2021.09.24
PEKKやPEEKとは?その特徴や用途、違いを詳しく解説します!
こんにちは、「岡畑興産」の竹内です。
熱可塑性ポリマーのなかの芳香族ポリエーテルケトン類で最も代表的なのはPEEKかと思いますが、同じ芳香族ポリエーテルケトン類のPEKKをご存じでしょうか。
今回はPEEKとPEKKはどのような樹脂なのか、その特徴や違い、用途を詳しく解説します!
PEKK、PEEKとは?それぞれの特徴や違いをチェック!
まず最初にPEEKは、ベンゼン環をエーテル基とケトン基で結合した構造(芳香族ポリエーテルケトン)になっています。
芳香族ポリエーテルケトンとは、結晶性の熱可塑性樹脂に属するポリマーの総称のこと。
そして、高い耐熱性を持つ「スーパーエンジニアプラスチック」です。
スーパーエンジニアプラスチックの中でも特に耐熱性、耐薬品性、力学特性、電気特性に優れており、世界で年間約1万トン使用されています。
短所は、製品コストが高いという点です。
一方で、PEKKも同じ芳香族ポリエーテルケトンの1つです。
PEEK同様に優れた耐熱性、耐薬品性、力学特性、電気特性を有しますが、日本ではまだほとんど使用されておりません。
PEKKとPEEKの違いは?
PEKKとPEEKの違いは大きく3つあります。
1つ目は構造式の違いから。
名称の違いとなっているようにPEEKは「ポリエーテルエーテルケトン」に対してPEKKは「ポリエーテルケトンケトン」と言います。
PEKKは1つのエーテル基がケトン基になった構造が特徴で、ケトン基が1つ多いです。
ケトン基が多いほど、ガラス転移点・融点は高くなるため、耐熱性に優れます。
CAS番号:31694-16-3
CAS番号:74970-25-5
2つ目は原料です。
PEEKはハイドロキノン、4,4’-ジフルオロベンゾフェノンからつくります。
一方、PEKKはジフェニルエーテル、テレフタル酸クロライド、イソフタル酸クロライドからつくります。
原料コストを比べるとPEKKのほうが安価です。
3つ目は物性のコントロールについて。
PEEKは物性をコントロールできませんが、PEKKは原料のテレフタル酸クロライドとイソフタル酸クロライドの比率を変えることにより、結晶化度・ガラス転移点・融点をコントロールすることができます。
このように異なるPEKKとPEEK。
実際にどんな用途に使われるのでしょうか。
次で詳しくお話していきます!
PEKKとPEEK、それぞれの用途とは?おすすめのPEKKもご紹介
それぞれの主な用途、岡畑興産でおすすめのPEKKについてもご紹介します。
PEEKの使用例
- 高温部での使用を含む自動車関連部品(エンジンなど)
- 航空宇宙関連の材料部品
- 電線被覆や電気・電子関連部品
- 電子回路基板
- 医療機器
- 薬品・溶剤・腐食性ガス製造ラインの部品
PEKKの使用例
- ベーキングトレイ、金型、ポット
- 耐食コーティング
- 高強度プラスティックス部品(PEEK代替)
- 3Dプリンター用樹脂
岡畑興産でおすすめのPEKK「KSTONE®」
岡畑興産では、山東凱盛新材料有限公司(Shandong Kaisheng)社が製造するPEKK「KSTONE®」をご提案しております。
山東凱盛社は、中国山東省淄博市にある化学メーカーです。
KSTONE®の原料であるテレフタル酸クロライドとイソフタル酸クロライドのメーカーでもあり、原料から一括した生産をしております。
KSTONE®のプラントは現在増設中で、数年後には2,000MTの生産能力になる予定です。
原料面、生産規模からしても大きなコストメリットを有しております。
高耐熱スーパーエンプラをお探しの方、PEEKや他社製造PEKKのコストでお悩みの方は、ぜひ一度、KSTONE®をお試しください!
サンプル(ペレット、粉体)を準備してお待ちしております。
岡畑興産が運営している常設オンライン展示会「どこ展-どこでも、ひとり展示会」でも、このPEKKについて詳しくご紹介していますので、ぜひお越しくださいね。