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岡畑の熱い人々

OKAHATA PEOPLE

2023.12.26

熱いリーダー

最長老が一番動く理由

<プロフィール>

高岡正浩
岡畑興産株式会社
機能化学品事業部

入社年月日:1985年4月1日
趣味:ゴルフ 麻雀 酒(=仕事)

 

 
<2023年:30年ぶりの再会>
 
藤原:初めまして、本日はよろしくお願いいたします。
 
高岡:いやー、藤原さん、「初めまして」じゃないですよ。(笑)
 
藤原:え?どこかでお会いしましたか?
 
高岡:確か、1995年に、藤原さんが勤めてられていた会社でお会いさせていただきました。
 
藤原:えー、何でしたっけ?(笑)
 
高岡:上司と二人でトイレタリー商材の営業に行かせていただきました。
 
藤原:あーーーーーっ、あの時の営業に来られていた!いやー、30年くらい前ですね?すっかり、忘れていました。失礼しました。大変、ご無沙汰しております。
 
高岡:いえいえ、こちらこそ、その節は色々とお世話になり、ありがとうございました。何か30年くらい経つと、同窓会みたいな感じになりますね。(笑)
 
藤原:あはは。(笑)確かにそうですね。私は白髪だらけで、老けましたし。
 
高岡:私は定年しましたし。(笑)
 
藤原:もう、そんな年齢なんですか?
 
高岡:63歳になりました。
 
藤原:あら、それは全然見えないですね。まだまだお若いです。ということは、雇用延長か何かですか?
 
高岡:そうです。まだ、岡畑でお世話になっています。岡畑の最高年齢になりました。
 
<1985年:テレビマン諦め、岡畑興産入社>
 
藤原:いやー、すごいですね。インタビューどころじゃなくなってきますね。では、そろそろ始めましょうか?
 
高岡:え?まだ始まってなかったんですか?(笑)
 
藤原:まだです。(笑)岡畑には何年にご入社を?
 
高岡:1985年入社ですね。38年お世話になってます。
 
藤原:それは、それは。今でも現役なのですね。85年というと、私はまだ学生でした。入社のきっかけは?
 
高岡:実は、学生の時に某関西のテレビ局でバイトをしていて、そのまま入社する予定だったんですよ。
 
藤原:そうなんですか!
 
高岡:でも、卒業の単位が微妙な感じで。
 
藤原:え?
 
高岡:結局、卒業は出来たんですが、放送局のエントリー締切時に、単位の見込みがなくて、結局ダメになってしまったんです。
 
藤原:そんなことあるんですか?もし、単位あれば、人生変わってましたね。(笑)
 
高岡:ほんと、その通りです。で、私が就職どうしようかなーって考えている時に、担当の教授が岡畑って会社が募集してるから、受けてみたら?って、言われて。
 
藤原:そんな軽い感じで? で、そのまま受けたんですか?
 
高岡:はい、そのまま受けたら38年、働いてますね。(笑)
 
藤原:マジですか?っていうか、なんかそんな感じの人、岡畑に多いですね。(笑)やっぱり、高岡さんも理系で?



高岡:いや、それが文系なんです。
 
藤原:え?教授は何で、岡畑を紹介されたんですか?
 
高岡:今から考えたら、確かに変ですよね。(笑)
 
藤原:いやいや、もう少し慎重に。。。って、もう遅いですけど。文系からの化学商社って、なかなか勇気ある決断だと思うのですが。入社当時はどんな感じだったんですか?
 
高岡:最初は大阪勤務で、売上も利益も非常に少ない化学品一課という部署に配属されました。
 
藤原:文系なのに、化学品一課。(笑)結構、苦労されたんじゃないですか?
 
高岡:理系とか文系とかより、売上がほとんどない部署というのがすごく苦しかったですね。その当時、隔週の土曜日が出社だったんですが、他の部署は事務作業や平日に出来ない残務処理的なことを行っていたのですが、私の部署だけ、社長と夜まで営業会議でした。ほんと、朝から晩までぶっ通しで、上司が怒られているのを見ているという、恐ろしい日々でした。(笑)
 
<お客さまに叱られ、工場で学び、スーパーでも情報収集>
 
藤原:今では考えられないような光景ですね。お客さまのクレームもあったりとか?
 
