みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
私は、天気がいいと外へ出かけたい気分になります。
そこで大事なのは靴ですが、普段履く靴に関して、お困り事がある方はいないでしょうか?
新品で買ったときはもちろん何も問題はないでしょうが、履き続けることで、靴はダメージを負っていきます。新しい靴を買うか、靴の修理屋へ依頼するかは悩むところ。
靴の修理は部位にもよりますが、それなりの費用がかかります。
安い靴なら新品が買えるくらいです。
そこで今回の特集は、自分でできる革靴の修理について!
基本の修理方法や修理のポイントをご紹介させていただきます。
自分でもできる革靴の修理方法をご紹介
革靴がダメージを受けた際に、重度でなければ自分で修理することも可能です。
ダメージを受けやすい箇所ごとに、修理方法をご紹介します。
爪先・かかと周辺の革の修理
革靴を履いていると、気づかないうちに爪先やかかと周辺に擦れ傷がついていたり、どこかにぶつけて革が削れることがありますよね。
また、長く履いて革の劣化が進み、割れていたりすることもしばしばあります。
このような傷を直すためには、以下の方法を試してみてください。
爪先・かかと周辺の傷の修理方法
【用意するもの】
・ブラシ(ほこりを取る用途)
・靴専用クリーナー(靴の汚れを取る用途)
・サンドペーパー(400番手)
・補修クリーム(革の表面の毛ずれた部分を埋める用途)
傷の状態にもよりますが、上記のものを揃えれば補修ができます。
補修クリームは市販品がいくつかありますが、サフィール革製品 レノベイティング カラー 補修クリーム、傷が深い場合はコロンブス アドベース補修用クリームで、えぐれを埋めるのがおすすめです。
補修クリームは革の色にあったものを購入ください。
【修理方法】
①靴全体のほこりをブラシで取り、その後クリーナーで汚れを取りましょう。
②革についた傷とその周辺をサンドペーパーで削り、傷の周辺と傷の段差をなくすように滑らかにします。400番手から始まり600→1000→1500番手と砂目を細かくしていくことで、修理後の見た目が変わります。
③補修クリームを使い、指の腹もしくは綿棒などで傷とその周辺に塗ります。元の傷が深い場合は乾燥後にまた補修クリームを塗り、面が平らになるまで繰り返すといいでしょう。
④靴の色に合わせた乳化性クリームを塗ります。
仕上げに関しては、靴のお手入れ同様に油性ワックスまでの工程をしても良いでしょう。
見た目がきれいに仕上がります。
左右差が出ないように修理しないほうの靴も同じように靴磨きをしてくださいね。
靴底周辺の修理
靴のダメージで一番悩むのは、靴底周辺の修理ではないでしょうか。
爪先やかかとのアッパーとソールの剥がれ、靴底の減りや破損、穴開けなど、ある程度履いた靴においては靴底に関するトラブルが発生しやすいです。
最近は靴底修理用接着剤、ソール補修充填剤などが売っていますので、活用して自分で靴の修理を行っていきましょう!
爪先やかかとのアッパーとソールの剥がれを直す修理方法
【用意するもの】
・接着剤 (シューズ修理専用に作られたShoeGoo アロンアルファがおすすめです)
・ブラシ(ほこりを取る用途)
・目の細かい金型やすりもしくはサンドペーパー(粗目60~120番手程度)
【修理方法】
①汚れが付いているとうまく接着しないため、まずはブラシや布でほこりや汚れを取り、接着剤の残りなどで凸凹している面をやすりで均一にしましょう。
②剥がれた部分に適量の接着剤を塗布します(ShoeGoo アロンアルファをご使用の場合は10円玉程度の1滴が適量とのこと※ただし素材により若干変わります)。 瞬間接着剤の場合は伸ばしてしまうと硬化するため、接着面に垂らしたら、伸ばさずに素材と素材くっつけてください。
靴底の割れや穴空きを直す修理方法
【用意するもの】
・ブラシ(ほこりを取る用途)
・目の細かい金型やすりもしくはサンドペーパー(粗目60~120番手程度)
・ゴム用補修充填剤 (SHOE GOO(シューグー)100g すり減った靴底の補修材 がおすすめです)
・へら(ゴム用補修剤を伸ばす用途)
市販されている補修剤の色は黒のみが多いですが、SHOE GOOの補修材は色展開があり、靴底の色に合わせることが可能です(黒・白・自然色(茶))。ただし、どこのメーカーでも問題はありません。
【修理方法】
①修理部位に付着しているほこりや汚れをブラシを使って取り除きます。さらにサンドペーパーで修理部位を削る ことで油分などを除去でき、補修剤が修理部位にくっつきやすくなります。
②修理部位に補修剤を塗布して割れや穴あきを埋めます。へらを使って修理部位を平らにならしてください。その際にヘラは水で濡らしてから使うと良いでしょう。穴空きなどが深い場合は数回に分けて補修剤を塗るようにしてください。その場合は1回目の塗布がある程度乾くのを待ってから2回目を重ね塗りしましょう
