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岡畑の熱い人々

OKAHATA PEOPLE

2023.07.13

社長の○○

出島組織、トップガンマーヴェリックとスカンクワークス

【Okahata News Letter32号(2023年7月)抜粋記事】

ONLは弊社のお役立ちニュースレター。社長責任編集で、毎月ポジティミズムをお届け中!

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社長から:出島組織、トップガンマーヴェリックとスカンクワークス🦨

6月アメリカ出張記、バイアスまみれ(笑)の日米比較組織論2

〜政治観ではなく、産業史的にご笑覧下さい〜

 

出島組織って?

話は、数ヶ月前にさかのぼります。

“日の丸なんちゃら会社“が軒並み失敗している中、“日の丸コンテナ会社“ONE(川崎汽船+商船三井+日本郵船)だけは快進撃。なんでだろーと(積読本棚から)手に取った本が、「新しいことをやり切れてない」自分の悩みにストンと落ちたんです。

「日の丸コンテナ会社ONEはなぜ成功したのか?」/幡野武彦、松田琢磨、日経BP
手が止まらない感はないですが、新しいことに踏み出せる組織/仕組みづくりに興味ある人向けの良本。

最近面白くて手が止まらなかったのは↓

「半導体戦争」/クリス・ミラー、千葉敏生(翻訳)、ダイヤモンド社
TSMC、NVIDIA、リソグラフィー等々、紙面を賑わす言葉の背景/文脈をちゃんと理解したい人にはオススメ。

 
曰く、その秘訣は、出島組織にあり。出島組織とは:
・本体組織から何がしかの形ではみ出して、
・新しい価値を生む組織

で、スカンクワークス🦨とは?

時を同じくして、ロッキード社(現ロッキード・マーティン社)の“出島組織“、スカンクワークスの存在を知ってしまったのです。スカンクワークスとは、国からの無茶振り=特命を受け、少数精鋭が集まり、超短納期で、本社では到底無理なイノベイティブな飛行機を生み出してきた組織/仕組み/方法論。例によって例の如く、関連書籍を読み漁ったのですが、半導体もコンピューターもない1950年代に生み出したイノベーションの数々に唖然。もはや書籍や写真、Youtubeだけでは満足できず、スカンクワークスの作品現物を生で観たくなってしまいました。(フィジカルに。形に。やっぱ、現物が一番でしょ)

<スカンクワークスの代表作>
・U-2偵察機(1955年:米ソ冷戦史として教科書に載ってたような)
・Blackbird(1964年:マッハ3は今でも最速。トップガンマーヴェリック冒頭の、マッハ10機体のモチーフかと、尾翼に🦨ロゴあり)
・Nighthawk(1981年:F−117ステルス戦闘機。湾岸戦争で活躍)

 
現物がどこで展示されているのかググったらば、オハイオ州(さすがライト兄弟のお膝元)に。なんの奇跡かご縁か、訪問先から車で1時間。迷った挙句、訪問先の方にダメ元で、行けませんかーとお願いメールした結果が、ONL32カバー写真(F−117 ステルス戦闘機、Nighthawk)。訪問先の皆さまには感謝の言葉しかありません🙇‍♂️

そもそも、なんで、今、スカンクワークス=出島組織なのか。

アメリカがイノベーションで何周も先行できる理由を、試行錯誤や失敗を許容する文化/土壌にあり、と書いたのはONL28:


その試行錯誤と失敗を許容/後押しする仕組み/方法論の原型(のかけら)が、スカンクワークスにありました。
 
スカンクワークスのモットー、14 Rulesのエッセンスを自分なりに要約すると

・決めるのは、ひとり。シンプルなレポートライン。
・“人の意見を聞き、自分の考えを修正できる能力で、その人間の賢さが分かる。“
・少数精鋭、通常組織の約20%がよい。
・石を投げて届く距離に集まる。
(サクッと相談でコミュニケーションコストを低く:スカンクワークスはサーカステントで始まったし、ONEも“本社400名をワンフロア“に拘った。)
・“単純に考え、実行。速やかに、黙って期限を守れ”(60点でも前に進め。)
・できる限り、汎用品を使いこなす。(既存技術の組み合わせでイノベーションは可能。納期もあるし。)
・墜落も成功。“Crashing is Success”
・リーダーは結果/貢献の大きさで評価される。組織の大きさは関係ない。