高岡:クレームは日常茶飯事でした。売上数値はないけど、クレームはあるみたいな?(笑)でも、全てがいい経験と勉強になりました。ある日、納品した原料の件で、お客さまから工場に呼び出され、ご担当の方と一緒に工場内で作業を手伝っていたんですが、こっそり、自主研究してましたね。(笑)使っている原料や工程など、全部、頭に入れて帰ってくるみたいな。(笑)今では考えられないですね。
 
藤原:タダでは転びませんね。(笑)
 
高岡:いやー、自然と興味のアンテナが立つんです。あー、こんな材料を使ってるんだーとか、この機械でこういう工程なんだーとか。
 
藤原:色々と、すごい時代でしたね。超極秘事項ですよね?
 
高岡:申し訳ないと思いつつ、よく勉強させていただきました。振り返ると、実際、お客さまから教わったことがすごく多いです。業務内容しかり、ビジネス的なことは社内よりお客さまから教えてもらった方が、身についている気がします。本とか資料ではなかなか頭に入らないし、身につかないです。
 
藤原:身をもって学ぶって感じですね。
 
高岡:弊社では理系は花形っぽいとこがあって、文系は少し違う雰囲気があるんですよ。だから、外で学ぶことが自然と多くなるんですよ。今もその癖が取れなくて、嫁さんと一緒に買い物に行く時は、シャンプーとか洗剤の裏ラベルをずっと見続けてて、研究してますし。時々、店員さんに怪しまれて、変な目で見られることがありますけど。(笑)
 
藤原:自然と勉強している、いわゆる「無意識的有能」ですね。っていうか、捕まらないでくださいね。(笑)
 
高岡:もちろんです。(笑)でも、チームの頑張りもあって、少しづつ部署の売上は上がっていったんですよ。
 
藤原:おー、すごいですね!継続は力なりですね。
 
高岡:でも、私的には売上が上がっても、利益がそこまで上がってはいなかったので、これは根本的な解決になっていないんじゃないか?と思っていたんです。
 
藤原:経営層の考えですね。
 
高岡:一課の売上が全体の2%くらいの構成だったものですから、会社にこれ以上、迷惑をかけないようにする気持ちが大きかったのだと思います。そんな時に会社の方針のひとつとして「貿易問屋政策」を打ち出したんです。
 
藤原:貿易問屋?国内取引中心の商社では限界だった的なことですか?
 
高岡:そうですね。染料問屋的なイメージからの脱出というか、もっと長期的に会社の成長を考えた時に、世界に目を向けたんです。いきなり、欧米にというわけにもいかなかったので、先ずはアジアに目を向けて、中国や韓国で始めてみようと。私もその考えにとても共感していたので、なんとか具現化して、会社に恩返しをしたかったのを覚えています。
 
藤原:よほど、土曜日が辛かったんですね。(笑)
 
<1992年:念願叶って、韓国駐在>
 
高岡:はい。(笑)で、韓国への駐在員としての転勤が決まって、喜んで行きました。
 
藤原:へー、すごい!それは、よかったですね。その当時なら、海外赴任って憧れの仕事じゃないですか。
 
高岡:いやー、韓国と日本の文化の違いに戸惑いだらけでした。むっちゃ痩せましたし。(笑)
 
藤原:お酒で太りそうな気がしますが。
 
高岡:いや、太らないように筋トレも毎日していました。お酒は大好きでしたから、これも毎日のように浴びるほど、お客さまと飲んでいましたけど。(笑)
 
藤原:楽しそうですね。(笑)
 
高岡:でも、仕事では、苦労の連続でしたね。韓国って、「チーム」という考えよりは「個」の専門の集まりという考えが大きいんですよ。
 
藤原:「個」?
 
高岡:指導されて動くより、自分で考えて、自ら動いていく風土なんです。いい意味で「自分」を大切にしている文化があるんですよね。
 
藤原:初めての駐在員としては、戸惑いだらけですね。
 
高岡:ほんと、戸惑いました。でも、ある意味そのおかげで、先ほどの自主研究じゃないですが、勉強もすごくしました。
 
藤原:岡畑の人は本当に勉強熱心な人ばっかりです。
 
高岡:向こうでは、まず、ハングル語話せないとシンプルに認めてくれませんから。(笑)業務も言語も文化も、そりゃもう、毎日が勉強勉強でした。
 
藤原:若い時にいい経験というか、苦労というか・・・。
 
高岡:全然ですよ。あと、韓国はスピードをとても重要視している国ですね。いろんな事への見切りも早いし、甘えを許さない厳しい国です。現地語でスピードを「パリパリ」って言うんですけど、この言葉はよく使いましたし、使われました。岡畑の社内用語にもなってますよ。(笑)
 
藤原:パリパリで、見切りも早い。そんな中、よく一人で頑張れましたね?
 
