こんにちは、岡畑興産のこじろうです。
皆さんは、りんごと聞いて何を想像しますか?
iPhoneやMacBookのアップル社を連想する方が多そうですが、残念ながらくつナビネタ的に扱わない路線です。
それとも椎名林檎?王琳ちゃん?芸能人を連想される方もいるでしょう。
私が連想したのは、アップルレザーです!
りんごから作られるアップルレザーを、聞いたことがあるでしょうか?
実は近年環境を考えた商品が増えていることで、アップルレザーに注目が集まっています。
今回はアップルレザーについて、どんな特徴や魅力があるか、どう作られているのかを、詳しくご紹介していきますので、ぜひ興味を持った方は取り入れてみてくださいね!
アップルレザー(アップルスキン)とは?製造工程もご紹介
アップルスキンとも呼ばれる、りんごから作られるレザー商品「アップルレザー」。
現在、SDGsの達成に向けて、さまざまな業界でサスティナブルな取り組みが行われていますよね。
アップルレザーは食品ロスや廃棄問題を背景に、りんご農園やジュースの生産工場からでる食品廃棄物(フードロスの問題)を解決したいという想いから開発が始まりました。
原料は農場での廃棄りんごやりんごジュース用に搾った後の残りかす(皮、芯、種)など、今まではごみとしていたもの。
リンゴレザーはまさにアップサイクルとして生まれ変わった人工レザーであり、脚光を浴びる靴素材の1つであるヴィンガンレザーです。
ヴィーガンレザーとは、動物の皮を使用せずに革の見た目・質感を再現した素材で、主に基布に合成樹脂を塗って制作されるもの。
ヴィーガンレザーは石油由来材で制作されたもの、植物由来のものとありますが、アップルレザーは植物由来のレザーに属します。
ヴィンガンレザーについては以下のブログも参考にしてくださいね。
ヴィーガン材料とは?その種類や靴に使うメリットを詳しくご紹介!
例えば、りんごジュース用に絞られたりんごの残りかすは元のりんごから約25%も発生しており、その中には高い含有量の短繊維とポリマーが含まれています。
そういった材料を有効活用し、本来は捨てられるはずのものに新たな価値を与えて再生する「創造的再利用」の発想でアップルレザーは開発されました。
製造工程としては、素材を乾燥させ、細かく粉砕しパウダー状にし、ベースとなる基布に混ぜ、また表目塗装面のポリウレタン溶剤と混ぜることで作られていることが多いです。
アップルレザーは既に海外、日本国内といくつもの製品があるため、この製造方法はあくまで1例で、各社での方法は異なります。
ほとんどのアップルレザーは、アップル含有率が20~30%となっています。
アップルレザーの特徴や魅力とは?
アップルレザーは、性能としては既存のヴィンガンレザーと性能差はありませんが、食品ロス、廃棄問題、環境負荷軽減と地球への恩恵は大きいといえるでしょう。
アップルレザーはどんな商品に使われている?
この魅力的なアップルレザーはどんなものに使われているのでしょうか?
当然ですが、天然革の代替えとして存在しますので、基本は革製品全般の天然革の代わりとして使われており、すでにファッション雑貨としてバックやシューズに活用されています。
皆さんが使っているバックやシューズは、実はアップルレザーなのかもしれませんよ。
耐久性が高いので、シューズでもメインとなるアッパー素材に使われていたり、丈夫さが求められるリュック、財布などで使われることが多いようです。
有名な話題としては英ブランド「ステラ・マッカートニー」で採用されています。
また、日本でも人気のドイツの自動車メーカー「フォルクスワーゲン」の2019年に発表した電気自動車シリーズにシート素材に使用されるなど、世界的に天然革の代わりとして、サスティナブルの観点で採用の広がりを見せています。
アップルレザーの特徴・魅力を知ってぜひ検討を!
皆さん、アップルレザーについて、色々わかっていただけたでしょうか。
地球環境、廃棄物や食品ロス問題、様々な問題に対して向き合うことで、地球に優しいアップルレザーが誕生しました。
環境に良いだけでなく、耐久性や通気性にも優れ、ソフトで軽くさらっとした手触り、伸縮性があるのも魅力です。
アップルレザー以外にも、サトウキビやトウモロコシなどバイオマスベースの素材で製品化されているものはたくさんあります。
今後も研究により、耐久性や利便性も従来のものと比較し遜色ないものとなっていくでしょう。
すでに皆様の身近なところで使われ始めています。
チャンスがあれば、ぜひ手に取ってみてくださいね。
今回はここまでです。
また次回の投稿でお会いしましょう〜。
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※岡畑興産株式会社は、化学品事業と靴受託事業が連携し、機能性素材の材料開発・用途開発を進めています。