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岡畑の熱い人々

OKAHATA PEOPLE

2024.08.01

社長の○○

今しか書けない、父の話:Part-2

  • #ONL
  • #社長が書いた

【Okahata News Letter37号(2024年7月)抜粋記事】

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自信満々な父と、イマイチな自分

父のことは、最後の最後まで、さっぱり理解できませんでした。「嫌な思い出しかないけど、感謝しかない」と言ったのは弊社役員OBですが、それ以上に適切な表現が見当たらない。

父の経営は:
圧倒的な自信に支えられていた(ように、僕には見えていた)。やりたいことが明確で、悩みは一切見せず、やれるまでやる・やれ。(やれないのはお前がバカだと言わんばかりな)不敵な笑みは怖くもあり、カッコ良くもあった。

こちらに牙が向けられる度に、「それは違う」と反抗し返り討ち、社長室を出てThinkPadを床に叩きつけるザ不機嫌な時代。やっぱ、嫌な思い出しか、ないっすね笑。

一方、岡畑典裕は:
僕は、今でも劣等感の中で生きている人なので、中国駐在時代(30代)は、完全なパラノイア状態。取引先の海千山千、年上の敏腕総経理の皆さんと対等に渡りあわねばならない、という勘違い・妄想に取り憑かれ、面談会食の度に、いただいた時間に見合う価値を出せないことにビビりながら準備していた。劣等感が先に立つので、学び続けないと、心配で心配で。夜な夜な、経営書を乱読独学することで、きっと大丈夫だって言い聞かせていました。

そんな私のバイブルの一冊:「パラノイアだけが生き残る」(インテルの創業者のひとり、Andy Groveの名著)

もうお分かりの通り、この父子は、相性が悪い。見た目が似ている分、タチが悪い涙。

この父子は、とても似ていて、似ていない

似ていること:
①:“差別化、新しいこと固定概念に囚われないこと”が好き。

②:海外から学ぶ姿勢:海外には、日本にはない、すごいプロダクトやシステムが存在しているという信念。

③:本が好き、書くのも好き。
僕が学生の頃から、家には身近にドラッカーや、ビジョナリー・カンパニー本があったし、岡畑興産には“書く文化”があった。

これだけ飛躍の素地を与えてもらって、父の存在を足枷だと思っていた自分が情けない。今は、ほんと、感謝しかない。

似ていないこと=変えていくべきこと:
父のやり方には「それは違う」と思うことも多く、その違和感を突き止め、自分らしい経営の型に歩みを進めるために師事した最初の師匠は

新 将命先生、
その名署「経営の教科書」と原理原則の話:

新将命(あたらし・まさみ)先生からの学びはいくらでも語れるのですが、今、ずっと影響を受けている考えは↓

A「どうなりたい」を形にしたDirectionと、増え過ぎるキャッチ:
会社の進むべき道=旗印を示し続けよ、とは新先生の教え。

Okahata Direction: (2018年)
は、新先生に作ってみなさいと後押しされたものですが、タイムレスにどっしり構えるDirectionの対極が、ONL ごとに変わるキャッチ(変えすぎ?)。デジタル三河屋、イノベーションに食らいつけ、イノベ型商社、今月号は、靴受託こそクリエイティブ。新しいキャッチを叫び続けるのは、旗印をその時その場所からupdateする試みであり、実験なのです。

 
B経営の原理原則:教科書経営

受験勉強だと、志望校の傾向と対策が当たり前。経営でも、目指す組織像に合った原理原則=教科書を参考に教科書経営するべし

少なくとも、独学よりも成功率は高い。(経営という怪物は、独学つまみ食い位で太刀打ちできる相手じゃないというのは個人の感想です笑)

父子の話に戻せば、理想像が違った父の完コピ経営では、全くうまくいくはずがない。経営が変われば、参照すべき原理原則=参考書も変えていくのは、当たり前でしょってことになる。

新しいチャレンジを始める時も、まずは教科書探しから。
世の中、新しい=難しいって思っている人が多いけど、“新しい”のは、その人にとってだけ。その分野で既に成功している先達=お手本は存在するのだから、新しい難しいと言う前に、教科書をチェックしない手はない。

弊社の“コンテンツ営業”、“イノベ型商社”、“出口探し”的 (PMFを作る、0→1的な)開発営業も、SEOの本や、ベンチャー企業の営業セオリーを何十冊も読み込んで、めちゃくちゃセオリー通り、進めています。

2025年春オープンの弊社シン・大阪本社の仮コンセプトは、“面白いビジネス、人、情報とアイデアが衝突する場所”。こんな訳の分からんコンセプトでも、ぶっちぎっている先駆者(お手本)がいるから、全然安心

コクヨ
コクヨさんは、「人より先に失敗する」「実験カルチャー」を持つカッコ良い会社。コクヨ川田さん大澤さん、ありがとうございます!