高岡:生活面、仕事、夜のコミュニケーションまでも、すごくよくしてくれた韓国の恩師がいるのですが、その方のおかげで、頑張れて、仕事も軌道に乗りかけてきました。
 
藤原:恩師?
 
高岡:はい。ほんと、お世話になりっぱなしでした。また、いい人過ぎて、憧れてました。
 
藤原:いい人にはいい人を引き寄せる力があるんですね。で、何年くらい向こうに?
 
高岡:実は、1年半で日本に帰ってこいと言われまして。。。。
 
藤原:早いですね?何かした、いや、あったんですか?
 
高岡:日本の主力部門がやばくて、なんとかしたいから、帰ってこいみたいな?
 
藤原:えー!韓国をなんとかして来いって言われ、これからって時にですよね?
 
高岡:何度も断ったんですけど、ダメでした。(笑)高岡、1993年、強制送還です。
 
藤原:あははは。(笑)でも、よっぽど日本には必要な人材だったんですね。
 

 
<1993年:潤滑油時代:文系のコミュ力と経営目線>
 
高岡:んー、そこはわかりませんが、行ってみたら、その主力部門のリーダーと担当者がうまくいっていなくて。彼らのギスギスを埋める潤滑油みたいな役割でしたね。
 
藤原:そこですか?(笑) 確かに人が良さそうなとこが滲み出てますけど。
 
高岡:そんなことはないですよ。
 
藤原:で、日本はどんな感じでしたか?
 
高岡:一言で言うと、むちゃくちゃでしたね。(笑)
 
藤原:あははは。(笑)笑ってはいけないですね。失礼しました。
 
高岡:いや、笑いたくなるくらい酷かったですよ。社内も社外も。
 
藤原:社外もですか?
 
高岡:お客様の言うことはもちろん、上司の言うことも部下の言ってることも間違ってはないんですよ、向いている方向は同じなので。でも、やり方とか言い方とかつまらないところでギスギス感を生んでしまってたんですよね。それをコミュニケーションという、潤滑油でなんとかまわしていったんですけど、私も何かこう、釈然としなかったところがあったんです。
 
藤原:何でしょう?
 
高岡:やっぱり、韓国に行く前にもそうでしたけど、根本的な部分を変えていかないとこの会社は今後、持たないという危機感があったんですよね。利益構造も然り、社内風土も。
 
藤原:やっぱり、発想が経営層みたいですね。で、何か具体的に動かれたんですか?
 
高岡:売上というか、利益構造の部分を変える一歩として、まずは界面活性剤を使ってトイレタリー商材を考え始めました。
 
藤原:あ、それで、私の前の会社にトイレタリー部門があったから?
 
高岡:そうです、会社のためなら、どこにでも参上します。(笑)
 
藤原:点と点がつながりました。
 
高岡:岡畑は染料だけじゃないんだっていうところを作りたかったんです。それも、文系の私が。(笑)
 
藤原:あはは。文系にこだわる。(笑)でも、すごいですね、それが、現在では、10億円規模になってますよね?
 
高岡:ですね。収益も上がって行きましたし、貿易問屋として、アジアにも広がって行ってますし。
 
藤原:見事に、長期戦略を具現化させて行きましたね。何がそこまで高岡さんを動かしたんでしょうか?
 
高岡:やっぱり、何とか会社に貢献したかったんですよ。でも、私は化学の専門商社マンなのに、どこかで中途半端な感じがしてまして。
 
藤原:中途半端?
 
高岡:周りからは、仕事もゴルフも営業もなんとなくそつなくこなしてるように見えているみたいなんですけど、全然、そうじゃなくて。(笑)
 
藤原:もしかして、文系化学品専門商社パーソンが中途半端になりがちということですか?
 
高岡:そうですね。潤滑油の時もそうですし、何かこう、ずば抜けた専門職ではないところが中途半端に感じてたのかもしれません。
 
藤原:でも、数値の結果も出されてるし、「潤滑油」はコミュニケーション力の高さが認められてるからですし、「経営者の目線」も高所大所から物事を判断されてるというか、徹底したお客さま目線を持ってるからだと思うのですが?
 
高岡:多分、自分の弱みというか、文系のレッテルみたいなものをカバーするために、常にアンテナを張って、準備して、先を見て、相手のことを考えながら仕事をしていたかもしれませんね。
 
藤原:今の自分に満足せずに、相手のことだけ考えるみたいな?
 
