2024.06.20
土壌洗浄の方法とは?行わなければいけない区域や措置も解説!
こんにちは!岡畑興産の山口です。
「土壌」は日常生活の中で身近に接しており、土壌汚染と聞いても漠然と「土壌が汚染されていること」といったイメージを持つ人が大多数ではないでしょうか。
実は、土壌汚染は法律により調査が必要な区域やその措置について定められているのです。
今回はそうした土壌を洗浄するための方法についてご紹介していきます。
土壌洗浄とは「土壌汚染の除去」の方法の一つ
土壌洗浄とは、土壌汚染を取り除く方法の一つです。
土壌汚染とは、土壌が人にとって有害な物質な物質で汚染されること。
人的原因、自然的原因どちらの原因によるものも含まれます。
こうした汚染された土壌からの人への健康被害を防止し、土壌の汚染状況を把握するために、「土壌汚染対策法」が定められており、調査の結果、要措置区域に指定されると、土壌洗浄などの措置を取らなければなりません。
この法律では、土壌調査が必要となる場合が定められており、調査の結果、要措置区域に指定されると、暴露管理(人が汚染土壌にに触れないようにする)、暴露経路遮断(汚染土壌の有害物質の広がりの抑制)、土壌汚染の除去(有害物質の抽出・分解・搬出)の考え方のもとに下記のような措置がとられます。
- 地下水の水質測定
- 原位置封じ込め
- 遮水工封じ込め
- 地下水汚染の拡大の防止
- 土壌汚染の除去
- 遮断工封じ込め
- 不溶化
- 舗装
- 立ち入り禁止
- 土壌入れ替え
- 盛土
今回は、この措置の中の「土壌汚染の除去」の一つである「土壌洗浄」の方法についてご紹介していきます。
(土壌の常在菌によるものではありますが、筆者は山で転び怪我をしたところから土壌由来の細菌に感染し3週間近く入院したこともあり、土壌からの健康被害はなめていると痛い目みます笑)
土壌洗浄の方法は?処理技術についてご紹介
土壌汚染の洗浄方法は区域外処置と区域内措置で区別され、要措置区域内で行われるのは、区域内措置である「オンサイト土壌洗浄」(掘削を伴う)と「原位置土壌洗浄」(掘削を伴わない)です。
区域外処置の場合は、掘削した汚染土壌を場外に搬出して処理施設で処理をします。
では、「オンサイト土壌洗浄」と「原位置土壌洗浄」の具体的な処理方法について詳しくご紹介していきましょう。
なお、措置を行った後の調査で要措置区域への指定の事由がなくなったと認められると指定が解除されます。
オンサイト土壌洗浄の方法
措置区域内に土壌を洗浄するプラントを仮設し、汚染土壌を機械的に洗浄、汚染物質の除去を行う方法です。
汚染土壌を掘削し、水または他の溶媒で洗浄・分級することによって有害物質を除去します。
除去しやすい物質や有害物質の濃度が低い場合には「水洗浄※1」が行われ、除去しづらい物質や有害物質の濃度が高い場合にはより洗浄力の高い「溶媒洗浄※2」が行われます。
※1水洗浄=水を加えて洗浄し、洗浄水と細粒分を除去することで有害物質を取り除く
※2溶媒洗浄=水と溶媒を加えて洗浄し、溶媒中のコロイド粒子に有害物質を吸着させ、洗浄水と細粒分を除去することで有害物質を取り除く
洗浄処理後の土壌は敷地内へ戻すことが可能ですが、洗浄により分離された、汚染の濃縮した細粒分や洗浄水は別途処分を行う必要があります。
原位置土壌洗浄の方法
洗浄の対象となる汚染土壌中に、清浄な水または溶出を促進させる薬剤を溶解させた水などを注水するとともに、地下水の揚水を行うことで汚染土壌中の有害物質の濃度を低下させる方法です。
土壌から地下水中に有害物質を一度溶出させることになるので、有害物質が溶出した地下水を確実に回収することが必要です。
有害物質によっては、薬剤で分解可能なものもあります。
土壌洗浄の方法を知って土壌汚染による健康被害の防止に取り組もう
汚染された土壌からは有害物質を口や肌から直接摂取するリスク、また地下水を経由して接種してしまうリスクがあります。
たとえ、すぐに健康被害が出なくても、汚染物質の接種が継続してしまうと健康状態に問題が出る可能性が強まっていきます。
そのため、、「土壌汚染対策法」という法律が定められており、有害物質の多い要措置区域に指定されると、汚染物質を除去する土壌洗浄などの措置を取らなければいけません。
土壌洗浄は土壌の汚染を除去する方法の一つで、その方法には掘削を伴う「オンサイト土壌洗浄」と掘削を伴わない「原位置土壌洗浄」があります。
このような措置を行い、要措置区域への指定の事由がなくなったと認められれば、指定が解除されます。
元気な日常生活を過ごすためにも、土壌洗浄は重要な工程なのですね。
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