もう一つ大事な、原理原則:

白銀律
(人にされて嫌だったことはするな)

黄金律とは:
他人にしてもらいたいことを人にやりなさい。

白銀律とは:
他人にされて嫌だったこと、人にはやってはいけないよ。

(価値観の押し付けにならない)白銀律の方が優れているというのも大事な原理原則のひとつ。これは、この人↓の著書群から学びました。

ニコラス・ナシーム・タレブ:
「ブラック・スワン」が有名ですが、「まぐれ」、「アンチ・フラジャイル」「身銭を切る」は、何十回読んでも学びのある、経営哲学書。

 
白銀律に則って、父にされて嫌だったことは、止めにすることにしました↓

父の時代から変えたこと:脱“当てっこゲーム”(Guessing Game)

“Guessing Game”とPhil Knight:
何を考えているか分からない父に、提案しに行くのは、ほんと嫌だった。質問の意味さえ分からないのに、父の頭の中にある答えを“当てっこゲーム”。当時の社長室で繰り返された、この不毛で不幸な“当てっこゲーム”は、僕の代では、もう止めにしようと。

ずっと頭にあったのは、
名著「Shoe Dog」でのPhil Knighの言葉。
Don’t tell people how to do things, tell them what to do and let them surprise you with their results.

まずは、Tell them where to goから始めて、僕の頭 の中を、120%オープンに。方向性も悩みも全部書いて、全公開。大事なのは“当てっこ”じゃなくて、次への行動。

それが僕の長い全体会議資料だったり、週報だったりする。詳しくは、書く文化を煽る“書きまくる社長”に。

ご機嫌な時代へ:
リーダーは、修羅場こそニコニコ、頭の中をオープンに

自分マターで、決断を下してきましたが、一番大きかったのは、(あり得ない規模の)特損計上。清水を飛び降りるような決断も、実は、経営の“原理原則”通り。(当時は不安で全く眠れなかったけれど)

「座学1割、上司2割、修羅場7割」とはよく言ったもの。教科書もメンターもなく、修羅場10割だと、今頃どうなっていたことでしょう。。。

今でも続く修羅場のヒリヒリ、この感覚こそが成長の糧。会社も、ず~っと挑戦(とヒリヒリ)を続けているので、挑戦へのハードルが低くなっている。ちょっとコケても、原理原則に立ち返り、ズレ補正すればなんとかなる、自分たちでなんとかしてきた経験/自信/余裕が、うちの会社にも育まれつつある、気がする。

気持ちの余裕=リーダーはニコニコ、方向を指し示し続けるべし:
“Leadership is the art of getting people to go “hell yeah” to do whatmust be done.”
とは、Jim Collinsの“リーダーシップを手直ししたもの。

“リーダーシップとは、なすべきことを、高い熱量で (“よっしゃ~”)やったろうと思ってもらう魔法”

この魔法は、リーダーが自分なりに編み出すしかなくて、僕にはそれが、メモを書くこと、ニコニコ(腕を組まずに)、頭の中を(方向を、アイデアを、迷いを)晒し続けること、でした。

突然届く、長い社長メモ:
会社の成長とともに、初めてご一緒するその道のプロの皆さまとのプロジェクト仕事が増えました。僕をよく知る人は、大迷走(方向転換とズレ補正)しながら、

良いものを作り上げていく僕なりの面倒なセオリー(version20まで練り上げずして、良いものができるわけがないというMy原理原則)にも慣れっこですが、初めての人は、かなり戸惑うみたい。だから、プロジェクトのキックオフや節目、転換期には、メンバーに長~いメモを届けます(コクヨさんには、“コクヨにキクヨ”というタイトルでした笑)。

メンバーの皆さんには、戸惑うより「よっしゃわかった、具体を考えます!」って前のめって欲しいし、「こっちの方が良くない?」と逆提案が飛び交うような展開を作りたい。専門家の皆さんにドンドン前のめり、掻き回してもらって、僕の初期アイデアversion1の跡形さえ残らない、スゴい結果を出したい(きっとそれがversion20)。

最後に

クラシック音楽好きの父に「お前の指揮(経営)はさっぱり意味が分からんが、いい音楽が鳴っているのかもな」と言っていただいたことがありました。

嫌な思い出しかないわけなかった。お褒めのお言葉、ありがとうございました。

父のことはこれでおしまいに。父は十二分に人生を謳歌しました。これからは、母のために少し時間を使おうと思っています。

これからも、変わり続ける、岡畑興産をよろしくお願いします。

最後の最後に

新先生は2022年に逝去されました。新先生の直接指導と「経営の教科書」のおかけで、ここまで来れました。Rest In Peace.どうもありがとうございました。

「経営の教科書」新将命 タイヤモンド社

おすすめです。

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