こんにちは、岡畑興産のはなです。
近年注目されているサステナブルな取り組み。
SUSTAIN(持続する)とABLE(できる)を組み合わせた言葉である「SUSTAINABLE(持続可能)」は、自然にある資源を長い期間維持し、環境に負担をかけず利用していくこと。
環境破壊、資源の枯渇が深刻化する中で、サステナブルな社会の実現のために世界中で色々な取り組みが始められていて、大きなムーブメントになっています。
今回はサステナブルな素材について、その種類や特徴をご紹介します。
目次
サステナブル素材とはどんな素材?その魅力を確認!
2015年9月に国連でSDGs(Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標))が採択されたことにより動きが加速し、近年注目が集まっているサステナブルな取り組み。
地球環境を守ることだけでなく、人々が安心して住み続けられることも重視し、広い意味での「持続可能」を目指しています。
サステナブル素材とは、自然環境に配慮した素材、環境負荷の少ない素材のこと。
天然素材や、形を変えて繰り返し使うことで環境負荷を減らしたリサイクル素材などがあり、そういった商品を選ぶことで地球環境に貢献することができるのです。
また、生産・販売・消費・廃棄全ての工程で、自然環境に配慮したファッションをサステナブルファッションと呼びます。
サステナブル素材は洋服だけでなく靴にも使われており、さまざまな種類のものが登場しています。
それぞれ特徴豊かで、ブランドの方針や商品のコンセプトに合わせた個性あるデザインを見つけることができるでしょう。
過去のコラム「靴で出来るサステナブルは?SDGsのこと」でも詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね!
サステナブル素材には「天然素材」と「リサイクル素材」がある!
サスティナブル素材には「天然素材」と「リサイクル素材」の2種類があります。
土に還ることができる素材を「天然素材」といい、古くなってもゴミにならずに生分解されて土に還るので、ゴミの廃棄などによる自然への影響を抑えることができます。
オーガニックコットンや植物から作られた天然繊維などはエコな「天然素材」です。
「リサイクル素材」とは本来廃棄するものを再利用した素材のことで、ペットボトルを再生、再利用したリサイクルポリエステルなどが代表的です。ポリエステル原料となる石油の使用量を減らし、CO2の低減にもつながります。
できあがったリサイクルポリエステルは機能や特徴も、石油から作られたポリエステルと変わりはありません。
リサイクル技術の研究は日々進んでいて、従来のものと比較しても品質や価格面でも遜色はなく、またバリエーションも多くなっています。
サステナブル素材の種類もチェック!種類ごとの特徴を知ってチョイスを
サステナブル素材には「天然素材」と「リサイクル素材」があるとお伝えしましたが、それぞれに多種多様な種類があります。
代表的な素材をいくつかご紹介しますので、選ぶ際の参考にしてみてくださいね!
オーガニックコットン
オーガニックコットンは、2~3年以上オーガニック農産物生産の実践を経て、認証機関に認められた農地で栽培していること、農薬・肥料の基準を厳格に守って育てられていることなどが条件です。
殺虫剤や除草剤を使わずに綿花を育てるため、土壌の改良にもつながります。
さらに栽培する人の健康への影響が少なく、人にも環境にも優しい素材と言えるでしょう。
生分解性再生セルロース
再生セルロースとして代表的なのは、レーヨン・リヨセル・キュプラなどです。
これらは植物からとったセルロース(繊維)を化学的に処理をして糸にします。
天然素材からできた化学繊維ということになるでしょう。
素材が植物由来のため、微生物によって素材が分解されると土に戻る『生分解性質』を持っています。
リサイクル繊維
リサイクル繊維とは、分別収集されたペットボトル、合繊メーカーや樹脂メーカーの工場から出る廃プラスチック・合繊、裁断くずなどを原料にした繊維です。
廃棄ペットボトルやプラスチックを細かく砕いて洗浄し、熱で溶かして繊維にしたもので、ポリエステル・ナイロン・ポリプロピレンなどに再生が可能です。
