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岡畑興産ブログ

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2022.04.21

固形シャンプーとは?使うメリット・デメリット、選ぶポイントを紹介

こんにちは。岡畑コリアの朴です。

 

近年、持続可能な環境と社会の実現に向けた動きが大きくなってきています。

プラスチック包装材を使わず、環境にやさしい製品開発が本格化し、固体の化粧品が続々と登場しています。

 

そこで今回は、プラスチック容器を使わず環境に優しい「固形シャンプー」についてご紹介します。

 

固形シャンプーは、韓国でも人気を集めているエコな商品の一つ。

化粧品を使い切った後のプラスチック容器を捨てることに罪悪感を感じている方、ぜひご注目ください!

固形シャンプー

 

 

メリットの多い「固形シャンプー」とは?近年人気を集めている理由

固形シャンプーとは、その名の通り固体の形の主に石鹸を原料としたシャンプーです。

 

一般的な液体シャンプーは合成界面活性剤を用いて製造されていることが多く、弱酸性という特徴を持ちます。

一方で固形シャンプーは石鹸なので「弱アルカリ性」であることも違いの1つです。

 

また、髪や頭皮だけでなく体も洗うことが可能です。

 

固形シャンプーが注目されている理由とは

固形シャンプーは、プラスチック容器を使わないことで近年注目を集めています。

 

プラスチックは、どんな形も作ることができるという意味のギリシャ語「プラスティコス(plastikos)」に由来する言葉で、丈夫で加工しやすく大量生産が可能、何よりも腐らず「奇跡の物質」と呼ばれたそうです。

 

しかし、現在はその腐らない利点が人類にとって致命的な脅威となっています。

 

リサイクルされないプラスチック廃棄物は通常海に流入しますが、世界自然基金(WWF)の発表によると、人類が現在の水準のプラスチック生産と消費を続けると海の環境は急速に破壊され、2100年には現在の50倍の水準まで汚染される見通しです。

 

すでに一部の海は生態的に回復が不可能な水準で汚染されたと診断されており、海の環境が破壊されると、海中で生きる生物だけでなく人間も不可逆的な被害を受けることになります。

 

環境運動団体グリーンピースによると、韓国国内で捨てられるプラスチックゴミ10個のうち8個が包装材だそうです。

歯磨き粉から始まり、シャンプー、コンディショナー、スキンケア、ローション、ボディウォッシュ、ハンドクリーム、洗顔料、オイル、クリームなど、私たちが毎日使用する日常製品のうち プラスチック容器に入っていない物はほとんどありません。

さらにCOVID-19の長期化により、食品容器のような廃プラスチック排出が急増しています。

 

国内外の化粧品ブランドは、この問題を解決するために「プラスチックフリー(plastic free)」の固体化粧品を発売しています。

包装材も紙なので、このように液体化粧品を固体化粧品に置き換えれば、プラスチックゴミの量を減らすことができます。

 

また、世界的に洪水、爆炎、山火事など異常気候現象が繰り返され、気候変動に対する警戒心と個人の信念による消費を目指す「価値消費」トレンドが注目されています。

韓国の化粧品業界でも、価値消費を重視するMZ世代(ミレニアル世代とZ世代)を狙って、地球環境まで考慮した「固形シャンプー」の販売を開始しています。

 

 

固形シャンプーのメリット・デメリットとは?

固形シャンプーを使うなら、メリット・デメリットも知って検討したいですよね。

それぞれ詳しくご紹介します。

 

固形シャンプーのメリット

上記の通り、固形シャンプーを使うことで廃プラスチックの量を減らすことができるという点が大きなメリットでしょう。

 

固形シャンプーには、刺激の強いシャンプー成分(ラウリル硫酸ナトリウムなど)は含まれていないため、より環境に優しく、マイルドな洗浄成分で構成されています。

なかには刺激の強いものもあるようですが、基本的に原材料が天然由来成分のものが多いため、刺激が少なく肌に優しいという特徴があります。

 

泡立ちも良い上に皮脂汚れもしっかり落ちるので、敏感肌の方や皮脂が気になっている方は検討してみても良いかもしれません。

 

さらに、コンパクトなサイズで使いやすく(旅行に最適です)、従来のシャンプーよりも長持ちします。

 

また、固体化粧品である「固形シャンプー」は水を加えないウォーターフリー製品なので、かさばらず重量も軽いです。

 

固形シャンプーはコストが低く、低価格であることも魅力。

全身を洗うことができるタイプの固形シャンプーもあるため、ボディ用石鹸を別に買わなくても良いというコストパフォーマンスの良さも注目されています。

 

固形シャンプーのデメリット

固形シャンプーは髪がきしみやすいため、シャンプー後に酸性や弱酸性のリンスまたはコンディショナーを使用するのがおすすめです。

 

また、固形シャンプーには経時によって製品が割れたり、緩くなる現象が起こることがありましたが、最近では生産設備の高度化や製造方式・成分など様々な改良により、この問題が起こりにくくなっています。

 

 

固形シャンプーの選び方のポイントも紹介!

固形シャンプーは、使用するクレンザーや界面活性剤の種類によって4種類に分けられます。

 

選ぶポイントとして、それぞれの種類についてお伝えしますので、ぜひ参考にしてくださいね!

