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靴の開発とOEM

2021.04.02

小ロットのOEM依頼は可能?メリット・デメリットや流れも解説!

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こんにちは、靴のOEM商社「岡畑興産」のはなです。

 

昨今、製品を大量生産が出来ない・したくないお客様のために、各業界で小ロット生産という言葉が飛び交っていると思います。

もちろん岡畑興産靴受託事業部でも、OEMの小ロット生産に対応するケースがあります。

 

今回は、そんな買い手側がメリットばかりに見える小ロット生産について、靴業界に落とし込んだ場合の現実の話についてのお話です。

小ロットのOEM依頼は可能か、小ロットをOEMで行うメリットとデメリット、小ロットOEMの流れについて詳しくお伝えしますので、ぜひ参考にしてくださいね!

OEMとは何か? など基本的なことについてはOEMとは?意味や種類、OEMのメリット・デメリットなども解説もご覧ください。

 

OEMとは、他社の製品を製造する企業またはその行為のこと。

自社で製造機能がない場合は、OEMで商品を作ることがほとんどです。

大企業でも製造ノウハウがなかったり、面倒なことをまとめてアウトソーシングをしたい考えのときにはOEMで商品を作ることが多く、OEMは製造のスタンダードな形であるといえます。

 

どんな規模の会社でも、初めての分野に参入するとき、新しい商品を作るときなどは、たくさん作って本当に売れるのかという不安や、多くの在庫を抱えたくないという心配があるでしょう。

小ロットOEMなら、そんな不安を解消できるかも知れません。

工場の管理運営費用は固定であるため、ロットが小さければ小さいほど、1つあたりにかかる固定費は大きくなります。

それでも、小ロットに適した工場を選ぶ、開発を合理化して開発費を抑えることで小ロットOEMが可能になる場合があります。

岡畑興産でも、小回りの効く国内工場などでの靴の小ロットOEMに対応していますよ。

 

小ロットOEMのメリット・デメリット

小ロットOEMなら売れるかどうかといった不安を取り除ける可能性がある、とお話しましたが具体的な理由も知りたいですよね。

小ロットOEMを依頼するメリットとしてその理由と、もちろんデメリットもあるので、検討材料として詳しくご紹介します。

 

小ロットOEMを依頼するメリット

依頼するメリットとしては、主に以下の2点です。

・全体の費用が抑えられる
・在庫を抱えなくて済む

小ロットOEMなら大量に作らないので、全体の費用を抑えることができます。

支払う金額を抑えられるので資金繰りに余裕も生まれるでしょう。

 

さらに、売れないかも知れない商品を大量に抱え込むリスクがないため、テスト的な販売や新しい事にチャレンジしやすくなります。

 

小ロットOEMを依頼するデメリット

小ロットOEMの最大のデメリットは、使える材料の選択肢が少ないことです。

 

材料自体にロットがあるため、色々な材料を使った場合には、その分だけ材料が余ることになります。製品の在庫は少ないけれど、材料が大量に余るということになりかねません。

そのため、ロットが少ない材料から選んだり、多様な材料の組み合わせを避けたりする工夫が必要です。

 

また、製造ではほとんどの場合、大量に生産した方が圧倒的にコストを抑えることができます。同じ物をいっぺんに作ることで生産効率が上がりますし、固定費の按分も低くなります。

一方で、少ない数を作る小ロットOEMは生産効率が低いので、製造会社への価格交渉が難しいという点もデメリットです。

 

靴に関する小ロットOEMを例に、考えられるリスクも知っておこう

小ロットOEMはメリットも多いですが、現実に起こりうるリスクもできる限り知っておくべきではあります。

靴を例にしてリスク面を理解し、依頼前に検討・対策をしましょう。

 

発注に関するリスク

ロットにもいろいろあり、例えば弊社で海外の靴工場との取引の場合、工場にもよって違いはありますが、だいたい1モデル=1,200足(カラー:600足)というのが最低の”生産”ロットになります(国内工場だと500足〜)。

 

これは、靴工場の生産ラインを回す上で、最低限必要な数量です。

あえて生産の文字を太字にした理由は、これに加えて材料ごとのロットや、輸送時のコンテナロットなども発生するため、そこばかりに気を取られてしまうと痛い目を見る場合があるからです。

 

例えば、工場として靴自体は1,200足から作れるが、こちらが希望するアッパー材料を使うには3,000足分オーダーしなければならない場合、残りの材料代をどうにかして処理しなければなりません。

 