高岡:相手のことを考えると、お客さまに単なる商材提案にはならなくて、お客さま目線のストーリー性を持たせた企画の提案に自然となりますしね。
 
藤原:弱みをカバーしたのではなくて、強みに変えるって・・・・、凄すぎですね。さらに、文系出身の社員になる人達に大きな勇気というか、道筋を作ってますしね。
 

 
高岡:そういう波及効果があればいいのですが。やっぱり一番は会社を良くしたいというか、お客さまに喜んでいただきたいとか、利益を上げたいとか、そんなことばっかり考えていたからだと思いますよ。強い会社にしたかっただけです。
 
藤原:強い会社ですか?
 
高岡:長年、これまでのやり方や商材で強い会社にするのは限界があるんです。それまでの常識を変えて、チャレンジしていくと、限界のラインがもうひとつ上がるっていうか。トイレタリーや輸入原料はその一つになると確信してましたし。
 
藤原:以前、インタビューで萩田さんが仰っていた「自分自身の当たり前を上げる」という言葉を思い出しました。でも、そういう考え方を持ち続けて、仕事をしていることは凄いことだと思います。
 
高岡:給与をいただいているから当たり前ですよ。っていうか、それ以上の仕事をしないとダメですよ。
 
藤原:まぁ、そうなんですけど、、、、ん?同じようなことをどこかで聞きましたね。。。あー、菅澤さんだ!(笑)
 
高岡:私も彼と同じ昭和世代ですから、そのあたりの考えのベースは同じなのかもしれませんね。(笑)彼もずっと孤軍奮闘しながら戦ってましたね。
 
藤原:孤軍奮闘というワードも出てました。(笑)確か、高岡さんは自らチームリーダー降りて開発の方に専念したいと会社に直訴したと聞いていますが。
 
高岡:あははは。よく知ってますね。(笑)チームリーダーってほんと、色々と仕事量が多いんですよ。ま、当たり前のことなんですけど。でも、あの時は正直、人の世話をしてる場合じゃなかったんです。なんとか強い会社にするために自分が出来ることを120%の力でやり遂げたかったんです。
 
藤原:責任感がすごいですね。ん?これも菅澤さんが言ってたな。。。(笑)その、責任感というか、会社員としてのベースは誰かから教えてもらったんですか?
 
<自由奔放から悟りへたどり着く>
 
高岡:お客さまからもありますけど、やっぱり、入社当時の上司ですね。私って結構、優柔不断なところがあるので、それをわかってか、とにかく好きなように仕事をさせてもらいました。
 
藤原:岡畑の人はみんな好きなように仕事をさせてもらってますね。(笑)
 
高岡:ですね。私の場合は、小さいことも大きいことも全て、受け入れてくれてました。トイレタリーの商材の件も、韓国での駐在の件も好きなようにやらせてもらってましたし。でも、必ず、失敗するんですよ。迷惑もかけるんです。でも、「そこから学べ」っていつも言ってくれてました。失敗したり、落ち込んでる時は必ず、夜に誘ってくれて、アドバイスをもらったり、勇気づけてくれてました。
 
藤原:素敵な上司です。
 
高岡:接待の仕方やコミュニケーションの取り方とかも上司の真似をしてましたし。
 
藤原:へー、例えば?
 
高岡:コミュニケーションって、話が上手なイメージがありますが、本当はその逆で、聴くことがとても大切なんです。特に、お酒入ると、ついつい、自分ばっかり話してしまう時があるじゃないですか?そうじゃなくて、そういう時こそ相手に話させるというか、話を聴くというか。
 
藤原:確かに、コミュニケーションが上手い人は質問上手、聞き上手ですよね。これまで、いろんな上司の方がいらっしゃった思いますが、ずっといい上司ばっかりだったんですか?
 
高岡:まさか!(笑)
 
藤原:ですよね?(笑)やっぱり、ぶち当たったりしていたんですか?それとも大人しく?
 
高岡:結構、ガチンコだったような気もします。特に、お酒の席では。(笑)よく、酒飲んでガチンコ議論してました。周りからは「煽り酒の高岡」と揶揄されたものです。
 
藤原:煽り酒の高岡さん!(笑)想像出来ないですね。っていうか、煽りもコミュニケーションの一つなんですか?(笑)
 
高岡:あははは。(笑)確かに、ちょっと違いますね。でも、合わない人とか苦手な人でも必ず、どこかいいところがあると思ってます。一目を置くような部分というか。それを見つけ出すことが出来ると、相手を認めるっていうか、尊敬できるようになりますよ。
 

 
藤原:人を変えるのではなく、自分が変わるみたいな?
 
