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靴の豆知識

2022.01.26

カーボンプレート入りシューズの仕組みや特徴について

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こんにちは、岡畑興産のこじろうです。

 

先日行われた2022年の箱根駅伝。

青山学院大学のぶっちぎりの優勝で幕を閉じましたが、靴の方に目を向けると、去年のナイキ一強(着用率 95.7%)から比べると、NIKE着用率は73.3%まで落ち、アシックスなど他メーカーの逆襲が始まった年と言えるでしょう。

 

「カーボンプレート搭載のランニングシューズ」というくくりで見ると、ほぼ100%のランナーが履いて走っているほど、一般的な物となってきました。

それどころか、陸上長距離のトップ層では、このシューズを履きこなすことが勝つためには”必須”になってきています。

 

今回はそんなカーボン入りシューズの特徴や仕組みについて、詳しく解説していきたいと思います。

カーボンプレート入りシューズの仕組みや特徴を確認!

着地時にカーボンが跳ね返り、前への推進力が生まれ、ランナーのストライドを最大限伸ばしてタイムを縮めることができるのが、カーボン入りシューズの仕組みです。

 

カーボンプレートが入っていない靴でストライドを伸ばすためには、ランナー自身が地面を蹴ることによって推進力が生み出す必要があります。 シューズを地面にしっかりと安定させて蹴り出すことで前に進む力が生まれるのです。
逆にカーボンプレート入りシューズの場合は、靴が推進力を生み出し、ランナー自身が安定性を保たなければなりません。

 

今や各社それぞれの製法でカーボンプレートを挿入していますが、NIKEが初めてカーボン入りのシューズを発売したときに使われたのは、ミッドソールと中底の下にカーボンプレートを挿入する方法です。

 

そしてカーボンをただ搭載するだけでなく、推進力が出やすいようにスプーンのような形状にしたり、厚みを工夫することが重要になってきます。

 

 

岡畑興産
岡畑興産
弊社では搭載するだけでカーボンと同じようにアシスト力が得られ、カーボンと比較して価格メリットのあるポリプロピレン単一素材の” SRP(自己強化プラスチック)で出来た”KaRVO™という商品を扱っています。

 

 

リサイクルが可能で、カーボンと違って曲げても折れないKaRVO™については「軽くて強いフラットヤーン技術の詰まったKaRVO™は反発性、耐衝撃性もすごい複合素材」で詳しく説明していますので、ご参考ください。

 

 

 

カーボンプレート入りシューズはどんな人におすすめ?メリットは?

カーボンの跳ね返りによって生まれた推進力を利用するこのシューズには、どんなメリットとデメリットがあるのでしょうか?

 

どんな人・場合におすすめかも、あわせてご紹介します!

 

 

カーボンプレート入りシューズのメリット・デメリット

【メリット】

・爆発的な推進力でストライドが伸びる

・重心移動サポートによりエネルギーロスを軽減できる

【デメリット】

・シューズに合わせた走法が必要

・足へ負担が掛かりやすい

・価格が高い

 

 

カーボンプレート入りシューズはどんな人・場合に向いている?

メリットを享受するためには、人が靴に合わせなくてはならない、つまり走り方をカーボンプレート入りシューズの仕様に変更していく必要があります。

 

練習量の多いトップランナーや、アマチュアでもハイレベルなランナーではない限り、すぐに走法を習得することはできないでしょう。

 

一般ランナーが履いてすぐに効果を出すには難しく、逆に怪我のリスクの方が大きいと言えるかも知れません。

 

そのため、中足部から前足部にかけて接地し強く蹴り出す走り方ができるランナー、スピードを重視したいランナーに向いていると言えるでしょう。

スピードが求められる比較的短距離のマラソンやレースに参加する場合に、コツを得ていれば大変効果的です。

 

カーボン入りシューズは慣れるまでが難しいため、ある程度練習が必要です。

上手く活用するためにも、次で練習方法をご紹介しましょう。

 

 

 

カーボン入りシューズに慣れるための練習方法

 

カーボンプレート入りシューズで走るためには、走法を変える必要があります。

 

一般的にはかかとから着地するヒールストライク走法で走っていることが多いのですが、つま先から着地するフォアフット走法を身につける必要があります。

 

ヒールストライク走法のまま履いてしまうと、効果を最大限発揮することが出来なかったり、思わぬ怪我に繋がるため注意が必要です。

 

フォアフット走法は、かかとが浮くような身体特性の多いアフリカ系ランナーが得意な走法で、逆にかかと側に重心を置くため、多くのランナーに向いているとは言えません。

 

ランナーのタイプによっては、地面を掴む接地感のより高い従来のソールの薄い靴の方が合うケースもあります。

自分が走りやすい方法を見つけて、合う靴を選ぶようにしましょう。

 

 

練習方法としては、ファンクショナルトレーニングが効果的です。

ファンクショナルトレーニングとは、特定の部位だけ動かして鍛えるのではなく、体全体を動かしながら、各部位の動きを確認して鍛える手法です。

 

実際に走りながら、動かす部分と固定する部分を意識してトレーニングし、少しずつ走り方を靴にアジャストしていきます。

頸椎や膝、踵は固定して、骨盤や胸は動かすのがコツです。

 

言葉で言うのは簡単ですが、実際にはとても難易度が高いので、習得には時間と根気が必要です。

チャレンジする方は、覚悟を持ってトレーニングに取り組んでください。

 

 

カーボン入りシューズの仕組みや練習方法を知って上手く活用を

カーボンプレート入りシューズは、着地時にカーボンが跳ね返ることで前への推進力が生まれる仕組みで、ランナーのストライドを最大限伸ばしてタイムを縮めることが可能です。

 

さらに推進力が出やすいよう厚みを工夫したり、スプーンのような形状にしたりすることで、効果を高めています。

 

ストライドが伸びる・エネルギーロスを軽減できるというメリットはありますが、高価であったり、足へ負担が掛かりやすくシューズに合わせた走法が必要であったり、初心者には難しいシューズでもあります。

 

そのため、体全体を動かしながら各部位の動きを確認して鍛える「ファンクショナルトレーニング」など、事前に練習が必要です。

 

上手く活用できればタイム短縮の近道となるので、まずは自身の走り方や目的に合っているかをチェックしてみましょう。

 

用途や自分のランニングスタイルに合わせた靴を選び、素敵なランニングライフをエンジョイしてください!!

 

 

真面目に靴をつくっている会社 岡畑興産の「くつナビ」では、靴に関する豆知識を多数発信中。

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