こんにちは!岡畑興産のかげやまです。
いきなりですが!!
世界規模で差し迫っている課題といえば、地球温暖化。
「地球が熱い!」「環境に良くない!」というのは、今では小学生でも知っていますよね。
けれど、実際にどんな対策をしているのかについては、意外によく知られていません。
時は遡って2020年。
日本政府はこの地球温暖化を食い止めるべく、2050年までにカーボンニュートラル社会を実現すると宣言しました。
ですが、いったいカーボンニュートラルって何でしょうか?
今回はその「カーボンニュートラル」について、その意味や重要性、具体的な取り組みを詳しくご紹介します!
目次
カーボンニュートラルとは?基本から解説!
カーボンニュートラルとは「カーボン=炭素」「ニュートラル=中立」を組み合わせた造語のこと。
「カーボンをニュートラルに」という、まさにそのまんまの意味です。
つまり、私たちが排出するCO2(二酸化炭素)を減らしたり、吸収したり除去したりして、「プラスマイナスゼロにしよう」「ニュートラルにしよう」という試みです。
携帯電話でいえば「実質0円」みたいな感じです。
携帯機種代金は払ってはいるけれども、その分のお金が返ってくる。
二酸化炭素を排出してはいるけれども、その分だけ減らしている。
わかりやすく伝えると、このような話ですね(笑)
このカーボンニュートラルという考えが出てきたのには、どのような背景があるのでしょうか。
カーボンニュートラルを目指すことになった背景とは
地球上で人類は繁栄に繁栄を重ね、現在では約77億人という大世帯を築いています。
そして、この人口の爆発的な増加を支えたのは「産業革命」であるといわれています。
これまで機械を使わず人の手によって行われてきた生産活動は、18世紀の後半ごろから機械技術の大発展によって、その大部分を機械に頼れるようになりました。
カーボンニュートラルを語る際には、まず下の図が重要となります。
※出展:オークリッジ国立研究所
1850年以降、世界の二酸化炭素排出量は爆発的に増加しています。
18世紀後半にいったい何があったのか。
まさに、それが産業革命です。
機械を動かしているのは、化石燃料(石炭、石油、ガスなど)と呼ばれる燃料です。
車を動かすためにも、電気を作るためにも、工場を動かすためにも、化石燃料を燃やしてエネルギーに変えています。
しかし、この化石燃料を燃やせばCO2という温室効果ガスが排出されます。
この温室効果ガスが、地球温暖化の原因になっているのです。
私たちの祖先は、生きる為に作物を作り、服も家も自分たちの手で作っていました。
1日24時間全てが、生きるための生産活動だったといえます。
ですが産業革命以降、私たちは生きるための生産活動の大部分を機械に支えてもらうことにより、直接生きるための時間ではない「余暇」を手にしました。
この余暇こそ、私たち人類が時間をかけて築き上げた、人間特有の「豊かさ」でもあります。
私たちの普通の暮らしは、既に工業化の恩恵を前提に成り立っています。
77億人分の食べ物や、衣服、住まい。
どこをどう見ても人の手だけで生産することは不可能でしょう。
つまり、私たちの「普通の生活」は機械と共存していくことでしか、維持していくことができません。
カーボンニュートラルでは、CO2排出量をゼロにすることはできないことを受け入れたうえで、「出した分は減らそうよ」という方向に舵を切っているのです。
似た言葉「カーボンオフセット」「カーボンネガティブ」とは?
CO2を含む温室効果ガスは、産業活動だけが原因ではなく、経済活動・日常生活に伴い排出されています。
国民一人ひとりの衣食住や移動といったライフスタイルに起因する温室効果ガスが、我が国全体の排出量の約6割を占めるという分析もあり、国や自治体、事業者だけの問題ではありません。
これらの問題は社会問題だけではなく、個人の私たちにも重くのしかかっている問題です。
カーボンニュートラルと並んで語られる言葉「カーボンオフセット」は、カーボンを「オフセット=埋め合わせる」するという意味で、経済活動や生活から排出されるCO2排出量の一部もしくは全部を、植林や温室効果ガス削減活動への投資を通して埋め合わせることをいいます。
そして社会全体におけるCO2の排出量と比較して、森林などに吸収される量のほうが多い状態をカーボンネガティブといいます
カーボンネガティブについては「カーボンネガティブとは?その必要性や取り組み例を詳しく解説 」でも詳しくご紹介しています。
カーボンニュートラルの具体的な取り組みとは?
