2023.07.20
グリコールエーテルとは?種類や用途、毒性もチェック!
こんにちは、岡畑興産の吉江です。
皆さん、グリコールエーテルと言う言葉をお聞きした事ありますか?
グリコールエーテルとはグリコールから由来したエーテルの全ての種類を指し、とても多くの種類があります。
グリコールエーテルは、我々の生活する周囲で幅広く使用されている化学物質です。
今回はグリコールエーテルとはどんなものか、その特性や種類、用途まで詳しくご紹介します!
毒性があるのかどうかも、お伝えいたしますので、ぜひ参考にしてくださいね。
グリコールエーテルとは?その特徴からご紹介!
グリコールエーテルの特徴を分かりやすく一言で表すと「水に溶けて樹脂を溶かせる溶剤」です。
グリコールエーテルの分子構造から見て、グリコールは1つの分子の中で(OH)基を2つ持っている化学物を指し、別名では「ジオール(-diol)」とも言います。
エーテルはR-O-R`の構造を持つ化学物のことを指し、その種類は非常に多いです。
一般的に樹脂を溶かせる溶剤はエステル系やケトン系が多く「非水溶性」ですが、グリコールエーテルは「水溶性」であり水溶性塗料やインキ、洗浄剤向けに広く使用されています。
溶剤系の製品は火事の危険性があり、保管する場所や数量などの制限がありますが、水溶性は非危険物ですので火事の危険性が少ないです。
消防法対象にならないので保管する場所や数量の制限もありません。
グリコールエーテルの主な用途は?
通常は無色の液体で溶剤や希釈剤として利用されます。
主な用途は塗料、インク、洗剤、電子材料の溶剤です。
グリコールエーテルの中でもジアルキルグリコールエーテルは樹脂を溶解させるだけでなく金属を分散させるので、電子材料の溶剤、医薬品の合成に使用されております。
また、芳香族系、脂肪族系、エステル系のグリコールエーテルは、主にアクリル、ポリエステルなど樹脂原料に使用されています。
グリコールエーテルの種類や毒性もチェック!
グリコールエーテルの種類はとても多く、読み方も一つの物質に対して色々あり、複雑になっています。
化学名に加えて一般名として「〇〇何々セロソルブ」とか「〇〇何々カルビトール」という読み方もありますし、略語での表現も一般的に使われていますので混同することもあるかもしれません。
種類別の化学名や一般名、略語、別名を別表にまとめたので、ご参考ください。
【グリコールエーテル系名称・物性一覧】
グリコールエーテルを大きく分類するとEO(Ethylene Oxide)系とPO(Propylene Oxide)系になり、それぞれエチレングリコールエーテル、プロピレングリコールエーテルのことを指します。
グリコールエーテルの毒性は?
EO系とPO系の差はカーボン1個の差ですが、毒性の面で大きな差があり、一般的にEO系の方が毒性が高いと言われてます。
例えば、代表的なエチレングリコールとプロピレングリコールを見るとエチレングリコールの毒性が高いです。
プロピレングリコールの場合は化粧品や食品向けの保湿剤として利用されています。
参考にエチレングリコールとプロピレングリコールの有害性の資料をご紹介しますので、ご参考ください。
エチレングリコール | プロピレングリコール | |
急性毒性(経口) | 区分5(飲み込むと有害のおそれ) | 区分に該当なし |
急性毒性(経皮) | 区分に該当なし | 区分に該当なし |
皮フ腐食性・刺激性 | 区分2(皮フ刺激) | 区分に該当なし |
眼刺激性 | 区分2B(眼刺激) | 区分に該当なし |
水生環境有害性短期 | 区分3(水生生物に有害) | 区分に該当なし |
水生環境有害性長期 | 区分に該当なし | 情報なし |
グリコールエーテルの特徴を知って上手く活用を
グリコールエーテルの特徴や種類、毒性などを簡単に説明しました。グリコールエーテルは種類も多く用途も幅広い分野で応用されています。
一番のメリットは水溶性であることです。
水系の洗浄剤はグリコールエーテルの溶剤、界面活性剤、水などを混ぜて使用されてます。
一般的な油汚れだけではなく、フラックスなど極性汚れにも溶解力が高い部分もメリットでしょう。
グリコールエーテルの各種類別の特徴や使用用途に合わせてご使用くださいね。
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