2024.05.07
化粧品成分「シア脂(シアバター)」とは?安全性や注意点もご紹介
こんにちは、岡畑興産の菅です。
乾燥が気になる季節、ハンドクリームやボディソープを選ぶときに、「シアバター配合」の商品を選ぶ人も多いのではないでしょうか?
「シアバター配合」と聞くと、なんとなく「保湿効果があってしっとりしそう」というイメージがわきますよね。
今回は化粧品成分としての「シア脂(シアバター)」について詳しく解説していきます。
目次
化粧品成分「シア脂(シアバター)」とは?
シア脂(シアバター)とは、シアーバターノキの種子から得られる植物油のことです。
シア脂はシアーバターノキの種子に40〜50%含有されています。
シアーバターノキは、西中央アフリカの半乾燥地に分布している植物です。
この地域ではほかの油脂植物がほとんどないため、シア脂がマーガリンやカカオバターの代用品として料理や食品に広く用いられています。
シア脂の融点は23〜45℃のため、人の体温で融解する特徴があります。
なめらかでしっとりした質感で肌なじみが良く、優れた保湿効果・保護効果があるため、用途のお話でも触れますが化粧品に使われることが多いです。
また、シア脂にはビタミンE(トコフェロール)が含まれます。
ビタミンEには抗酸化作用・抗炎症作用があり、皮膚にハリや弾力をもたせてくれます。
岡畑興産では、中国の銘潤(大連)油脂有限公司のシアバターをご紹介しています。
通常、シアバターノキの種子からシア脂を抽出する際は苛性ソーダを使用しますが、銘潤(大連)油脂有限公司ではバイオ法で抽出(特許出願中)するので、さらにビタミンEを豊富に含んだシア脂を作ることができます。
2023年から量産体制が整い、800MT/年の生産能力があります。
化粧品成分「シア脂(シアバター)」の用途や役割をご紹介
先ほど化粧品に良く使われているとお伝えしましたが、意外なものでは塗料、木彫用の艶出し剤、洗剤、キャンドルなどにも使われています。
また、関節炎や傷跡などへの手入れにも効果的とされており、薬用軟膏などの医療品で使用されることも多いです。
主に皮膚や髪を保湿・保護する目的で油性基材として配合されており、スキンケア、ヘアケア、ネイルケア、ボディケア製品、リップクリーム、口紅など、さまざまな製品に使われています。
シア脂が配合された実際の製品についても、いくつか参考にご紹介しますね。
ロクシタン:シアシリーズ
西アフリカ・ブルキナファソのシアの木の実から抽出されたシア脂を使った石鹸、保湿バーム、ハンドクリームなど。
ロート製薬:メンソレータム ハンドベール 乾燥バリアクリーム
シア脂を使用し、角質層まで潤いを与えながら、肌表面のうるおい膜で乾燥を防ぐハンドクリーム。
花王:ビオレu うるおいミルク
保湿成分にシア脂とワセリンを使用した全身のスキンケアができるボディミルク。
素肌と同じ弱酸性で、赤ちゃんや敏感肌の方でも安心なシリーズ。
どれも「保湿」「乾燥を防ぐ」「潤い」といった特徴を売り出している商品ですね。
化粧品成分「シア脂(シアバター)」の安全性や注意点も確認
シア脂(シアバター)は医薬部外品原料規格2021に収載されている原料です。
元々食用として使用されており、化粧品でも20年以上の使用実績があります。
刺激性や感作性がほとんどなく、安全な成分といえます。
参考に基本情報を記載いたします。
化粧品表示名称:シア脂
医薬部外品表示名称:シア脂
INCI:Shea Butter
CAS番号:91080-23-8、194043-92-0
皮膚刺激性:ほとんどなし
眼刺激性:ほとんどなし
皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし
光毒性(光刺激性):ほとんどなし
化粧品成分「シア脂(シアバター)」を使用する際の注意点は?
安全性の高いシア脂ですが、以下の2つの点だけ注意しましょう。
①使用期限
シア脂の使用期限は、基本的に開封してから1年です。
植物性の原料なので、使用期限を過ぎたものを使用すると肌トラブルを起こす可能性があります。
古くなったシア脂は脂っぽい匂いがするので、使用期限が近くなったものは匂いを確認してから使うのをおすすめします。
②精製品か未精製品か
シア脂には精製品、未精製品があります。
未精製のシアバターはより大きな効果が期待できますが、刺激の強い成分も含まれているので、注意が必要です。
敏感肌の人には、精製品がおすすめです。
精製されることで刺激の強い成分が取り除かれているため、どんな人の肌にも合いやすいとされています。
化粧品成分「シア脂(シアバター)」の特徴や安全性を知り、上手く活用を
シア脂(シアバター)は、シアーバターノキの種子から得られる植物油です。
優れた保湿効果と保護効果があり、ビタミンEも含まれるため、抗酸化作用や抗炎症作用、皮膚にハリや弾力をもたせてくれる効果も期待できます。
スキンケア、ヘアケア、ネイルケア、ボディケア製品、リップクリーム、口紅など、主に化粧品に使われることが多く、さまざまな製品に使用されています。
元々食用として使用されており、化粧品でも20年以上の使用実績がある安全な成分です。
使用の際の注意点もお伝えしましたので、ぜひ上手く活用してみてくださいね!
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