家族ファーストですね。
藤原:あー、失礼しました。(笑)
菅:子どもは子どもで、小さいのに親から離れて保育園で頑張ってくれていますし、夫は夫で家族のために、ほんと頑張ってくれていますから。
藤原:家族への感謝から来る「やる気」ですね。
菅:もちろん、今もお客さまのためによい結果を、とは思ってますけど、子どもや家族の時間を会社のために使っているという感覚が目覚めて、だったら、家族のためにも、お金を稼がないといけないなって、感じるようになったんです。
藤原:生活のために働くという表面的なものではなくて、家族の幸せのために働くという内面的なことですね。
菅:育休とるまではそんなこと思ったこともなかったのに、子どもの力ってすごいですね。
藤原:今はどうですか?子育てとお仕事の両立という面では?
家庭と仕事の両立は、夫婦両面で成り立つ
菅:両立って、会社の制度や配慮だけでは難しいと思うんです。
藤原:というと?
菅:私の場合、両立が出来ているのは、夫が会社の在宅制度や極端なフレックス制度をフル活用してくれてる両面の協力があってこそ、可能にしてくれているんです。
藤原:極端なフレックス制度って、何ですか?
菅:彼は7時半出社の16時半退社なんですね。私は9時出社の17時半退社。これは、私たちにとってはとても大きくて、朝は私が子どもを保育園に送れるじゃないですか?
藤原:二人の生活時間を最適化してる感じですね。
菅:そうなんです。だから、夜の食事を家族で一緒に食べられるという家族の環境が生まれるんです。これが平日で、土日のお休みは3人の時間を目一杯作って、家族の時間を出来るだけ作る。そのために平日を必死で頑張ってる感じですね。
社長:そういうことかー。うちは、思いっきり柔軟に、自ら働く時間と場所を選べるようにしているつもりだけど、パートナー側のサポートもほんと大事なんだ。勉強になります。
藤原:子育てだけじゃなく、介護とか家と仕事の両立って、人それぞれに合った両面のサポート体制が必要ということですものね。
社長:私は、主体的に子育てしてるわけじゃないですけど、「子育て+親の世話」の二刀流に片足突っ込んでる身としては、子育てしてようがしてまいが、仕事は仕事という論理も分かっていたつもりでしたが、今の話を聞いて、ハッと目が覚めた感じがしました。
藤原:ほんと、そうですね。
“可処分時間”の短さを集中力でカバーする
社長:菅さんのケースは、子育て世代特有の“時間の有限性”、“可処分時間”の短さの話だと思うんです。子育て期は、ライフステージの中で、可処分時間が最も少ないんですよ。時短社員が、定時に帰社するために発揮する夕方の集中力とか、週末は子どもにAll-Inなので「その仕事は週末にやろう」的余地はゼロな精神状態なんですよ。
藤原:独身世代、子育て世代、介護世代、人生の過ごしている時間って、人それぞれ違うので、それぞれの時間感覚は確かに変わってきますね。
社長:親の世話しつつ仕事するときは、時間も精神もキツいです。ライフステージに合わせて、やりくりできる時間=“可処分時間”は、めちゃくちゃ変動するのを実感しますし、共働き、子育てや介護をしている社員が普通にいる今、この“可処分時間”を当たり前に「お互い理解し合おう」という話なんですよね、きっと。
当人たちは、周囲の理解に甘えてもいないし、むしろすごく集中しています。時間貢献というより、仕事で勝負しようとしてます。
菅:おっしゃる通り、「1日」という目線も「時間」という目線も仕事する上ではすごく意識してます。
藤原:時間ですか?
菅:例えば、1時間で終わるって言いながら、長引いてしまう会議とか。
藤原:ダラダラしがちな会議ありますね。(笑)
菅:長時間かけてるから引き出せるいい意見や、ダラダラから出てくる良いアイデアもあることは理解出来るんですが、あと10分早く会議が終われば、メールを2本書けて、帰社出来るのにっていう現実があり、そういうなんとも言えない葛藤は常にあるんですよね。
藤原:忙しい人や管理職の人ほど、時間の感覚が無くなりがちで、問題解決するまで会議が終わらないというのは、会社あるあるですね。
菅:私みたいな人にとっては、そこがほんと葛藤なんです。特に時短の時は、その葛藤がすごく大きかったです。
藤原:というと?
菅:時短勤務とフルタイム勤務って私の場合は1時間も違ったんです。
藤原:「1時間も」なんですね。
母の10分、社員の10分
菅:やってみて気付いたのですが、1日1時間短いだけで、気持ち的にこんなにも違うというか、その1時間が私のバッファーだったんですよね。だから、時短なりに仕事量も減らすとは言え、バッファーゼロで仕事していると、息継ぎする暇なく、次から次へと仕事が来るような感覚ですし、こっちも積極的にこなさないと時間が足りないんです。
だから、1時間の予定の会議が10分押すたびに、「キーー」ってなってました。(笑)
藤原:いや、これは言われないと気付かないですね。特に我々世代は、あ、10分オーバーしたかなってくらいに思ってしまいます。
菅:10分は大きいですよ。「私の仕事の10分」と「私を待っている子供の10分」は雲泥の差があります。そこが「キーー」ポイントですね。
藤原:「keypoint」ですね。(笑)
菅:・・・・。
藤原:すみません・・・。目線が違うと同じ時間でも全く感じ方が違うんですね。岡畑興産は違う意味でもタイパを意識されてる人が結構多いですね。
菅:私は超タイパ思考かもしれないです。
藤原:出張の場合とかはどうしてるんですか?
