2022.11.25
固体潤滑剤とは?特性や種類、用途についても解説!
こんにちは、岡畑興産の森本です。
最近、固体潤滑剤使用というワードを目にしませんか?
材料表面の損傷防止や摩擦・摩耗を低減するために利用される固体潤滑剤ですが、近年さまざまな用途で活用されています。
固体潤滑剤の潤滑成分にも種類がいくつかあり、種類ごとに使われる製品も異なります。
今回は固体潤滑剤について、その特性や種類、用途を詳しく説明します!
固体潤滑剤とは?特性を詳しく解説!
固体潤滑剤とは材料表面の損傷防止や摩擦・摩耗を低減するために活用される固体物質のこと。
高荷重、高温・低温下、衝撃荷重、放射線環境や真空環境に強いという特性もあります。
ある程度の沈殿が起こる、オイルに色が付くことがあるといった欠点もありますが、上回るメリットも多いです。
使える温度の幅が広い、荷重への耐久性が高い、速攻で摩擦低減・摩耗防止効果が出るというメリットは大きく、活用されることが増えています。
また、オイルやグリースよりも性状が安定しているという特性も。
そのため、高温環境下で使用される摩擦抵抗軽減や耐摩耗性が必要な部品を作る際に、オイルやグリースが使用できない部分へ使用されます。
固体潤滑剤の主な用途もチェック。潤滑成分の種類も
固体潤滑剤は潤滑成分の種類によっても、用途が異なります。
固体潤滑剤に使用される潤滑成分のうち、黒鉛、二流化モリブテンは層状格子構造になっているため、層間は弱いファンデルワールス結合です。
高荷重環境でも滑りやすい性質を持っています。
一方PTFEは、金属に対してほとんど磨耗しない性質を持つ自己潤滑性材料です。
PTFEは比較的柔らかい樹脂ですが、高い非粘着特性が特徴で、フライパンのコーティングなどに使用されます。
このように一般的に耐磨耗性(滑り性)が必要な部分にPTFEが使用されることが多いですが、実はPTFE単体では母材(鉄、アルミニウム)には密着しません。
固体潤滑成分が剥がれないように・耐摩耗性を持たせるために、固体潤滑剤にはエポキシ、PAIなどの結合材も含んでいます。
固体潤滑剤中のPTFEとPAI(またはエポキシ)の割合を変更することで、耐磨耗性に特化した塗料または密着性に特化した塗料へと、変化させることができます。
そのため各種工業用部品に活用されることも多く、高温環境下で耐磨耗性が求められる自動車のエンジン部品などに使われています。
岡畑興産が扱うPTFE・PAIを含有したWhitford社のXylan1000シリーズは、最高260℃の環境まで使用することが可能です。
また、固体潤滑剤は医療用カテーテルにも使用されているのをご存知でしょうか。
カテーテルは細い血管の中を通していくのですが、ガイドワイヤーに固体潤滑剤を処理すると、スムーズにカテーテルを患部まで導くことができます。
カテーテルの金属に血液が触れると血の塊ができてしまい、血栓になることがあるのですが、ここにPTFEが使用されていると血液を弾くため、事故を防げます。
Whitford社の製品は、この分野でも多くのお客様に採用頂いています。
岡畑興産では、固体潤滑剤は金属だけでなく、ゴムやプラスチックにも使用可能な製品をラインナップしています。
特に自動車のウェザーストリップ、グラスラン用途で欧米の自動車メーカーに多くの実績があるResilonは、ケミカルマテリアル展示会にも出展しています。
岡畑興産でラインナップしている製品は、当社のオンライン展示会「どこ展」でも順次ご紹介していきますので、ぜひあわせてご覧ください!
固体潤滑剤の種類ごとの特性を知って上手く活用を
使える温度の幅が広く、衝撃荷重、放射線環境などに強いという特性を持つ、固体潤滑剤。
オイルやグリースよりも性状が安定しているという特性もあり、活用されることが増えています。
高荷重環境でも滑りやすい性質を持つ黒鉛、二流化モリブテンや、高い非粘着特性が特徴でフライパンのコーティングなどに使用されるPTFEなど、固体潤滑剤に使用されている潤滑成分の種類によっても性質や用途が異なります。
岡畑興産では、ゴムやプラスチックにも使用可能な固体潤滑剤をラインナップしておりますので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
Whitford社のXylanやゴム用フッ素コーティング剤についてもとりあげておりますので、こちらも是非ご覧ください。また、PTFEについてもご紹介しております。
また、岡畑興産のコンテンツ、どこ展や岡畑興産ブログではその他の化学品を多数紹介しています。こちらも是非ご覧ください!