高岡:そうですね。そうしないと会社も自分も変わらないですよ。
 
藤原:もう、悟りの世界ですね。(笑)
 
高岡:いやいや、単純にポジティブシンキングを実行しているだけです。
 
藤原:お話をお伺いしていると、優しさというか、気を使ってるところがあるというか、そんな感じがするんですが、実際はどうなんですか?
 
高岡:ま、ある程度、気は使いますけど。(笑)それより、相手を楽しませてあげたいというか、自分より、相手が喜べばいいかなとは思ってますね。
 
藤原:やっぱり、悟ってる。(笑)それは、全ての人に対してそんな感じですか?上司や同期や後輩とか。
 
高岡:そうですね。同じですね。昔の話ですが、憧れの同期がいて、こんな人間になりたいなーって、素直に思ったんです。人との接し方や考え方、仕事の方法など色々勉強になりました。そういう、いいところはすぐ真似して、自分にプラスにして行きます。
 
藤原:同期に憧れたんですか?
 
高岡:上とか下とか関係なく、その人のいいところは盗みます。(笑)
 
<2020年〜:Part.1>「指示をもらわせない」&「ストーリーを考えさせる」
 
藤原:今はどうですか?後輩たちに何か大切なことを教えることってあるんですか?
 
高岡:今の若い後輩たちには、具体的にあーしろ、こーしろとは言わないですね。チームとして、会社として、同じ方向を向かせてるようなことを話してます。みんなが考えているベクトルを同じ方向に合わせてあげる感じと言いますか。
 
藤原:令和式ですね。
 
高岡:そうかもしれないです。大事なのは、ベクトルを合わせた上で、一緒にお客さまのところに行って、後で、アドバイスや彼らの気持ちみたいなものを確認し、教えていく感じです。大切なのは、「指示をもらわせない」ということです。
 
藤原:指示をもらわせない?
 
高岡:受身にならないように、指示待ちになるのではなく、自分の考えを持たせてから、コミュニケーションをとり、その後、具体的にベクトルを合わせて、同じ方向に向かっていくというやり方です。
 
藤原:時間かかりそうですけど、自ら考えるところに大切なポイントがあるような気がしますね。
 
高岡:考えずに目的を持たないまま仕事をしていくと、甘えが出てしまうんです。
 
藤原:考え方を教えるのではなく、目的を共有してから、考えさせ、一緒に動いていく感じですね?
 
高岡:そうです。そうすると、自ずと、営業の感や引き際や何を勉強しないといけないかががわかってくるんです。あとは、お客さまに対して、ストーリーを持つということも大切です。お客さまにどのようになってもらいたいのか?そのために今、何をしないといけないのか?みたいなことを気をつけるように話してます。
 
藤原:ビジョンと物語の共有ですね。
 
高岡:言ったら、麻雀と同じです。
 
藤原:へ?麻雀?
 
高岡:配られた牌でどうしていくかを決めて、周りの動きも見ながら、勝負するところは勝負し、降りる時は降りる。それをしてると、勝ったり負けたりしながら、学んでいくんです。仕事も同じです。
 
藤原:ギャンブルもするんですね?
 
高岡:何でもやりますよ。お酒もゴルフもギャンブルも全て会社のためですけどね。
 
藤原:そうしておきましょう。
 
高岡:こんな私でもこういうことを続けていると、MVPも貰ったんですよ。
 
藤原:インタビューさせてもらった人、皆さん、MVPを獲ってる気がします。
 
高岡:その時の二次会のお酒代は飲み過ぎ、酔っ払いすぎで、大赤字になり、えらいことになりましたけど。(笑)
 
<2020年:Part.2>「酒は飲んでも飲まれるな」&「信頼される人になれ」
 
藤原:大胆なのか慎重なのかわからなくなってきました。(笑)ところで、ずっと教えてこられた可愛い後輩が来年、韓国に赴任されるそうですね?
 
高岡:少し、感慨深いところはあります。
 
藤原:韓国でのアドバイスとかあれば?
 