このような場合は工場側にその費用を負担させる訳にはいきませんので、原則として発注者側が負担するのがルールです。

処理方法は様々で、残材料代を靴単価に割り返しでご負担頂くか、材料ロットを気にしなくてよい現地の材料に切り替えるか、次回の発注数量のコミットを頂いた上で材料を発注するか、など多岐に渡ります。

 

しかし、ロットなしの現地材料に切り替える場合、ご要望通りの機能性、物性の材料が見つかるかはわかりません。

経費やコスト面のリスク

小ロットで生産すると、靴を作る上で確実にかかる経費(ラスト、抜き型、金型など)の1足あたりにかかる費用も大きくなってしまいます。

 

一番費用が掛かるアウトソールの金型代を削減するため、フリーで使用出来るものを中国で探すことは出来ますが、機能性もそこまで高くなく、誰しもが使えるのでオリジナルさも出せません。

 

また、輸送ロットの場合はコンテナサイズが20ft,・40ftと2種類あり、それによってだいたいの最大積載足数が決まってきます。

 

例えば、20ft = 2,400足が最大の場合に、1,200足しかないとコンテナがスカスカで、一足当たりの輸送コストが割高になってしまいます。

靴工場も輸送コストをできるだけ下げたいので、出荷は20ftコンテナ1台分以上からという決まりがあることも。

 

小ロット生産のデメリット重視の内容となってしまいましたが、現実に起こりうるお話をさせていただきました。

 

メリットとして在庫リスクの軽減など、ビジネス上ではとても便利な側面はあります。

 

どうしても小ロットで回す必要がある場合は、一足当たりのコストが割高になること、本来かからない余計な費用がかかってしまう場合がある、ということを念頭に置きましょう。

 

出来るだけ損することのないよう、きちんと工場側と話し合いの場を持ちながら進めて行くことが重要です。

 

小ロットOEMの流れは?

基本的には小ロットでも大きなロットでもOEMの流れは同じです。

岡畑興産で靴の小ロットOEMを行う場合の流れを例に、簡単に見ていきましょう。

1. デザインレビュー

お客様からのデザインを見ながら、材料や構造についてすり合わせをします。

完成した商品のイメージが双方で食い違いがでないように、何度もお話をさせていただくこともあります。

 

2. サンプリング

デザイン/仕様書を元に製造工場でサンプルを作製します。

靴の場合は、外観だけではなく足入れや競技用の場合はお客さまでの着用試験なども行っていただきます。

 

3. 最終仕様と単価の決定

最終仕様を元に単価と納品時期(靴は生産リードタイムが長いです)を双方合意の上、決定します。

このときに、箱やタグなどの梱包資材仕様の決定も必要です。

 

4. ご発注

3を元に書面での契約(発注書)を締結します。

 

5. 製造

材料手配を進め、商品の製造に取りかかります。

 

6. デリバリー

国内の場合はトラックなどで、海外の場合は輸入申告を経て倉庫まで納品します。

 

靴のOEMではソール開発、アッパー開発が必要で、アパレルや雑貨などよりは時間と手間が掛かるため、本来は小ロットOEMには向きません。

しかし岡畑興産では、すでにソールとして販売しているものを使うことで開発を簡略化したり、使用実績のあるアッパー材料を使うことでサンプリング回数を抑えるなどの工夫で、小ロットOEMを実現しています。

 

小ロットOEMはリスクを理解したうえで検討を!

たくさん作って売れるのかという不安や、多くの在庫を抱えたくないという心配はつきものですが、小ロットOEMならそんな不安を解消できる可能性があります。

大量に作らないため、全体の費用が抑えられる、在庫を抱えなくて済むというメリットがあるからです。

ビジネス上ではとても便利な側面があります。

 

ただし、使える材料の選択肢が少ないこと、生産効率が低いので製造会社への価格交渉が難しいといったデメリットも。

1つあたりにかかる費用も大きくなってしまうという面もあります。

 

そのためコストが割高になること、余計な費用がかかってしまう場合があることなど、リスクを念頭に置いた上で、工場側と話し合いの場を持ちながら進めて行くことが重要です。

 

岡畑興産の靴受託事業部では、お客様のご要望にできる限りお応えしながら、工場の方々にも気持ちよく生産してもらえるよう、両者間で円滑なコミュニケーションもとれるよう、潤滑油のような役割として日々精進しております。

 

良きパートナーとして、ご満足頂けるようなサービスをご提供させていただきますので、靴でお困りのことがあれば、まず弊社にお問い合わせください。

 

 

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