こんにちは、岡畑興産のちょっとくせが強めなノブです。
オリジナルシューズを作りたいけれど、どう進めたらいいかわからない、そもそも何が必要なのかわからない、知りたい! そんな思いをお持ちのブランドの企画担当者さんや一般のみなさんにも参考にしていただける 「くつナビ的 シューズ開発」 シリーズをスタートします。
どんな風にシューズ開発を進めるのかを段階毎に分けてご紹介していきます。
第1回目は、企画・開発を始める前にやるべきことについてご説明しましょう。
計画を明確化する
靴の開発に関わらず何かを始める前にだいたいのイメージを固めることはとても大事。
いざ始めて “あっちのがいい” “こっちにしよう”と迷っていてはいつまで経っても成果物を作り上げることができず、時間とお金の無駄になります。
まずは、大まかな計画を立てましょう。
1.作りたい靴を明確にする
どんな靴を作りたいのか、イメージできているでしょうか?
NIKEのあの靴、NEW BALANCEのあの靴、自分のオリジナルデザイン? とにかく作ってくれる工場にイメージを伝えなくてはいけません。
参考にしたいサンプルを準備したり、使いたい材料見本を準備しましょう。
そして、その靴のコンセプトをはっきりとさせることも重要です。
例えば…
*履き心地が良く通気性のある低価格スニーカー
*オーソドックスだけど少しカジュアル感のある紳士靴
*スーツにも合う天然皮革のスニーカー
具体的であればあるほど伝わりやすくなります。
2.想定販売(生産)数量を想定する
作る数量は費用や生産場所などの生産条件に大きく影響します。
1日に何万足も生産するような大規模工場で500足のような小さい数を作るには条件が合いません。また、いっぺんに大量の靴を販売したくても小さな工房では作る事ができません。
そして、だいたいの材料には最小購買ロットMOQ(MINIMUM ORDER QUANTITY)があり、作る足数によっては使えない材料も出てきます。
また、開発でかかる費用を製品単価に割り込むためにも足数は目安になるので、必ず必要な情報なのです。
3.販売価格を想定する
販売価格と仕入価格を想定してください。
靴のOEMで常に問題となるのが価格です。
機能のある材料を使いたい、人気ブランドのスニーカーと同等のソールを使いたいなど夢は大きく膨らむのですが、NIKEやADIDASなどの大ブランドは大量生産でコストメリットを出しています。
一見シンプルに見える靴でも手間の掛かる工程が入っていることがあり、工程が多いほど価格が上がります。
折り合いをつけるためには、最初からターゲットとなる価格を想定する必要があります。
これをターゲットコストといいます。
4.販売時期を想定する
靴の開発はアパレルに比べると時間が掛かるものです。
1ヶ月後、2ヶ月後に販売したいと言われてもまず実現はできません。
開発スケジュールをしっかり立てて販売時期を決めましょう。
靴のイメージ・コンセプト、想定生産足数、想定仕入価格、発売時期が決まったら、開発スタートです。
スケジュールについて詳しく説明しましょう。
スケジュール
販売したい時期をベースに逆算して、開発スケジュールを立てます。
靴の開発、生産においては、最低限必要な期間がありますので急ぐのは禁物です。
- 開発期間
- 生産準備期間
- 生産期間
- デリバリー期間
開発期間はさらに1stサンプル→ 2ndサンプル → 展示会サンプル → CFMサンプルと4段階あります。 この期間に何度もサンプルを作り、チェックし、修正を繰り返します。
平面のアパレルと比較すると立体の靴の開発ではチェックと修正が多くなるのは必然ですね。
開発サンプルや各工程の説明はこれからシリーズの中で詳しく紹介しますので、お楽しみに~!
ベトナムや中国の生産工場でロックダウンや電力制限があったり、人員が確保できないという問題があります。
輸送面ではコンテナー不足や船賃の高騰、ロックダウンのよる税関閉鎖なども発生しています。
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※岡畑興産株式会社は化学品事業と靴受託事業が連携し、SDGsに貢献できる材料開発・用途開発を進めています。