こんにちは、岡畑興産のたなかです。
くつナビでは、これまで「靴は木型(ラスト)が命」と伝えてきていますが、実は型紙(パターン)も大事なのを知っていただきたく、今回のテーマにさせていただきました。
型紙は靴の設計図と言えるくらい靴には大事な部分で、型紙が悪いと、どれだけ良い木型を使っても良い靴にはなりません。
今日は少しでも靴の型紙の作り方を知っていただければ幸いです!
型紙作りに必要な道具や手順を詳しくお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
靴の型紙(パターン)作りに必要な道具は?
靴の型紙(パターン)を作る際には、以下の道具が必要です。
・木型(ラスト)
・マスキングテープまたは透明なシート
・ペン
・メジャー
・カッター
まずはこの5つがあれば、大丈夫です。
なお、木型には種類があります。
以下のブログもチェックしてみてくださいね!
靴の木型にはどんな種類がある?寸法の特徴もご紹介では、設計図となる型紙の作り方についても、確認していきましょう!
靴の型紙(パターン)の作り方をご紹介
型紙(パターン)作りは、以下の工程で進めていきます。
①アッパーにテープを貼り付ける
最初に、木型のアッパー面にテープを貼りつけます。
②センター線を引く
テープを貼った後、センター線を引きます。(爪先側と踵部部分)
この状態が出来上がったら、それは絵を描く前のキャンバスと同じような状態です。
③テープの上にデザインを描写
テープの上に製作したい靴のデザインを描きます。靴は内外対称に作るのが基本、そのため外側にデザインを描きます。
モカ線などは内側外側で線が変わるため、内側も描きます。
その後、外側と内側を合体させます。
合体させたパターンの画像の、赤線が外側で緑線が内側です。
下部はそのままの線を活用します。
下以外は赤と緑の真ん中に線(点線)を描きます。
この点線部が、型紙の横型となります。
④写しをして仕上げる
その後は、順番ではないですが以下のように仕上げていきます。
写し方の種類もありますので、ご説明します。
爪先パーツ(赤線)
センター線を中心として反転させて、写します。
その際にモカ線と一番外側の線は内側と外側の線を取ります。
羽根内外パーツ(赤線)
センター線は関係ないパーツです。
赤線の様に製作します。
踵例パーツ(赤線)
センター線を中心として反転させて、写します。
靴の型紙(パターン)の作り方のポイントもチェック!
靴の型紙(パターン)は、立体の木型から平面の型紙を作り、さらにその後の縫製でまた立体にする必要があります。
立体にすることを考えながら作らないといけないため、、技術や想像力が必要です。
本来は、お伝えした革靴のパターンのように、平面ではハトメの部分が重なることで立体になったときに良いシルエットが出せますが、靴の種類によっても型紙の作り方は異なります。
例えば、スポーツシューズでよく使われるフィルムとメッシュに、「No sew」と言われる熱圧着工程を入れるか入れないかでも、型紙は変わります。
今回型紙の作り方をご紹介したのは表のパーツのみですが、靴半面型を製作した後は、細かいパーツ製作を行い、裏材や補強材も同様に展開して製作します。
そしてできあがったパターンで作ったアッパーが下記の画像です。
型紙を作るには基本のルールがあり、それに則って応用していけば、サッカースパイクでもゴルフシューズでも、どんな靴でも作ることが可能です。
靴の型紙(パターン)の作り方を知って靴作りの知識を深めよう
靴の型紙(パターン)は高度な技術が必要で、奥深いことが少しでもわかっていただけたら大変ありがたいです。
皆さんも、いま履いている靴やお気に入りの靴を眺めながら、この靴はどのような型紙でどんなパーツで構成されているのだろう?なども考えはじめたら、もっと靴のことが好きになるかもしれませんよ。
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※岡畑興産株式会社は、化学品事業と靴受託事業が連携し、機能性素材の材料開発・用途開発を進めています。