 
さらにスゴイのは、スカンクワークスが立ち上がったのは、1943年からこの精神でやっていたこと。80年前から、試行錯誤や失敗を許容/後押しする方法論(の萌芽)があって、シリコンバレーにも繋がっていくのです。

1903年:ライト兄弟初飛行
1943年:スカンクワークス創設
1946年:岡畑興産が誕生!
1955年:U-2偵察機
1964年:SR-71(Blackbird)
1975年:岡畑典裕が誕生(🙏)
1981年:F-117(Nightawk:ステルス戦闘機)
———
2022年:Space X年間打ち上げ数61回、全て成功。
2022年:日本は打ち上げ成功数ゼロ。
2023年6月:ショウヘイ・オオタニ月間MVP(15ホームラン)

新しいことをやり切る/パイをデカくする方法論

単純なアメリカ礼賛ではないんです。「(それでも)日本はいい国だよ」で終わらせず、新しいことをやり切る人たちから、謙虚に学びたい。

それは例えば、表面上見えていること(WHAT)にただ飛びつかず、隠れた本質(WHY)を見ようとすること:

アナハイムスタジアムに散らかったゴミ(表面)よりも、ショウヘイ・オータニはMLBのトップに君臨し、彼のドル給料💸を払えるMLBという集客装置の凄さ(本質)を。

アメリカは不便も多いけれど(表面)、パイをデカくすることで解決/納得させちゃう力があるんだぜってこと(本質)を。

スカンクワークスから学べる本質の一つは、何がなんでも丁寧、は間違いだということ。スカンクワークスは丁寧さより、60点でも/たとえ間違ってても、前に進むスピード。丁寧で遅い報告書より、ズレ補正のためのサクッとメモ&コミュニケーション。支出と納期管理だけは、厳密丁寧に。

学び続ければ、今まで見えなかったものが見えてくる:

ビジネスも言語もよく似ていて、“語彙”が増えれば、拾える情報が一気に増える=今まで見えなかったものが見えるようになるんです。学ばないビジネスパーソンがいるとするなら、それは、辞書も持たずに外国語を読み続けるようなもの。今までの語彙力(やり方)に安住せず、学び続けるビジネスパーソンだけが、より難しく面白い文章(ビジネス)を解読できる。

学び続けていれば、新しいことをやり切る、出島組織的方法論だってみえてくる。僭越ながら、弊社にも見えてきた人がちらほら。我田引水を承知でいうのならば、取引先さまの出島組織=スカンクワークスになれる、かもしれない。

弊社のスカンクワークス的取り組みと言えば、

例の🍺会社さまのリサイクル・サンダルほか、色々ありますが、いちばんホットなのは


ご興味あれば、気軽にお問い合わせをお願いします🙇。

ONLも32号、コンテンツ・わらしべ長者を目指し、今日もひたすら、経営を、後押しを!

くれぐれも、コンテンツ・オオカミ少年にならないように、気をつけます(涙)

アメリカからは、以上です。

<主な参考文献>
書籍:
「ステルス戦闘機―スカンク・ワークスの秘密」
/ベン・リッチ、増田興司 (翻訳)、講談社
「史上最高の航空機設計者 ケリー・ジョンソン 自らを語る」
/ケリー・ジョンソン、マギー・スミス、 高田剛(翻訳)、プレアデス出版
Podcasts:「Acquired」「Inside Skunk Works」
その他:Wikipedia とYoutube

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