こんにちは。岡畑興産靴受託事業部のすねやです。
「エシカル」という言葉を知っていますか?
エシカルと聞いて、なんとなく、サステナブルやSDGsに関連した言葉だろう・・・と、ぼんやりと理解している人は多いのではないでしょうか?
今、さまざまな業界で、エシカルを重視するブランドや商品が出始めるなど、エシカルへの注目が高まっています。
今回は「エシカル」の意味や必要とされている理由、私たちができるエシカル消費やエシカルな行動について解説・紹介していきます。
エシカルとは?
「エシカル(ethical)」とは、「倫理的・道徳上の」という意味の英単語で、一般社団法人エシカル協会の公式サイトでは、エシカルとは「人や地球環境、社会、地域に配慮した考え方や行動」と記載されています。
私たちがエシカルな行動をすることによって、地球規模で起こっている環境問題、社会問題の改善に繋がると考えられています。
例えば、使い捨てのプラスチックを止め、リサイクルや再利用できるものに変えることもエシカルです。
海洋や陸地におけるプラスチック汚染問題を軽減することができます。
サステナブル、SDGsとの違いと関連性
「サステナブル(Sustainable)、サステナビリティ」とは、環境・社会・経済の分野において、「長期的に持続可能な社会を実現するための取り組み」を指します。
Reduce(リデュース:削減)、Reuse(リユース:再使用)、Recycle(リサイクル:再生利用)、Refuse(リフューズ:断る)、Repair(リペア:修理)の5Rの取り組みが代表的です。
「SDGs(Sustainable Development Goals)」は、国連が国際社会共通の目標としてまとめた2030年までに達成すべき「持続可能な開発目標」のことです。
サステナブルの大きな枠組みである環境・社会・経済の3つの側面において、具体的に17の目標と169のターゲット、232の指標を設定しています。
クリーンエネルギーの普及、教育の普及、ジェンダー平等、貧困削減などに対する取り組みを示しています。
エシカルな行動は「サステナブルな社会を目指すためのアクション・考え方のひとつ」として位置づけられており、SDGsはその具体的な目標を示すガイドラインといえるでしょう。
エシカルな行動を!「エシカル消費」とは?
エシカルな行動として代表的なのが、「エシカル消費」です。
エシカル消費とは、私たちが商品やサービスを選ぶ際に、「地球環境、人や社会に配慮して作られているか」を重視して選び、購入・消費することをいいます。
また、環境や社会に配慮して生産され、流通したものを「エシカル○○」といい、これらを率先して選び、そうでないものは選ばない意志をもった消費者を、「エシカルコンシューマー(エシカル消費者)」と呼びます。
エシカル○○にはどんなものがあるのでしょうか?
エシカル消費につながる業界の取り組みの一例を紹介します。
エシカルファッション
エシカルファッションは、生地などの材料の選定から、生産体制やその労働環境など、人や地球に配慮してつくられた衣類やアクセサリーのことを指します。
2006年に設立された「Ethical Fashion Forum」では、エシカルファッションの条件を次のように示しています。
- 生産過程における環境汚染の削減
- リサイクルによる廃棄物の削減
- オーガニックなどの環境に優しい素材の使用
- 公正な取引(フェアトレード)
- 正当な労働条件
- 伝統技術の支援
- サプライチェーンの全体の透明性
- アニマルフレンドリー
低価格で最新の流行の衣類を販売する、いわゆる「ファストファッション」は、消費者にはメリットが多いと感じますが、その裏には、過酷な労働条件や大量生産・大量消費・大量廃棄の連鎖による環境汚染などがあります。
エシカルファッションに注目が集まったきっかけは、2013年にバングラデシュで起きた「ラナプラザ崩壊事故」だといわれています。
ラナプラザ崩壊事故とは、違法な増築を繰り返して不具合も出ている中、強制的に操業を継続させたことで建物の崩壊に繋がり、多数の労働者を犠牲にする大事故になった事件です。
この事件がきっかけで縫製工場での低賃金・長時間労働、劣悪な職場環境が明るみになり、安価な洋服を販売する問題点が浮き彫りになったのです。
この事件により、エシカルファッションに移行しよう! という動きが加速しました。
エシカルフード
エシカルフードとは、地球や人に負担を与えない食材、食品のことです。
具体的には、オーガニック・無農薬などの環境にやさしい方法で生産されたもの、フェアトレードによって調達されたもの、生産過程で環境への負荷が少ないもの、植物由来の食材を使用したもの、地産地消のものなどが当てはまります。
エシカルフードが広がることで、食品ロス(フードロス)の削減や、農産物への農薬・殺虫剤の削減などにも繋がります。
このように「エシカル消費」は、人間、動物、植物、みんなが暮らしやすい社会に繋がるアクションといえるでしょう。
では、どのようにエシカルな商品を選べば良いか、見分ける方法も次で紹介します!