韓国国内で注目されている固形シャンプーも、あわせてご紹介します。

 

固形シャンプーの成分をチェック

固形シャンプーを選ぶ際には、どのような成分が入っているかチェックしてみましょう。

 

■ラウリル硫酸ナトリウム(Sodium Lauryl Sulfate Bars)

LUSHなどのブランドの固形シャンプーで使用されている「ラウリル硫酸ナトリウム(Sodium Lauryl Sulfate、SLS)」は、洗浄力の強い界面活性剤です。

刺激がありますが、液体シャンプーと同程度の洗浄力があります。

 

■ナトリウムココ硫酸(Sodium Coco Sulfate Bars)

ナトリウムココ硫酸(Sodium coco sulfate:SCS)は中程度の強度の界面活性剤で、SLSほど刺激は強くありませんが、クレンジング力があり泡立ちも良好です。

 

ナトリウムココ硫酸は、メーカーでいうとEthiqueやLUSHの固形シャンプーの主要な成分として使用されています。

 

■ココイルイセチオン酸Na(Isethionate or Methosulfate Bars)

ココイルイセチオン酸Na (sodium cocoyl isethionate、SCI)などを使用するタイプです。

洗浄力は強くありませんが、刺激が少ないので頭皮にやさしく、髪を柔らかくしたい場合は、このタイプをおすすめします。

 

メーカーでいうと、HibarとLove Beauty Planetがこのタイプの固形シャンプーを作っています。

 

■Natural Soap-Based Bars

けん化油、天然のソープナッツ、グルコサイドなどの界面活性剤・洗浄成分です。

適切に使用するには軟水を使う必要があり、洗浄力が弱いタイプです。

 

韓国で販売されている固形シャンプーもご紹介

韓国国内で販売されているものの具体例を挙げます。

 

■アモーレ・イニスフリー

アモーレ・パシフィックのブランドの1つである「イニスフリー」は、インスタグラムフォロワーと一緒になって9ヶ月にわたって製作した、頭皮と髪にやさしく、環境にもやさしい固形シャンプー「グリーンティーフレッシュシャンプーバー」を発表し、注目を集めています。

 

環境に配慮した固体化粧品のトレンドを積極的に反映したもので、プラスチック包装材に代わって紙包装材を使用し、330mLのシャンプーに対して、28gのプラスチック量削減効果を得たそうです。

 

■LG生活健康

LG生活健康は、4年連続全国販売1位抜け毛防止用シャンプーブランド「ドクターグルート」を通じて、「ドクターグルート:力のない毛髪用頭皮スケーリングシャンプーバー」を発売しており、注目を集めています。

 

この製品は植物由来成分にビオチンやカフェインまで加えたフォーミュラで、弱った毛根に栄養を集中供給します。

フケ洗浄特許成分とAHA・BHA成分も含有し、フケとムクウン角質までディープクレンジングできるため、頭皮スケーリング効果も期待できるシャンプーです。

 

 

固形シャンプーにおすすめの活性剤もご紹介

上記で説明した固形シャンプーで使用される主な原料の種類のうち、特におすすめなココイルイセチオン酸Na (sodium cocoyl isethionate、SCI)について詳しくご紹介します。

ココイルイセチオン酸Naは陰イオン界面活性剤で、マイルドなココナッツ由来の天然植物性界面活性剤です。

 

CAS NO. 61789-32-0

▼構造

ココイルイセチオン酸Na

EWG(環境ワーキンググループ、Environmental Working Group)の基準はGreen Levelで、シャンプー、洗顔、固形シャンプー、ニキビケア製品、リンス、スタイリング製品などに使用されます。

固形シャンプーだけでなく、Sulfate Freeシャンプーへの使用もおすすめです。

 

ココイルイセチオン酸Na (Sodium Cocoyl Isethionate、SCI)のメリットは?

①刺激が少ない

伝統的に使用されていたヤギとウシから抽出される、動物由来の界面ナトリウム塩を置き換えるために製造されたココイルイセチオン酸Naは 「Baby Foam」という別名もあるほど刺激が少ない成分です。

 

そのため、敏感肌や乳幼児用クレンジング製品にも処方可能です。

 

②優れた起泡力

マイルドながらも起泡力が高く、洗浄力に優れています。

 

③水分を奪わない

水分を取り除かないクレンジングで、ウォーターフリークレンジング製品(水なしで使用する製品)に使用されることも多いです。

シャンプーに配合すると、洗浄後の髪の毛が硬くなってカールすることを防ぐことができます。

 

④生分解性である

生分解性があり、地球環境に優しい界面活性剤です

 

⑤安定化機能もある

製剤を安定化する機能もある成分で、安全性だけでなく安定性も優れた成分です。

 

 

メリットの多い固形シャンプーをぜひ取り入れてみて!

固形シャンプーとは主に石鹸を原料とした、プラスチック容器を使わない固形の形のシャンプーです。

固形シャンプーを使うことで、包装材の量が減り、廃プラスチックを減らすことができます。

 

それだけではなく、刺激のマイルドな界面活性剤を使ったタイプもあり、環境にも髪にも優しいシャンプーです。

持ち運びにも便利で、液体タイプのシャンプーよりも長持ちします。

 

私たちの生活からプラスチックを完全に排除することは不可能かもしれません。

しかし、地球の明日のために、私たちを取り巻く環境を少しでも変える一歩を踏み出しましょう!

どの固形シャンプーが良いのか、今から一緒に考えてみませんか?

 

岡畑興産ブログでは、環境に優しい化粧品原料や機能性原料、その他岡畑興産の取り組みなどもご紹介しております。

岡畑興産が運営している常設オンライン展示会「どこ展-どこでも、ひとり展示会」でも、化粧品原料や機能性原料について詳しく説明していますので、興味のある方はぜひお越しくださいね。

岡畑コリア 朴

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