高岡:「酒は飲んでも飲まれるな!」ですかね。
 
藤原:どの口が言ってるんですか?(笑)
 
高岡:確かに。(笑)でも、異国に行くってすごいことで、特に韓国では、オンオフをしっかり持って、自己管理することがとても大切かと思います。流されないようにすることは大切です。
 
藤原:昭和、平成、令和を各国で経験した人の言葉ならではです。
 
高岡:今の情報社会を生き抜いていくためには、最後はやっぱり「人」だと思うんです。皆様、たくさんの情報をいろんなところから持っているから、勝てないんです。でも、最後に、「岡畑でお願いするよ」って言われたいじゃないですか?そのためには信頼される「人」や「会社」を築き上げていくしかないんです。
 
藤原: その「人」っていうのは、「探求心持って、お客さまの本質を聞き出し、自ら考え、ストーリー性のある企画を提案出来る人」みたいな感じですね?
 
高岡:そうですね。それらを行うために、日々の準備と先を見抜く力をつける訓練をすることですね。要は

「仕事への姿勢」が全て

なのかもしれません。
 

 
藤原:仕事の姿勢・・・お話をお伺いしているだけで十分伝わります。
 
高岡:っていうか、藤原さんの知り合いで化粧品扱っている企業さんとか知らないですか?
 
藤原:ん?どうされました?知ってますけど。
 
高岡:機会あれば、ぜひ、紹介してください。
 
藤原:え?ここでも営業します?
 
高岡:チャンスはどこにあるかわからないじゃないですか。
 
藤原:ですよね。紹介させていただきます。(30年経っても何も変わってない・・心の声)
 
高岡:すみません、無理言いまして。
 
藤原:これは、強い組織になるわけですね。
 
高岡:あははは(笑)
 
藤原:いや、長いお時間いただきありがとうございました。高岡さんのお人柄や胸に秘めた色々な思いが聞けてとても勉強になりました。ほんと、お体には十分お気をつけくださいね。
 
高岡:こちらこそありがとうございました。まだまだ若いから大丈夫です。明日から韓国出張ですし。
 
藤原:え?
 
高岡:ん?老人虐待じゃないですよ!ワクワクしてますから。
 
藤原:はい、わかってます。お気をつけて行ってきてください。ありがとうございました。
 
高岡:こちらこそ、ありがとうございました。
 

編集部より
 
やっぱり、長老の考えは深いし、優しさが滲み出ていますね。若い時にいろんな経験をしないといけないってしみじみ思います。それと、時代時代に応じた、後輩への接し方には尊敬しちゃいます。

「指示をもらわせない」なんて、ドキっとしてしまいますが。。。(笑)でも、全てお客さまや後輩のことを思ってのことですからね。
 
岡畑興産では「世界で、人とビジネスに触れたい人」を絶賛募集中です!文系も理系も何も問いません!生まれ変わって楽しい仕事がしたい!と思っている方がいらっしゃれば、いつでも、ご連絡ください。
 
次回は、岡畑興産でセカンドキャリアを活かす顧問の藤岡さんです。ファーストキャリア同様(いやそれ以上?)に、パワフルにホームラン量産中だとか。どんな話になるか楽しみですね。
お楽しみに!

 
 
おまけ:岡畑興産社内報より(2023年12月)
◇若い世代とのコミュニケーション(SPG/高岡 正浩)
入社38年を向かえ、気づけば岡畑興産の最長老。正直なところもう少し、気楽に仕事をさせてもらえるのかと思っていたら、流石岡畑ですね。60歳をとっくに過ぎたお爺さんにこれまで以上の課題を与えてくる、光栄と取るべきなのでしょうか……。

今一番の課題、悩みは「若い世代の指導とコミュニケーション」かもしれません。担当職務は培った経験で何とかカバーできるのですが、熱血指導はもはや“NG”、ハラスメントへの配慮は必須の時代。コミュニケーションでは社会人となった娘2人との日頃の会話を思い出し、若手と接するようにしています。

でも、“仕事への姿勢”だけは拘りあり、でどうしても譲れない。今や誰もが必要な情報を簡単に入手できる世の中、ここでの差別化が会社の成長にとっても個人にとっても重要な岐路ですよね。時代は代わっても、「念入りな準備」、「提案力と聞く力」、「振り返りと先を見据えた話す力」は変わらないはずで、是非若い世代と一緒になって考えていきたいと思っています。

今週は若手の鞄持ちとして韓国に引率中。これからの岡畑興産を背負っていく若手のホープですが、結構やらかしています……。機会があれば彼の武勇伝をお伝えします。
 

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