エシカルな商品の基準や商品の選び方
エシカルな商品を選びたいけれど、どれがエシカル商品なのか、自分で見分けるのは難しいですよね。
見分ける方法のひとつとして、認証マークがあります。
代表的な認証マークには「GOTS認証」「国際フェアトレード認証」がありますが、認証基準の一例として、その基準や見分け方を紹介していきましょう。
認証マーク以外の見分け方についても、あわせてお伝えします。
GOTS認証
「GOTS認証」は、”Global Organic Textile Standard”の略で、繊維製品を製造加工するための国際基準であり、オーガニック素材であるコットン、ウール、麻、絹などの原料から環境的・社会的に配慮した方法で製品をつくるための基準です。
GOTS認証を取得するには、以下の厳しい基準をクリアする必要があります。
・使用される繊維全体の少なくとも70%以上にオーガニック繊維を使用していること
・原料から最終製品まで、全ての工程が認証されていること
・製品の追跡可能性(トレーサビリティ)が確保されていること
・オーガニック以外の製品との混同、汚染が起きないよう管理されていること
・最終製品に残留物がないこと
・水・エネルギーの使用や廃棄物に関しての環境目標を設定していること
・廃水処理方法や生分解性の基準に基づき、毒性の強い薬剤を使用しないこと
・原料や助剤等に遺伝子組み換え技術(GM)を使用しないこと
・動物による生体実験を行わないこと
・強制労働・児童労働の禁止
・衛生的で安全な労働環境と搾取のない労働条件であること
・差別禁止が実践されていること
国際フェアトレード認証
国際フェアトレード認証の基準は経済的基準、社会的基準、環境的基準の3つの柱によって成り立っています。
経済的基準
・フェアトレード最低価格の保証
・フェアトレード・プレミアムの支払い
・長期的な取引の促進
・必要に応じた前払いの保証 など
社会的基準
・安全な労働環境
・民主的な運営
・差別の禁止
・児童労働、強制労働の禁止 など
環境的基準
・農薬・薬品の使用削減と適正使用
・有機栽培の奨励
・土壌・水源・生物多様性の保全
・遺伝子組み換え品の禁止 など
・農薬・薬品の使用削減と適正使用
引用:fairtrade japan 国際フェアトレード基準
こちらのブログでヴィーガン認証についても紹介していますので、合わせてチェックしてみてくださいね。
エシカル商品を見分けて選ぶ、その他の方法は?
代表的な認証マークについてお伝えしましたが、この他にもさまざまな認証基準があり、実際は、認証マークのついた商品を探すのも大変だと思います。
そんな時は、エシカル商品を紹介しているショッピングサイトを活用するのがおすすめです。
商品のエシカルなポイントがわかるようになっていたり、とても便利です。
また、ショッピングだけでなく、最新のサステナブルな情報やエシカルに取り組む企業、ブランドの紹介などを発信しているサイトもあります。
エシカルな商品に触れたり、体験できるイベントを開催する自治体や企業も増えており、そこに足を運んでみるのもおすすめです。
一度に、全てのモノをエシカル商品に置き換えることは難しいですが、こういった情報や体験から、サステナブルな暮らし方、エシカルな消費の仕方を学び、少しずつ自分の生活に取り入れていけると良いですね。
「エシカル」な考え方で社会や環境に配慮を!
エシカルとは「人や地球環境、社会、地域に配慮した考え方や行動」のことをいいます。
地球規模で起こっている環境問題、社会問題を改善していくためにも、エシカルな行動は必要です。
エシカル、サステナブル、SDGsは、全て「持続可能な社会」の実現を目指しています。
エシカルな考え方や行動はサステナブルな社会や生活を実現するための取り組みの一環であり、SDGsはそのガイドラインになります。
「エシカルファッション」や「エシカルフード」などのエシカル消費は、人々や動物、自然、地球全体にやさしい選択をすることを意味します。
エシカル商品を選ぶためには、認証マークやエシカル商品のショッピングサイト、情報サイトの活用がおすすめです。
より良い未来をつくるために、エシカルな考え方を取り入れ、自分たちの選択を見直してみる機会になれば嬉しいです!
くつナビでは、これからもエシカルな情報をアップデートしていきます。
もちろん、シューズに関わるエシカルな材料も紹介していきますのでお楽しみに!
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※岡畑興産株式会社は、化学品事業と靴受託事業が連携し、機能性素材の材料開発・用途開発を進めています。