菅:2,3日くらいなら、夫と相談しながらなんとかしてますが、長期間は流石に行けないので、そこは会社が配慮してくれてます。
萩田:上司が共働きの子育て世代だから、その辺りは理解してるというのもあるかもね。
社長:ほんと、菅さんは育休後にいろんな面で変わったよね。
菅:そうなんですか?人に言われないとそういうことってわからないですね。(笑)
次の世代のために無理をしてはいけない
藤原:子どものためにという意識はすごく理解出来たんですが、他に意識してることってありますか?
菅:「無理しすぎてはいけない」ですかね。育休前みたいには、バリバリやれないですし、夫婦で協力しながらギリギリで頑張っているので、一つのズレで私たちのバランスが壊れる気がするんです。
藤原:なるほど、無理すると、どこかで綻んでしまうと怖いですよね。ある意味、リスクマネジメント的な感じですね。
菅:私は、夫自身や夫の勤める会社の制度のおかげもあって、比較的普通に仕事ができているけど、そうじゃないケースもあり得るし、次に続く人のためにも、続けられる形、無理し過ぎない形にしないといけないと思ってるんです。
藤原:次の後輩のことまで考えているんですね。すごいです。
菅:さっきの内面的の話ではないですが、育休に入る時に、「色々と迷惑をかけてすみません」的なことは言いたくなかったんです。
悪いことをしているわけでもないですし、今、私が言ったら次に時短する人も言わないといけなくなる風土にはしたくないですからね。
藤原:なるほど、後輩のことまで考えてですね。こういうことが当たり前になればいいということですね。
育休復帰後の野望
菅:私は営業での先駆者になれないので、育休復帰社員の先駆者にはなれるかなーとは思ってます。
藤原:その割り切りもいいですね。やっぱり、それもこれからの後輩のためにですね?
菅:復帰して気付いたんですけど、結構、若い女性社員がたくさんいて。(笑)10年でこんなに?っていうくらい。
その若い女性後輩社員たちを見てると、「10年も仕事をしている菅」って思われてるなって、意識し始めるようになって、今まで全く意識していなかったんですけど、私自身が育休復帰社員のキャリアのロールモデルになれたらいいなとは思いました。
藤原:そういう先輩がいると、次に続いていきますよね。ロールモデルがいることは、良い会社の大事な要素だと思います。
菅:「菅さんだからできる働き方」、「主人の協力があるからですよー」と後輩に思ってもらいたくないんですよ。それは違う。組織として、チームとして、そういう働き方を可能にしている、そんな場所にしたいなとは思います。
藤原:会社と後輩の先を見てる感じがすごくいいですね。将来、お子さんのことも落ち着いて、海外赴任して、って言われたらどうします?
菅:大阪転勤の恩もありますし、総合職なので、断らないかもしれないですね。そこで、新しいロールモデルを作れるかもしれませんし。それに、きっとそういう新しい環境も会社が整えてくれると思います。(笑)
藤原:整えそう。(笑)
萩田:整えます。(笑)
藤原:海外志向はあるほうですか?
菅:後輩たちは結構、海外思考が強かったり、やりたいことが明確みたいですけど、私はそこまでないかもしれないですね。
藤原:そうなんですか?意外です。
最後に、辞めることなく、復帰してまで10年働いてみて、岡畑はどうですか?
辞める理由が見当たらない“岡畑興産”
菅:一緒に働いてくれていた人たちの“人間性”にも助けられたし、岡畑が持つ独特のカルチャーは、嫌いじゃないです。
藤原:それは、何人もインタビューしてきてすごく感じます。
菅:岡畑興産は決して、完璧な会社じゃないですけど、いい人しかいないというか、足を引っ張る人がいなんですよ。変な言い方ですけど、この仕事が好きだから岡畑にいるというより、「辞める理由が見つからない」です。
藤原:なるほど、いい言葉ですね。 (っていうか、萩田さん泣いてますね)
菅:(ですね。(笑)さっきも泣いてましたよ)
藤原:(そうなんですか?気付かなかった)
菅:(保育園のお迎えの話の時に)
萩田:いやー、だめだ、10年が走馬灯のように。。。。
藤原:色々とあったんですね、ここまで来るのに。あ、すみません。時間が30分もオーバーしてしまったので、そろそろ終わりましょう。多分、キーーって、なってると思うので。
菅:あははは、なってませんよ。(笑)藤原さんのインタビューは時間通りに終わらないって聞いているので、想定内のスケジュールです。
藤原:すみません、昔の人間なので、答えが出るまで終われないんです。
菅:あははは。知ってます。
藤原:あははは。参りました。今日は長時間、ありがとうございました。
菅:こちらこそ、楽しい時間ありがとうございました。
岡畑興産では「海外国内問わず、家族と共に活躍したい未来のお母さん」を絶賛募集中です!
社員の生活環境には配慮しまくるので、いつでも、ご連絡ください。
次回は岡畑イチの酒豪、いや、トップセールスマンである吉江さんです!
営業の極意?いや、お酒の飲み方の極意?何が飛び出すか、ぜひお楽しみに!