こんにちは、岡畑興産のこじろうです。
海外との輸入、輸出取引において、輸送はとても重要な役割を担っています。
メジャーな輸送手段として、海上輸送と航空輸送がありますが、それぞれの特徴やメリット・デメリットはご存じでしょうか?
どちらも世界中に荷物を届けることができますが、それぞれの特徴を理解して利用しないと、荷物が思ったとおりに届かない、予想以上に費用がかかってしまったなど、アクシデントに繋がってしまいます。
今回は、海上輸送と国際輸送の違い、メリット・デメリットと、輸送手段を選択する際に注意したいポイントをご紹介します。
目次
海上輸送と航空輸送の特徴は?違いを比較
国際輸送には、大きく分けて2種類あります。
船を利用して運ぶ「海上輸送」と、飛行機を利用して運ぶ「航空輸送」です。
まずは、それぞれの輸送の特徴や違いを見てみましょう。
海上輸送の最大の特徴といえば、荷物を大量に運ぶことができること、そして航空輸送と比べ、運送費用が安いことが挙げられます。
また、運べるものの重量や大きさに制限がないので、輸送能力が高いのも特徴です。
輸送の種類は荷物のボリュームに合わせて、コンテナ混載便と言われる混載便、コンテナに荷物を詰めて運ぶコンテナ輸送を使うのが主流です。
コンテナ輸送は一度に大量の荷物を運べるため、貿易や物流の発展に大きく貢献してきました。
一方、航空輸送の場合、運べるものの大きさや重量に制限がありますが、運ぶ「早さ」が最大の特徴といえるでしょう。
その分、運賃は海上輸送より高くなり、量にもよりますが約5〜7倍といわれています。
また、環境への負荷についても理解しておきましょう。
一般的に、航空輸送と比べ、海上輸送の方が環境負荷は低いと言われています。
しかし、どちらも環境保全が求められる中、各輸送業者が研究開発に取り組んでいます。
海上輸送は、CO2排出削減に向けた取り組みとして、段階的に目標設定し、環境負荷の低い輸送燃料や脱炭素エネルギーの研究などが加速して進められています。
同様に、航空輸送業界でも再生可能エネルギーを利用した持続可能な燃料の研究開発や、機体の軽量化、エンジンの効率化などを進めています。
どちらも地球の環境を守るための努力がされており、今後の発展に期待したいですね。
海上輸送のメリット・デメリットは?
最大のメリットは、なんと言っても、大量の貨物を運べることと、運賃の安さです。
一度に大量の輸送をするほど、製品1個あたりの運賃を低く抑えることができます。
また、海上輸送では、航空輸送で禁止されている危険品を運ぶことができるので、危険品を扱う企業にとっては、大きなメリットと言えるでしょう。
デメリットは、航空輸送と比較すると輸送日数が長いことと、物流の動きが不安定な点があります。
出港地から到着港まで、基本的にはスケジュールと航路日数が決まっていますが、海上の天候や港の混雑状況、国際情勢などによって、スケジュールの遅延や、輸送困難になってしまうことが起こり得ます。
輸送距離が長くなるほど、そういったリスクがあることを理解しておきましょう。
また、温度湿度といった環境変化の大きい地域を長く輸送する場合は注意が必要です。
輸送中、コンテナは常に外気、日射にさらされ続けます。
そのため、一般的に利用されるドライコンテナでは熱による貨物へのダメージの可能性もありますので注意が必要です。
海上貨物で冷蔵や冷凍で輸送したい時はリーファーコンテナと呼ばれる特殊コンテナを使用します。
航空輸送のメリット・デメリットも確認
航空輸送の最大のメリットは早さです。
輸送日数はもちろんですが、荷捌きや輸出入の通関にかかる時間も海上輸送に比べてスピーディーですので、緊急時にはとても有効な輸送手段といえます。
また、天候などにより遅延のリスクはあったとしても、一度遅延するとスケジュール回復が難しい海上輸送に比べ、回復は早いです。
航空輸送は貨物室の温度は基本的には4~27℃程度の間で保たれているため、空調管理が必要な生鮮食品や医薬品、精密機械を運ぶのにも適しています。
医薬品の中でも特に厳密な温度管理が必要なものは、高額になりますが保冷機能のついたコンテナを利用することもできます。
デメリットとしては、輸送費用が海上輸送に比べ高額になることです。
また、スペースの関係で、貨物の大きさや重さに制限があり、一度に大量の貨物を輸送するのには向いていません。
危険品など規制により航空輸送できないものもあります。
海上輸送と航空輸送どちらがおすすめ?注意点もご紹介
コストとスピード、どちらを重視するかによって、どちらの輸送方法にするか決めることがほとんどですが、トラブルが起きないよう適した輸送手段を選ぶことが大切です。
どちらの輸送方法を選ぶべきかは、かけられる費用や時間、距離がポイントです。
十分な在庫と、発注されてから納品までの納期に余裕がある場合、取扱いが一般的なものであれば、基本的には海上輸送を使いましょう。
一番コストメリットが高いです。
逆に、納期に余裕がなく、確実に届けたい場合は航空輸送を選びます。
ただし、輸送日数が短い海上輸送と比較した場合、スピードにおいて、必ずしも航空輸送が有効というわけではありません。
貨物は空港に到着したけれど、通関に必要な輸入書類が揃わず、納品が遅れた!保管料が発生した!など、結局、海上輸送と納期は変わらず、余計なコストがかかってしまったというケースもあります。
航空輸送は内陸部への輸送にも向いています。
最寄りの空港まで航空輸送をすれば、空港から納品先への陸路輸送の期間や費用は海上輸送より抑えることができます。
港や空港から最終仕向地までの輸送距離や輸送手段も考慮するポイントです。
費用については、こちらのブログで高騰する輸送費の状況と物流コストの削減方法を紹介していますので、ぜひ覗いてみてくださいね。
物流費・輸送費が高騰している理由は?最新の状況や今後の予測も解説
海上輸送・航空輸送の注意点
輸送に合わせ、通関の準備も整えておく必要があります。
危険品を輸送する場合、まずは、輸送する製品のSDS(安全データシート)を入手し、輸送規制や法令許可の必要有無などを確認しましょう。
輸入できない!輸入許可に時間がかかった!などのトラブルを防ぐことができます。
また、危険物の貨物へ貼るラベル、ケースマーク、包装容器の種類なども規定があり輸出入地それぞれの国の危険品の規制もあるため確認が必要です。
そして海上輸送できる危険品でも、製品によっては、普通品とは違う申請をしなければなりませんので、やはりSDSを確認する必要があります。
危険品を輸送する際は、こういった知識が豊富な乙仲(海貨業者)やフォワーダー(国際輸送分野の貨物利用運送事業者)に相談するのがよいでしょう。
海上輸送と航空輸送の違いを比較し、適した手段を選ぼう
海上輸送と航空輸送、どちらもメリット・デメリットがありますので、適した輸送手段を選ぶことが大切です。
海上輸送は一度に大量の貨物を運べるため、輸送コストが航空輸送よりも安くなります。
しかし、その分、輸送日数がかかり、遅延のリスクなどもあります。
一方、輸送費用は海上輸送より高くなりますが、緊急時や確実に納期に届けたい場合は、輸送日数が短く、遅延リスクの低い航空輸送を選ぶのがよいでしょう。
ただし、危険品など、それぞれで輸送できないものもありますので注意が必要です。
今回紹介した輸送方法を選ぶ際のポイントのように、単にコストとスピードだけの比較ではなく、輸送に関わる手続きや最終納品場所など、総合的にみて選んでいくのよいでしょう。
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