2024.04.10
グリチルリチン酸ジカリウム(GK2)とは?肌への効果や危険性を解説
こんにちは。「岡畑興産」の菅です。
肌荒れ防止効果があり、スキンケア商品の添加剤としてよく使用される「グリチルリチン酸ジカリウム」。
どんな成分でどう美肌効果があるのか、安全性は高いのかなど気になる点はたくさんあります。
今回はグリチルリチン酸ジカリウムとはどんなものか、詳しく解説!
原料や抽出方法、良い効果や危険性の有無までお話ししていきます。
目次
グリチルリチン酸ジカリウム(GK2)とは? 特徴や用途を解説
化粧品の添加剤として多くの使用実績を持ち、敏感肌におすすめされることの多いグリチルリチン酸ジカリウム。
まずは基本情報からご紹介します。
- 化粧品表示名称:グリチルリチン酸2K
- 医薬部外品表示名称:グリチルリチン酸ジカリウム
- INCI名※:Dipotassium Glycyrrhizate
- CAS番号:68797-35-3
※INCI名とは、化粧品成分の国際命名法により名付けられた国際的な名称のことです。
【構造式】
グリチルリチン酸ジカリウムはマメ科の甘草(カンゾウ)という植物の根から抽出される成分です。
グリチルリチン酸ジカリウムの原料である「甘草」は、中国やウズベキスタンなどで栽培されており、漢方としても使用される植物です。
枝や根の部分から、グリチルリチン酸を抽出します。
グリチルリチン酸にカリウムを加えてカリウム塩にしたものが、グリチルリチン酸ジカリウムです。
見た目は白色の粉末状で、カリウム塩にしていることで、水に溶けやすい性質を持っています。
岡畑興産のグリチルリチン酸ジカリウムの取扱メーカーも中国メーカーですが、このメーカーはウズベキスタンの甘草農園から甘草を調達しています。
また、中国国内に自社の農園を設け、原料の調達先を増やそうとしています。
「甘草」という名の通り、根から抽出されたグリチルリチン酸には砂糖の250倍ともいわれる強い甘味があることも特徴。
グリチルリチン酸ジカリウムも甘味として口腔医薬品に使用されています。
グリチルリチン酸ジカリウム(GK2)の主な用途は?
グリチルリチン酸ジカリウムは優れた消炎効果を持っており、アレルギー性結膜炎に対する有効性が認められています。
そのため、医薬品では風邪薬や口腔内殺菌、鼻炎薬、胃腸薬、抗炎症剤、点眼薬などに使用されます。
化粧品では肌荒れ防止、ふけ、かゆみ防止などを目的に配合されることが多く、メイクアップ化粧品・下地、洗顔料、スキンケア・ボディケア・ヘアケア製品、日焼け止め製品などに使用されています。
グリチルリチン酸ジカリウム(GK2)の肌への効果とは?
グリチルリチン酸ジカリウムは、医薬部外品の有効成分として、先ほどもお伝えした肌荒れ、ふけ、かゆみの他、あせも、しもやけ、ひび、あかぎれ、にきび、を防ぐといった効果効能があることを厚生労働省に認められています。
そのため、肌あれ防止有効成分として化粧品や医薬部外品に使われており、刺激性も少なく、敏感肌の方やお肌が敏感になりやすい時期におすすめの成分です。
ちなみに医薬品では、抗炎症効果、粘膜修復効果を目的として配合されています。
肌への嬉しい効果について、もう少し詳しく解説しましょう。
①プロスタグランジンE2産生抑制による抗炎症作用
皮膚に紫外線(UVB)が当たると、表皮細胞内でプロスタグランジンE2が過剰に生産されます。
プロスタグランジンE2には、真皮の血管を拡張したり、紅斑を生成したりする性質があり、皮膚の炎症を引き起こすことが知られています。
グリチルリチン酸ジカリウムには、プロスタグランジンE2の産生を抑制し、炎症を抑える効果があります。
②ヒアルロニダーゼ活性阻害による抗アレルギー作用
ヒアルロニダーゼはヒアルロン酸を分解する酵素で、体内に広く存在しています。
ヒアルロニダーゼはアレルギー物質や皮膚刺激などによって活性化され、アレルギー症状を引き起こします。
グリチルリチン酸ジカリウムはヒアルロニダーゼの活性を阻害し、アレルギー症状を抑える効果があります。
③皮膚刺激緩和作用
グリチルリチン酸ジカリウムを化粧品に配合することで、化粧品を使用した際の「ヒリヒリ」「チクチク」といった刺激が緩和されるという研究結果があります。
参考:グリチルリチン酸2Kの基本情報・配合目的・安全性 | 化粧品成分オンライン
グリチルリチン酸ジカリウム(GK2)の危険性・肌への悪影響は?
グリチルリチン酸ジカリウムを医薬品として服用する場合、長期の使用や大量使用により、偽アルドステロン症(浮腫、高血圧、低カリウム血症など)、ミオパチー(四肢の脱力、けいれんなど)を起こす可能性があります。
また、主な副作用として、発疹、かゆみ、吐き気、食欲不振、腫れ、刺激感などが報告されています。
定められた用法・用量を守り、副作用が出た場合は医師に相談してくださいね。
一方、グリチルリチン酸ジカリウムを化粧品で使用する場合においては、20年以上の使用実績の中で重大な副作用は報告されていません。
内服薬と比較して、化粧品として外用した場合に皮膚から吸収される量は少なく、化粧品・医薬部外品(薬用化粧品)・ではグリチルリチン酸ジカリウムの配合上限が決められています。
そのため、基本的には副作用の心配はなく使用可能です。
化粧品・医薬部外品における配合上限についても、参考にお伝えします。
【化粧品における配合上限】
- 粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流すものへ:100g中0.80gまで
- 粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流さないものへ:100g中0.5gまで
- 粘膜に使用されることがある化粧品へ:100g中0.20gまで
【医薬部外品における配合上限(g/100g)】
- 医薬部外品に配合する場合の配合制限:g/100g
- 薬用石けん・シャンプー・リンス等、除毛剤:100g中0.80gまで
- 育毛剤:100g中0.30gまで
- その他の薬用化粧品、腋臭防止剤、忌避剤:100g中 0.30gまで
- 薬用口唇類:100g中 0.20gまで
- 薬用歯みがき類:100g中0.20gまで
- 浴用剤:100g中0.20gまで
※グリチルリチン酸及びその塩類並びにグリチルレチン酸及びその誘導体としての合計
グリチルリチン酸ジカリウム(GK2)の効果を知って正しく活用を
化粧品の添加剤として多くの使用実績を持つ、グリチルリチン酸ジカリウム。
グリチルリチン酸ジカリウムは甘草から抽出される植物由来の抗消炎剤で、スキンケア製品やヘアケア製品など、化粧品で使用されることが多いです。
優れた消炎効果を持っているため、医薬品では風邪薬や口腔内殺菌、鼻炎薬、胃腸薬、抗炎症薬、点眼薬などに使用されています。
刺激性が低く、外用での副作用はほとんど報告されていないため、安全性も高いといえる成分です。
また、グリチルリチン酸ジカリウムを医薬品として服用する場合においては、長期の使用や大量使用により、偽アルドステロン症やミオパチーを起こす可能性や副作用が出る可能性があるため注意しましょう。
配合制限は定められているため、配合量は守ってお使いくださいね。
岡畑興産で運営している常設オンライン展示会「どこ展2.0」でも紹介しています。
グリチルリチン酸ジカリウムについてはこちら>>どこ展2.0 グリチルリチン酸ジカリウム
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