靴の開発とOEM

2021.04.16

OEMを依頼する流れや工程内容、注意点などをご紹介!

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こんにちは。靴OEM商社「岡畑興産」のはなです。

OEM・ODMを始めたいけど、OEMがどんなものか事前に詳しく知っておきたい!という方は多いのではないでしょうか。

今回はそんな方へ向けて、「OEM」を依頼する流れや工程、その注意点などを靴のOEMにフォーカスしてご説明します。

まずOEMとは?簡単にご紹介!

OEMとは「Original Equipment Manufacturing」の頭文字を略したもので、簡単にいうと他社ブランドの製品を製造すること、あるいは製造を行う企業のことです。

お客様から依頼を受け、商品を製造して納品するまでを請け負います。

 

一方、よく混同されがちなODMは「Original Design Manufacturing」の頭文字で、商品設計から製造までを委託する生産方法もしくは製造業者のことをいいます。

 

自社の製品や部品の生産をコストが低い海外企業に委託することでコスト削減が可能なため、多くの日系企業が海外進出においてOEM生産を利用しています。

OEMで依頼する際の流れを靴のケースで詳しく!

OEMの流れを岡畑興産の靴のケースを参考例として、順を追ってご説明していきます。

 

 

1. デザインレビュー

お客さまからのデザインを見ながら、材料や構造についてすり合わせをします。

お客様がデザイン機能をお持ちでない場合は、こちらでデザインを提案することもできます。

完成した商品のイメージに食い違いがでないように、何度もお話をさせていただくことも。どのような環境で着用するか、どのような人たちがターゲットなのかを詳しく聞き、機能や物性基準を決めていきます。

マーケティングの観点からデザインやカラーバリエーションの提案や、機能材料の紹介もいたします。

 

2. サンプリング

デザイン/仕様書を元に製造工場でサンプルを作製します。

だれがどこで着用するかを考えながら、足入れ感や競技パフォーマンスへの影響を考えてラスト(木型)の形、材料の厚さ、柔らかさなどを検証します。

初めての開発の場合は、アッパーパターン検証、ソール金型設計検証があり、サンプル作製には2~3ヶ月、納期の長い材料を使う場合はそれ以上かかることもあります。

 

3. お客様での検証(試し履き、テストプレイ)

ランニング、サッカー、野球、バレーボール、バスケットボールなど靴を履く全ての競技では靴の履き心地や機能が成績に直接影響します。

そのため、必ずお客様にサンプルシューズを履いたテストをして頂きます。

履いてみて初めてわかることがたくさんありますので、結果によっては足入れ改善のために最初から開発をやり直すことも珍しくありません。

 

4. 最終仕様と単価の決定

最終仕様を元に単価と納品時期の合意をします。

ここで決定する仕様には梱包資材仕様も含みます。

高価な箱やタグをご希望の場合と、靴袋のみの場合では価格に大きな違いがあります。

 

5. ご発注

4.を元に書面での契約(発注書)を締結します。

生産国の事情により、リードタイム(生産に掛かる期間)が違うことはおわかり頂けると思いますが、時期によっても違ってきます。

一般的に中国・台湾・ベトナムでは、旧正月前後が1年で1番生産事情が悪化する時期で、欧米ではクリスマスや夏休みが生産や出荷に大きな影響がある時期です。

生産国の工場と事前に情報を交換し、できる限りご希望に沿うように対応しています。

 

6. 製造

サンプルから量産への移行作業(試作/テスト生産)を経て、お客様から依頼を受けたOEM商品を製造します。

岡畑興産では委託工場に自社のスタッフが駐在し、生産管理を行っています。

品質や納期に問題がないかを常にチェックしてコントロールを行い、お客様には現場からの新鮮な情報を共有しています。

7. 検査・出荷・納品

工場出荷の前に、製品に問題がないかを検査します。

お客様のご希望に合わせて、全数検査あるいは抜き取り検査の対応をしています。

外観検査、機能検査、物性検査、検針など生産工場で検査をし、合格したものを出荷します。

海外品で、日本に到着後に第三者検査をご希望の場合は手配が可能です。

国内の場合はトラック等で、海外の場合は輸入申告後に、ご指定の倉庫まで納品します。

 

OEMで依頼する中で注意点はある?靴の場合に気をつけること

OEMは好きなだけ作成できるわけではなく、受注できる数に上限があります。

製造期間を短くするためには、早い段階で発注を前提としたスケジュールを組むことも重要です。

 

また、化粧品や雑貨などのOEMにはない、靴OEMならではの注意点もあります。

主に見積もり関連ですが、こんなはずではなかったということが起こらないように知っておくべき点を3つご紹介しましょう。

・材料MOQ(MINIMUM ORDER QUANTITY/最低発注数量)

OEM小LOTに関するコラム「小ロットのOEM依頼は可能?メリット・デメリットや流れも解説!」でもお話ししましたが、材料MOQ(発注できる最低数量)がある場合がほとんどのため、他に流用できない場合には委託側が買い取ることが基本ルールです。


・木型、金型、抜き型費用

靴を作るための道具の費用が製品の単価に加算されているかを、必ず確認しましょう。
同じモデルを継続してOEM生産する場合は初回のみに掛かる費用です。

・製品MOQとMSQ(MINIMUM SHIPMENT QUANTITY/最低出荷数量)

材料だけでなく、どこの工場も経営に合わせた製品MOQ(最低発注足数)が決まっています。

また、多くの工場では運送費用、海外であれば輸出通関費用なども加えた出荷に掛かる費用を試算し、MSQ(最低出荷数量)を設定して利益の確保をしています。

例えば、販売に合わせて2回に分けてMSQよりも少ない数の出荷をするときなどは、商品単価をアップしたり、出荷費用100%を委託側が負担することになります。

 

OEM依頼の流れや注意点を知ることは大事!

OEM依頼の流れや注意点について、ご参考いただけましたでしょうか?

主に靴のケースを参考にご紹介しましたが、事前にだいたいの流れや気をつける点を把握しておくことで、スムーズにトラブルなくOEMを進めることができます。

製造期間を短くするために、早い段階で発注を前提としたスケジュールを組むことも重要!という部分も覚えておいてくださいね。

岡畑興産ではシューズ・シューズ関連製品のOEMを承っています。

 

 

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