④補修剤は説明書で放置する時間を確認し、硬化するまで放置してください。
⑤補修箇所に塗りすぎている場合は、でっぱっている部分をやすりなどで削り、調整をすると良いでしょう。
靴底の減った部分に継ぎ足しをする方法
靴底は履いていけば削れて減るものです。
減った部分には継ぎ足しができます。
かかとや爪先、その他の減った部位に継ぎ足していきますが、ここでは減ることの多いかかとへの修理方法をご紹介します。
【用意するもの】
・ブラシ(ほこりを取る用途)
・目の細かい金型やすりもしくはサンドペーパー(粗目60~120番手程度)
・ゴム用補修充填剤
・へら(ゴム用補修剤を伸ばす用途)
・クリアファイル(充填剤形作りガイドラインの用途)
クリアファイルや牛乳パック(裏側)など表面がツルツルしたものを(踵回りの長さ)x (ソールの高さ+5mm程度)の細い長方形にカットしてガイドを作ります。 ガイドは補修用充填剤を形を整えるための壁の役目をしてくれます。
【修理方法】
①最初は基本の基本、ブラシで汚れを取り除きましょう。 やすりまたはサンドペーパーで減った部位とその周辺を削りましょう。削ることで付着している油分を取り、補修剤がくっつきやすくなります。
②ガイドを補修するヒールの回りにテープで止め、ガイドに合わせて減った部位に補修剤を塗ってください。目指すはガイドの面合わせです。かなり減っている場合はいっぺんに足さず、数度に分けて補修剤を塗るようにしてください(1回目塗布、乾燥時間を置き、2回目塗布というような形です)。最終的に減ったヒール部分が減る前の高さまで補修剤を足してください。
※ガイドをこんな感じに取り付けます
自分で革靴を修理する際のポイントは?自分ではできない場合の方法も
自分で革靴を修理する場合の注意点やポイントについても、追加でお伝えします。
ご紹介した革の傷についての修理方法はすべての革靴に対応した方法ではありません。
いわゆる銀付き革についての方法となり、ガラスレザーやエナメルなどには適切ではありません。
型押しレザーや起毛レザーについても、サンドペーパーで削るとそこだけ見た目が変わってしまいますので、おすすめしません。
このような種類の革の靴の場合には修理を依頼するほうが安心です。
まずは修理を行っているお店へ相談をしてみましょう。
おすすめ靴用接着剤もお伝えしましたが、以下のブログでも詳しくご紹介しておりますので、参考にしてみてくださいね。
補修剤もいくつかのメーカーで販売されています。
SHOE GOO(シューグー)補修剤をおすすめしたのは黒以外の色もあるためですが、黒の補修ならば、サンスター技研 くつ底補修セットもおすすめです。
熱湯やドライヤーの併用技を使いますが、補修剤の効果時間が早いメリットがあります(なんと5分)。
革靴の修理を自分でできないと感じたらどうすれば良い?
革靴って自分で修理できるんだ!と、わかっていただけましたでしょうか。
わかっていただけるとブログにした甲斐があります。
ただ、すでに説明した通り、修理できないケースもあります。
また、修理しても見栄えの点では、完璧ではありません(見栄えで言えばそれなりです)。
見た目もちゃんとしたいと思う方は、新しい靴の購入も検討したほうがいいでしょう。
新しい靴を検討する際には下記のブログが参考になりますので、是非ご覧ください。
自分で革靴の修理する方法やポイントを知り、大切に使い続けよう!
このブログを見ていただいた方は、ぜひ自分でできる修理をまず実践してみてください。
靴屋さんへ修理に出すと費用はそれなりにかかります。
その前にまずは自分で修理を試していただけると幸いです。
私個人としては作業は楽しくて、1足修理をすると直せる自信がついて、2足3足と修理にチャレンジできます!
その一方で気に入っている、愛着がある靴を不格好な修理で見栄えを悪くしたくないと思う方は、修理屋さんや靴のメーカーに相談してしっかりとした修理を行い、大事な1足を長く履く方が良いでしょう。
自分で修理する場合はやはり見栄えは二の次になります。
修理ではなく新たな靴を購入するのも当然ですが良いと思います。
靴は消耗品の1つです。 特にセメント製の靴は修理前提ではなく、ダメになった場合は買い替え前提で作られた靴とご理解くださいね!
皆さんぜひ、自分で修理をトライしてみてください!
それではまた、次回のブログでお会いましょう。
岡畑興産では、真面目に靴を作っている会社のブログ「くつナビ」を運営しており、靴や靴の素材、世界の市場についての豆知識など、さまざまな知識を発信しています。
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