こんにちは。
靴のOEM商社「岡畑興産」のこじろうです。
世の中にあふれている合成繊維。化学繊維の一つで、幅広い商品に使われています。
合成繊維とはなんなのか、どんな種類があるのか、天然繊維との違いはどんなところかなど、気になる点はたくさんありますよね。
今回はそんな合成繊維について、詳しくご紹介していきます!
目次
合成繊維は化学繊維という分類の中の1種!種類や特徴をチェック
化学繊維は以下の4つに大別され、合成繊維は化学繊維の分類の1つを指します。
- 半合成繊維
- 再生繊維
- 無機繊維
- 合成繊維
半合成繊維は天然の高分子物質を化学的に処理して形を変え、繊維にしたもので、合成繊維と再生繊維の中間的なものです。
再生繊維は天然高分子化合物を原料にそれを溶解してから紡糸したもので、レーヨンやキュプラなどが代表的。
無機繊維は無機物からできた繊維のことで、一般的に樹脂や金属の強化繊維として使われることが多いです。
合成繊維は、主に化学的プロセスにより石油などから合成・製造される繊維の総称で、「人造繊維」とも呼ばれています。
強度、耐水性、耐薬品性、防徽性など優れているのが特徴で、形状や製法を工夫することで、さまざまな断面の形を持つ糸を自由に作ることが可能です。
1938年に初めて製品化されたのがアメリカデュポン社のナイロンで、化学繊維全体の95%を3大合成繊維のポリエステル、ナイロン、アクリルが占めています。
代表的な合成繊維の種類については、さらに詳しくご紹介しますね!
ポリエステル
テレフタール酸とエチレングリコールの縮重合によって得られ、ポリエステル繊維として、テトロンの名前で呼ばれています。
耐久性があり、縮みや伸びに強いのが特徴です。
衣服や靴、シーツやカーテンなどの寝具・インテリアなど、さまざまなファブリック製品に使われています。
ナイロン(ポリアミド)
ナイロンは工業化に初めて成功した合成繊維で、「ポリアミド」とよばれる合成樹脂から作られており、摩耗や摩擦に強く、耐薬品性に優れている繊維です。
ナイロン66とナイロン6が有名で、ナイロン66は世界で初めて作られた合成繊維。
どちらも大差はないですが、ナイロン6はより染色性に優れ、ナイロン66はより耐熱性に優れているという特徴があります。
スポーツウェアや洋服、バッグなどの小物、カーテンなどのインテリア用品など幅広く使われています。
ナイロンの特徴は?メリットやデメリット、ポリエステルとの違いも!でも詳しくご紹介してますので、ぜひご参考ください。
アクリル
アクリロニトリルとアクリル酸メチルなどの共重合体が原料で、羊毛に似た性質をもっており、軽さと暖かさを兼ね備えた繊維です。
毛織物用衣料などに用いられ、セーターやマフラーなどによく使われています。
ポリウレタン
ポリウレタンは、別名スパンデックスと呼ばれる伸縮性のある繊維で、通常イソシアネート基と水酸基を有する化合物の重付加により生成されています。
ゴムのような伸縮性で軽いため、ストレッチ素材として衣類に多く使われており、スポーツウェアなどに適しています。
合成繊維と天然繊維はどう違う?天然繊維の種類や特徴をご紹介
天然素材のものを主原料に使った繊維が天然繊維です。
合成繊維は天然繊維に比べ、強度、耐水性、耐薬品性、防徽性など優れています。
一方、天然繊維に対して吸水性、耐熱性は劣ります。
どちらも一長一短があるということですね。
天然繊維は、原料によって植物繊維・動物繊維・鉱物繊維の3つに大別されます。
植物繊維
植物繊維の主原料はもちろん植物です。
コットンは最もポピュラーな植物繊維で、紀元前2500年頃から存在していたとされています。
花が咲いた後にできるコットンボール(実)が成熟し、はじけて中から白い綿繊維があふれ出したものが綿(綿花)です。
そのほか、麻を加工したリネンなどがあります。
動物繊維
シルクやウール、アルパカ、アンゴラ、モヘア、カシミヤ、ラクダなど動物の毛などから作られているのが動物繊維です。
自然環境の中で生き抜く動物由来の素材なので、保温性や保湿性に優れています。
シルクは古来より繊維の中でもっとも美しいものとされており、蚕の繭から繰り取った糸を生糸から作られます。
1粒の繭から約1500mくらい、とれるようです。
合成繊維のナイロンは、絹の代替品として作られました。
身近な素材であるウール(羊毛)は縮みやすく虫害にあいやすいデメリットはありますが、保温性が高く、伸縮性、弾力性に優れています。
鉱物繊維
主原料は鉱物質で、天然の鉱物から得られるアスベストなどの石綿(いしわた)が有名です。
合成繊維・天然繊維、それぞれのメリット・デメリットとは
合成繊維と天然素材、それぞれのメリットデメリットも見ていきましょう。
合成繊維のメリット・デメリット
化学繊維は太さが均一な長い糸が作ることができるため、綺麗な生地に仕上がります。
機能性の付加、取扱いやすさなどからニーズや用途も広がっています。
【メリット】
- 大量生産が可能で、安価に製造できる
- 糸の形状加工もしやすい
- 染色しやすく、豊富なカラーを展開できる
- しわになりにくく、型崩れしにくい
- 縮んだり伸びたりしにくい
【デメリット】
- 帯電しやすく、静電気が発生しやすい
- アレルギー反応が出ることがある
- 帯電するため、ほこりや花粉まど付着しやすい
- 熱に弱いので、アイロンがけが難しい
- ナイロンなどは紫外線に弱く、黄変しやすい
- 経年劣化が天然素材と比較して早い
天然繊維のメリット・デメリット
絹を除いた天然繊維は、短かい繊維を撚り合わせて一本の長い糸にする「紡績」という工程を行います。
短い繊維を合わせて作るため、一本の糸の中で太さ・形状が不均一になり、天然繊維ならではの味わい深い風合いになります。
【メリット】
- 自然な風合いが見た目、質感ともに良い
- 上質なリネンは肌触りが良い
- 静電気が発生しにくく帯電しにくい
- 帯電しにくいので埃が付きにくく、落としやすい
- 通気性があり、乾きやすい
- 使うほどに風合いがでる
- 丈夫で長持ち
【デメリット】
- 加工に手間がかかり、高価になる
- 糸のつなぎ目がある
- 湿度に応じて伸縮する
- シワになりやすい
- 遮光には向いていない
合成繊維の特徴や種類、天然繊維との違いを知って使い分けを!
合成繊維は化学繊維の分類の1つ。
主に化学的プロセスにより石油などから合成・製造される繊維の総称で、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン、ナイロン(ポリアミド)といった種類があります。
合成繊維と天然繊維にはそれぞれメリットデメリットがありますが、用途や外観風合いの好みに合わせて使い分けることができますね。
技術の向上により、これからも新しい合成繊維が生まれる可能性も楽しみです。
合成繊維は靴の色々な部分に使われており、私たちもイノベーションに敏感に、新しい素材の開発や採用に取り組んでいます。
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