回収ペットボトルは物によって純度が違い、均一な糸にしづらいため、短繊維の綿を不織布にしたり、フェルトにしたりすることが多いです。
例えば、Adidasでは海洋廃棄物を使ったスニーカーを作っていますし、弊社で販売代理店をしている帝人コードレ(株)の人工皮革では、100%リサイクルペットボトルから作られた不織布を使用しています。
過去のコラム「リサイクルスニーカーとは?その種類や特徴、最新のものまでご紹介!」でも詳しくご紹介していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
アニマルフリー素材
アニマルフリー素材は、非動物性の革であり、人工的に作られた皮革のことを指します。
くつナビでも詳しく紹介しているヴィーガン材料などが挙げられます。
パイナップルの葉っぱ、サボテン、きのこ菌由来の材料など、生産工程で動物を搾取しない方法で作った材料です。
ヴィーガン材料については、下記コラムもぜひご参考ください。
無水染色素材
繊維を染色する際にはたくさんの廃液が出て、環境を汚染します。
1kgの生地を染色加工するのに平均で100~150Lの水を使用するそうです。
そこで、水を使わずに二酸化炭素で染色するという「無水染色」という技術が実用化されています。
例えばNIKEでは、だいぶ前からこの無水染色技術の応用に積極的に取り組んでいます。
また、水を使わないインクジェットプリントの活用や、綿花などを脱色も染色もしない自然のままで使うことも、ある意味「無水染色」の1つです。
水資源の確保として、環境に大きく貢献する素材と言えるでしょう。
すぐに始められるサステナブルファッションのすすめ
除草剤や殺虫剤を使わないオーガニックコットン、微生物で生分解する再生セルロース、廃材を利用するリサクイル素材、非動物性のアニマルフリー素材、廃水を減らす無水染色など。
サステナブル素材を使った商品を意識して使うことは、サステナブルファッションの実践と言えますが、実は他にも個人でできるサステナブルファッションがあるんです。
例えば、「長く着られるものを選ぶ」「リユース(古着)を活用する」「洗濯をしすぎない」といった、服を着こなす・選ぶ・扱う際にサステナブルを意識することでも、環境配慮につながります。
それぞれご説明していきましょう。
長く着られるものを選ぶ
毎シーズン使い切れないものを買うのではなく、少し先の自分にも似合いそうな長く着られるものを選ぶようにすることで、間接的に生産や廃棄による環境汚染を防ぐことができます。
リユース(古着)を活用する
体型の変化で洋服が着られなくなったときには、古着屋さんに持って行きましょう。
捨てるのではなく、誰かがまた着てくれるのは嬉しいものです。
また、古着屋さんでクールなヴィンテージを見つけて試してみてはいかがでしょうか?
古着は昔ながらで簡単なサステナブルファッションです。
洗濯をしすぎない
洗濯水の排出やエネルギーの浪費ももちろんですが、細かい繊維が抜け落ちて河川や海へのプラスチック汚染を引き起こします。
洗濯を必要以上にしすぎないことも、環境への配慮につながります。
サステナブルには、素材選び・生産方法も重要なのですが、できることをみんなでほんの少しずつ実践すれば、ほんの少しずつでもサステナブルな世界に変わっていくのではないでしょうか。
サステナブル素材とは人にも地球にも優しいエコな素材!
サステナブル素材とは、自然環境に配慮し、環境負荷の少ない素材のこと。
天然素材やリサイクル素材などがあり、そういった商品を選ぶだけで地球環境に貢献することができます。
パイナップルの葉っぱ、サボテン、きのこ菌由来の材料など、個性豊かな素材も多く、洋服だけでなく靴にも使われています。
オーガニックコットン、リサイクル繊維、アニマルフリー素材、無水染色素材、生分解性再生セルロースなど、たくさんの種類がありますので、それぞれの特徴を知って選んでみてくださいね!
岡畑興産では、真面目に靴をつくっている会社のブログ「くつナビ」を運営しています。
靴や靴の素材、豆知識などさまざまな知識を発信していますので、こちらもぜひご参考ください!