日本政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。
カーボンニュートラルという言葉が世間に認知された年でもあります。
では、実際どのような方法で増えすぎたCO2を減らしていくのでしょうか。
具体的にカーボンニュートラルを目指すための2つの方向性「排出削減」と「吸収除去」についてご説明します。
排出削減
※引用元:資源エネルギー庁「カーボンニュートラル」って何ですか?(前編)~いつ、誰が実現するの?」
2018年度の我が国の温室効果ガス総排出量は、約12.4億トンでした。
「エネルギー起源のCO2排出量」は10.6億トンで、温室効果ガス総排出量の85%を占めています。
「エネルギー起源のCO2」とは、発電、運輸、および産業、家庭での加熱など、化石燃料をエネルギー源として使用する際に発生するCO2です。
したがって、温室効果ガス排出量を減らすには、エネルギー起源のCO2を減らす必要があります。
身近な方法としては、再生可能エネルギーである風力発電や太陽光発電の推進があります。
また、水素エネルギーを利用して電力発電に応用する試みも、近年では盛んに行われています。
しかし、再生可能エネルギーを導入しても、少なくとも現在の技術ではCO2の排出量をゼロにすることができない産業もあるため、今後の課題となるでしょう。
吸収除去
※引用元:経済産業省「我が国のCCS政策について」
吸収の方法は、例えば植林によって、植物の光合成の力を借りて、CO2を吸収することなどが挙げられます。
また、CO2を吸収するコンクリートも実用化されています。
一方除去は、火力発電所やセメント工場、鉄鋼工場などのCO2を含めたさまざまなガスを排出する機関からガスを回収し、CO2だけを分離して地下深くへ封じ込める方法です。
「CCS」とも呼ばれています。
CCSは、CO2を貯留するすき間のある地層(貯留層)があること、その上がCO2を通さない地層(遮へい層)で覆われていることが必要です。
この遮へい層が、CO2が漏れないようフタの役目をします。
IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)の調査では、地層を適切に選定し、適正な管理を行うことで、貯めたCO2を1000年にわたって貯留層に閉じ込めることが可能であると、報告されています。
カーボンニュートラルを行う必要性、個人でできることとは?
私たち人類は現在77億人にも及ぶ大世帯を築いています。
そしてこの大世帯を維持していくには、現状石油系燃料を使用する機械工業との共存が必要不可欠です。
そのため、排出量をゼロにすることはできないと先ほど述べましたが、それは現状「不可能」だということです。
例えば石油系燃料に代わり、水素をエネルギー・燃料として活用する水素社会が実現すればCO2の排出量は原理上ゼロになるでしょう。
しかし、水素社会が実現するのをじっと待っているのでは、どうやら遅すぎるようです。
このまま温暖化が進行すると、氷河の減少や海面の上昇、異常気象などを引き起こし、多くの動植物が減少・絶滅する可能性があります。
人間を含め全ての生物を守るためには、今やれることをすぐに行っていくしかありません。
それこそが、温暖化の進行を遅らせる「カーボンニュートラル」です。
地球温暖化という大きな課題を、事業者や自治体、国が解決する他所事の問題だとするのではなく、日々の日常生活でできることを私たち個人のレベルで行っていくことも求められています。
個人でも、再生可能なエネルギーを供給する電気会社への切り替えやハイブリッドカー・電気自動車への乗り換え、省エネな生活を心がけるといった取り組みができます。
エアコンの設定温度を下げる、公共交通機関を使うなど、小さいことの積み重ねでも1人ひとりが意識すれば、環境改善への影響は大きくなるでしょう。
カーボンニュートラルとは地球を守るための重要な施策
カーボンニュートラルとは「カーボン=炭素」「ニュートラル=中立」を組み合わせた造語で、私たちが排出するCO2の量と吸収量を均衡させること。
二酸化炭素の排出は止められないため、その分だけ減らしていこうという施策です。
具体的には再生可能エネルギーである風力発電や太陽光発電の推進、水素エネルギーを利用して電力発電に応用する試みなど、CO2の「排出削減」をする方法が1つ。
植林によって光合成の力でCO2を吸収する、CO2を吸収するコンクリートを実用化するなど、「吸収」を行う方法がもう1つ。
そして、二酸化炭素を含めたさまざまなガスを排出する機関からガスを回収し、CO2だけを分離して地下深くへ封じ込める「除去」という方法があります。
国や企業だけでなく、個人としてできることも日々意識し、地球温暖化の抑制につなげていけると良いですね。
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