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2025.08.06

ネオペンチルグリコールの特徴や種類を解説!用途や市場動向もご紹介

こんにちは、岡畑興産の吉江です。

 

皆さま、「ネオペンチルグリコール(NPG)」という化学品をご存じでしょうか?

ネオペンチルグリコールは、耐熱性や安定性に優れ、塗料や樹脂など幅広い用途で使われている多機能な原料です。

 

今回は、この素材の基本情報から主な用途、製品の形状、市場動向までをわかりやすくご紹介いたします。

ネオペンチルグリコール

 

 

ネオペンチルグリコールとは?

ネオペンチルグリコール(Neopentyl Glycol:略称NPG)は、分子式C₅H₁₂O₂のジオール(2価アルコール)であり、化学的には2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオールと呼ばれます。

 

基本情報は、以下の通りです。

 

【基本情報】

  • 化学名: 2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール
  • 別名:ネオペンチルグリコール(Neopentyl Glycol/略称NPG)
  • CAS番号:126-30-7
  • 分子量:104.15 g/mol
  • 外観:白色の結晶性固体
  • 融点:126℃前後

その構造上、耐熱性や耐加水分解性に優れており、さまざまな樹脂や可塑剤の原料として使用されています。

 

特に、分子内に2つのメチル基があることで立体障害が生じ、酸化や加水分解に対する安定性が高まっている点が特徴です。
このため、塗料やプラスチックなど、耐久性・耐候性を求められる用途に適しています。

 

次で用途についてもご紹介します。

ネオペンチルグリコールの主な用途

ネオペンチルグリコールは、以下のような用途で幅広く使用されています。

 

ポリエステル樹脂

自動車部品や塗料などに使用され、耐熱性・耐水性の向上に寄与します。

 

可塑剤の製造

樹脂に柔軟性を持たせ、加工性を高める目的で利用されます。

 

潤滑油添加剤

高温環境下でも安定した性能を発揮し、潤滑性を向上させます。

 

印刷インキ・接着剤

乾燥性や接着力の調整成分として用いられます。

 

製品の形状と種類は?

使用環境や製造工程に応じて、ネオペンチルグリコールは以下の形状で提供されています。

  • フレーク状:扱いやすく保管性にも優れる
  • 液状:加工工程での利便性が高い

使用する製品やプロセスに応じて、最適な形状が選ばれます。

 

 

ネオペンチルグリコール誘導体も解説!どんな種類がある?

ネオペンチルグリコール

ネオペンチルグリコール誘導体とは、ネオペンチルグリコール(NPG)をもとに化学的な変化を加えて得られる化合物のこと。
高い安定性や耐候性を活かして、塗料、樹脂、可塑剤などの分野で使用される素材です。

 

用途に応じた特性を持たせやすく、工業材料として幅広い応用が可能です。

ネオペンチルグリコールを基にして作られた誘導体の中には、化粧品原料として使用される原料もあります。
そのうちの2つをご紹介します。

①ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール

基本情報は以下の通りです。

 

  • 化粧品表示名:ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール
  • 医薬部外品表示名:ジ2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール
  • INCI:Neopentyl Glycol Diethylhexanoat

 

ネオペンチルグリコールに含まれる2つのヒドロキシ基(-OH)それぞれに、2-エチルヘキサン酸のカルボキシ基(-COOH)を脱水縮合したジエステルです。

油性基材や溶剤として、主にメイクアップ製品や化粧下地、日焼け止めなどの化粧品に配合されています。

②ジカプリン酸ネオペンチルグリコール

基本情報は以下の通りです。

 

  • 化粧品表示名:ジカプリン酸ネオペンチルグリコール
  • 医薬部外品表示名:ジカプリン酸ネオペンチルグリコール
  • INCI名:Neopentyl Glycol Dicaprat

 

ネオペンチルグリコールに2つ含まれているヒドロキシ基(-OH)それぞれに、カプリン酸のカルボキシ基(-COOH)を脱水縮合したジエステルです。

 

油性基材として、主にメイクアップ製品や化粧下地製品などの化粧品に配合されています。

 

 

ネオペンチルグリコールの市場もチェック

近年、アジアを中心にネオペンチルグリコールの需要は拡大傾向にあります。

 

特に中国やインドでは、自動車産業や塗料市場の成長にともない、需要が急速に増加しています。

 

また、アセアン諸国や韓国などでも都市化やインフラ整備の進展により、塗料・接着剤などの分野でネオペンチルグリコールの使用が広がっています。

 

さらに、環境配慮の観点からバイオマス由来のNPG開発も進められており、脱炭素や持続可能性を重視する動きとともに、今後いっそう注目される素材となっています。

当社では、韓国・LGケミカル社製のネオペンチルグリコールを取り扱っております。

高品質で安定した供給体制を確保しておりますので、製品に関するご質問やお見積りのご相談など、どうぞお気軽にお問い合わせください!

 

 

ネオペンチルグリコールの今後にも期待!

ネオペンチルグリコール(NPG)は、耐熱性・耐加水分解性に優れた多機能な化学原料で、塗料や樹脂、可塑剤など幅広い用途に活用されています。

 

誘導体には、化粧品原料としても使われるジエチルヘキサン酸NPGやジカプリン酸NPGどがあり、安定性や油性基材としての特性を活かした製品づくりに貢献しています。

 

フレーク状や液状など、用途に応じた形状で供給可能です。

 

アジア地域を中心に市場は拡大しており、特に自動車や塗料分野の需要が顕著です。
環境対応の流れの中で、バイオマス由来のNPGにも注目が集まっています。

 

岡畑興産でもLGケミカル社製の高品質なNPGを取り扱っておりますが、今後の動きにも注目していきたいと思います!

 

岡畑興産が運営している「岡畑興産ブログ」では、このほかにもさまざまな化学に関する知識を発信しており、常設オンライン展示会「どこ展2.0」でも機能性原料について詳しくご紹介しています。
こちらも、ぜひご覧ください!

 

岡畑興産 吉江 ヨシエ

岡畑興産株式会社
機能化学品事業部

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